今回のリサイタルに向けて、元NHKアナウンス室長、
山根基世さんからメッセージをいただいた。
NHK『
映像の世紀』をはじめ、数々の番組、映像作品における山根さんの名ナレーション、味わい深い朗読 etc。多くの方があのお声と語り口をすぐに思い浮かべられるに違いない。今年4月には、これまでの人生、歩みを山根さん自ら語られた記事が朝日新聞に連載された。
2018年、山根さん主宰「
声の力を学ぶ 連続講座」が開かれた。よき方のご紹介を受け、私も第一期に講師として登壇。その後続々と登壇される講師は多士済々、テーマも多岐にわたる。貴重な学びの機会!と、私は聴講させていただくことにした。コロナ禍を挟んで、講座は予定の三年を完遂。充実の、そして心温まる時間を、山根さん、スタッフさん、受講生の皆さんとご一緒させていただいた。講座全体の様子はこちら→
連続講座『声の力を学ぶ』
そんなご縁で、
2019年リサイタルに山根さんがお出かけくださった。スペイン歌曲にはほとんど触れたことがない、とのお話だったが、ご感想をうかがうと、とても真っ直ぐに聴き、受け止めてくださったご様子。こうして ”初めて” の方に前向きにスペイン歌曲を知っていただけることは嬉しい。今年の開催を決めた際、意を決し、メッセージをお願いすると……快諾してくださった。
いただいた文章に「スペイン語を解さない私が、その歌に心を揺さぶられる」とあった。
以前このブログにも書いた通り、外国語で歌うことは、お客様との間の大きな壁になる。それを重々承知の上で原語で歌う。だから、少しでも分かっていただくためにあれこれ工夫をする。しかしリサイタル本番では、その工夫にも限界がある。とどのつまり、我ら、ともに感じ合える人間として、ともに感じ合えると信じて、言葉の壁をポーンと飛び越える歌をお届けするしかない。
私の秘かな目標を、山根さんは感じ、受け止め、的確に、シンプルに、言語化してくださっていた。驚いた。まさに勇気をいただく想い。スペイン語を解さない私、とフランクに書かれている、その飾らないお人柄にいつも尊敬の念を覚える。
歌詞はもちろん大事だけれど、ご心配なく。スペイン歌曲には、魅惑のメロディー、心躍るリズム、豊かなフレーズ、熱くて素朴で愛おしい人間の心情が溢れています。スペイン語を解さない方でも大丈夫!9月10日、ぜひご来聴ください。
リサイタルHP↓ 山根基世さんのメッセージ全文をお読みになれます。