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カテゴリ:思い&想い( 48 )   

残暑お見舞い申し上げます   

暦の上では今日が立秋。しかししかし「秋」などという字が遠い彼方に感じられる暑さが続いている。今夏は暑さの愚痴を言うまい、と、心に決めたものの、やはり暑い105.png105.png105.png

それにつけても、つい考えてしまうのは、来年の今頃、オリンピック&パラリンピックが開かれていることだ。天気予報では、「屋外での運動を避けてください」「不要不急の外出は控えてください」と連呼している。大会で行われるのは屋内の種目ばかりじゃない。たとえばマラソン。いくら朝早くスタートするからといって、この炎天下を何時間も走り続けて大丈夫なのだろうか?「皇居の辺りはいつだって朝早くから大勢の人が走っているわ。選手はトレーニングしているから問題ないのよ」と危惧する私に言った人がいる。でも、そうかなぁ???

沿道で応援する人はどうだろう?あまりご縁のない者にとっては、応援は不要不急の外出のような気がする。しかし楽しみにしている方にとっては、万難を排してでも駆けつける最重要事項だろう。日傘、冷却タオル、サンバイザー、帽子、サングラスetc。万全の暑さ対策をして出かけたとしても、カンカン照りの太陽の下、選手がやって来るのを長時間待っているうちに熱中症でクラクラ、バタン、救急車!などということにならないのだろうか???

やれミストだ、やれ遮熱舗装だ、やれ日傘持込みOKだ、と、来年に向けての暑さ対策がPRされている。しかし東京中にミストを振り撒けるはずもなく、当然ながら東京以外の開催地も暑い。諸対策は、文字通り「焼け石に水」ではないか???
酷暑の五輪、大丈夫?

もう6年前になるが、2020年大会開催地の座を最後まで競ったのはマドリードだった。「TOKIOおめでとう?!?
スペインを含め、今夏はヨーロッパも暑い。もしも開催地がマドリードだったとしても、暑さ対策が重要課題になっただろう(まぁ湿気が少ない分、TOKIOよりマシかもしれないが)。となれば、夏の、と称して、オリンピック&パラリンピックをこの時期に開くことそのものがどうなのだろう???

と、???だらけの来年夏。「なぁんだ!余計な心配だったわね!」と拍子抜けするような結果に終わることを祈るばかり。

2020大会をどうしても東京で、というのなら、1969年の記憶を重ねて10月10日開幕にすればよかったのになぁ。「20201010」数字の並びもきれいではないか!

今夏はこんなグッズも生まれたらしいです103.png



by Megumi_Tani | 2019-08-08 20:46 | 思い&想い | Comments(0)

6月30日   

気が付けば、今日で6月も終わり。キリよく週末の日曜日で、2019年前半が終了することになる。この「週末」という発想はバルセロナ時代以降、なぜかしっかり身についたものだ。日曜日から始まる日本のカレンダーや手帳がどうにもしっくり来ない。

今年前半、一番のビッグイベントは、やはり27回目のリサイタル『スペイン浪漫Ⅳ だ。多くの方々の応援、協力を得て5月に開催、おかげ様で大好評をいただいた。昨年の病からの復帰は、私自身にとっても望外の喜びだった。
古田史さんの個展オープニング・セレモニーでの演奏も楽しい思い出。

一方で、学びの機会も多かった。
その道の第一線の講師のお話を伺える、山根基世さん主宰「声の力を学ぶ 連続講座」は刺激的だ。知的好奇心を大いにくすぐられる。時には感動、時には共感、時には疑問、時には反発、そして時にはホッコリ…。コンパクトな会場の為せる業か、予想外に、予想以上に、講師のお人柄がにじみ出る。それがまた有形無形のメッセージを伝えてくれる。(ちなみに今年度は、毎月単発受講者の募集も行っています。ご興味おありの方は、ぜひどうぞ ⇒ 最新News
ソプラノの名花マリア・バーヨの来日は、その美しく端正な演奏とともに、マスタークラスでの真摯な指導、誠実で飾らないお人柄に、とても勇気づけられ、励まされた。
先週は、日本サラマンカ大学友の会主宰サロン・デ・エストゥディオ(学びのサロン、とでも訳せようか)に参加。東京外語大学名誉教授・立石博高先生による講演「スペインとカタルーニャ-現状と見通し」を拝聴した。以前、同じ立石先生によるほぼ同じテーマのお話を伺ったことがある。世界情勢も、スペイン、カタルーニャの状況も、日本での採り上げられ方も、当時とは大きく変化している。あらためて考えさせられることの多い会だった。

声であれ、歌であれ、歴史であれ、雑学諸々であれ、知れば知るほど、知らないことが如何に多いかがよく分かる。知れば知るほど、自分が何も知らないことがよく分かるから、より深く、より密度濃く、知りたいと思う。

6月30日、夏越の祓、京都では「水無月」を食べる日です。
皆様、2019年後半も元気に過ごしましょう!

先日の講演中、ふと心に浮かんだ曲
「地中海に生まれて」



by Megumi_Tani | 2019-06-30 13:57 | 思い&想い | Comments(0)

追悼と想い出と   

2019年も鏡開きが過ぎ、昨日は成人の日。私は京都で二十歳を迎えたが、成人の日はいつも通り大学の練習室で練習していた。成人式に参加する、なんて発想はこれっぽっちも浮かばなかった記憶がある。いまや伝説となった古い古い大学の校舎。平安神宮のま隣という稀有な立地だった。大学時代の私は、深く暗い闇を秘めたHugo Wolf の歌曲が好きだった。よもや数年後、太陽の国?スペインへ渡ることになろうとは!

その成人の日の昨日、梅原猛先生の訃報を知った。
私の学生時代、京都市立芸大の学長は梅原猛先生だった。当時すでに著名な哲学者、文学者、歴史学者であり、我々学生にとっては、日常ご縁のない遠い存在だった。ところが、ある年の学園祭、最終日のダンス・パーティーに梅原学長先生がやって来た。会場の隅の椅子に座り、当時流行っていたディスコ調?の曲にのって踊る学生達を興味深そうに眺めている。そのうち、誰かが「先生も踊りましょう!」みたいな感じで梅原先生の手を取った。すると先生はニッコリ!さっと立ち上がり、一緒に体を動かし始めた。学生達からはやんややんやの大歓声!そのいかにも不慣れな動き、お世辞にも上手とは言えない?ダンスを一生懸命踊る姿が何とも可愛らしい。何かの曲でペアを組んで踊る場面、私はたまたま梅原先生のお隣にいて、ずっとご一緒させていただいた。卒業してこの長い年月、輝かしいご業績のニュースに触れるたび、いつもあの夜の先生の柔和な笑顔が蘇ったものだ。
哲学者の梅原猛さん死去

哲学者といえば……昨年暮れ、佐々木孝先生が逝去された。
スペイン思想学の大家として、清泉女子大、東京純心女子大などの教授を歴任。退職された後、故郷・福島へ戻られ、ご自身のブログ等々を通じて骨太の発信を続けられていた。以前このブログでもご紹介した『スペイン文化入門』は、貴重な書だ。スペインという摩訶不思議な国の核心について、深く、鋭く論じられ、我々、哲学や思想学とは無縁の素人にも大いなる理解を与えてくれる。私自身、このご本を読んで、京都での大学時代にWolf大好きだった私が何故スペインに魅かれたのか、その理由を自覚することが出来た。12月20日の訃報をスペインの有力紙「El país」がいち早く伝えたことからも、先生の存在の大きさが分かる。
Fallece el traductor japonés de Unamuno que se negó a evacuar Fukushima
こちらでは、朝日新聞に掲載された追悼記事をご子息が紹介されている。
モノディアロゴス

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そして昨年暮れにはもうひとり……バルセロナの師の奥様が天に還られた。
これまでに様々な場面で触れている通り、私のバルセロナ時代が幸せに過ぎたのは、人との出会いに恵まれたおかげだ。特に師とそのご家族、そして親友Mikikoさんは生涯の恩人だ。師の奥様は声楽家、ギリシャ彫刻のような美貌の持ち主だった。師を愛し、師のピアノを愛し、家族を愛し、沢山のお弟子さんを育て…。師と私が百人会議の間で演奏することになった際、亡くなられたお母上から引き継がれたという大切なレースのボレロを着せてくださったことは忘れられない。天上の雲に乗り、今もきっとあの美しい姿で朗々と歌っているに違いない。Gracias! Myriam! どうぞ安らかに。




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by Megumi_Tani | 2019-01-15 22:48 | 思い&想い | Comments(0)

2018年、年の瀬に寄せて♪   

今年も残りわずか。仕事柄、通常はほぼ西暦を使用しているが、今年は平成最後の年の瀬ということで、いつもの年とは違う感慨があった。

12月23日にテレビ放映された天皇陛下の記者会見。人生を「旅」に例えられた真情溢れるお言葉に、人として深い共感を覚えた方も多いのではないだろうか。
天皇陛下85歳 平成最後の誕生日会見

「共感」は、心に力を与えてくれる。元NHKアナウンサー山根基世さんが主宰される連続講座「声の力」 、第8回で出会った「ダバール」のお話。ご講義後の質問時間に、私が思わず語らせていただいた遠い日の体験談に、森司教様は「よかったですね」と優しく頷かれた。「頑張れ」ではなく、「よかったですね」「大変でしたね」そんな共感の言葉、寄り添ってくれる言葉こそが、人を慰め、力を与えてくれる。

個人的には、予期せぬ入院騒動に見舞われた年だった。両刃の剣としての薬の力を実感。あな恐ろしや。

9月には、久しぶりのCD「スペイン浪漫」をリリースさせていただいた。想いをいっぱいにこめた選曲。おかげ様でご好評をいただいている。「ジャケットにバーン!と貴女の写真が無いところが貴女らしい」とのご感想を寄せてくださった方がいた。どんなに素晴らしい作品でも、楽譜である限り、ただの紙切れに過ぎない。その紙切れっぱいに踊る音符、楽語、記号、歌であれば歌詞 etcを通して、作曲家が創り出した音宇宙を感得し、その佳き表現者になる。演奏者の使命、目標は、ただそれに尽きるような気がする。いつもまず作品がある。そして、それを伝える役目の演奏者がいる。というわけで、私の場合、ジャケットにバーン!という写真は、心情的にご縁がない(笑)

そんな想い、願いに、勇気を与えてくれる記事に偶然出会った。
アレクサンダー・コブリン審査委員へのインタビュー
他者との競い合い、己の個性の発露に夢中になることで、知らず知らずのうちに見失われていく大切なものにやんわりと警鐘を鳴らし、己のエゴを捨て、ただ作品そのもになりきった演奏を讃えている。最終段の言葉「私が求めているのは、自分自身よりも音楽のほうを愛している音楽家です」素敵!

節目の年の瀬、来たる年が明るく穏やかでありますように。
皆様、どうぞ素敵な年末年始をお過ごしください。

今年天に召されたカバリエと、同じく今年映画が大ヒットしたフレディ・マーキュリー。同じ年に話題になるなんて!二人はやっぱり相性がよかったのかな。



by Megumi_Tani | 2018-12-28 22:17 | 思い&想い | Comments(0)

バルセロナオリンピックから26年   

今年の夏はとにかく暑い。東京も40度越えだった先週、23日。太陽がじりじりと容赦なく照りつけ、日傘をさしていても頭のてっぺんがクラクラする。加えて、道路のコンクリートからの照り返しがもの凄い。カーッと焼かれる感じは、まさに人間目玉焼き。と、思っていたら、生徒さんのひとりが「丸焼きにされる子豚ちゃんの気持ちが分かりました」と言う。そうか、我ら可愛らしい卵ではなく子豚ちゃんか…。

2020年東京オリンピックへの懸念が現実味を帯びて来た。ここまで極端な暑さは予想出来なかったとしても、7月末、梅雨明けの一番暑い時期の開会であることは当初から分かっていたはず。この猛暑を受けて、対策を!と連呼されているようだが…。

Facebookはマメだ。こちらが頼まなくても種々雑多な情報を勝手にどんどん流してくる。時に有用、時に限りなく無用。しかしおかげ様で、時折、忘れていた何かを思い出させてくれる。先週の酷暑真っ只中の25日、1992年のその日にバルセロナ・オリンピックが開会したことを伝えてくれた。あれからもう26年…。史上最も成功した、とも言われる開会式は美しく懐かしい記憶だ。しかし誰もが感じている通り、同じ7月末でも、今は世界中がもっと暑く なっている。2年後の夏、もっと涼しくなっているとは、とても思えない。
猛烈に暑くて、猛烈に湿度の高い東京の夏。2020年は本当に大丈夫なのだろうか…?

今日の文章には「…」が多いなぁ。これも暑さボケ(>_<)

バルセロナ・オリンピック開会式ダイジェスト版

スペインを代表する名歌手の共演


閉会式の締めは、ビクトリア・デ・ロス・アンへレスが歌う「鳥の歌」でした。
演奏の終わりと同時に、聖火が静かに消えました。
残念ながら、現在、本番の動画は視られません。



by Megumi_Tani | 2018-07-29 13:51 | 思い&想い | Comments(0)

春の別れ   

先日知人とお目にかかった折、偶然、Aさんの話題になった。よもや知人がAさんをご存知とは知らなかった。ビックリ!あれこれ話に花が咲いた。

その夜、帰宅すると、Aさんの訃報が届いた。つい数時間前に、知人と思いがけずAさんの話をしたばかりだ。驚いた。Aさんらしい、美しく潔い旅立ちだったという。最後にお目にかかったのは、数年前のとあるパーティーだった。別れ際、「今日は貴女に会えてよかった」と微笑み、改札口を抜けて行った白いコートの後ろ姿…。

こんな思い出もある。ある夜、本棚を片付けていると、するりと1枚のCDが滑り落ちた。あ、このCD…。昔、懇意にしていたBさんからいただいたものだ。CD棚からいつの間にか消え失せ、ずっと行方不明になっていたのだ。こんなところにあったとは!どんなに探しても見つからなかったのに…。とにかく出てきてよかった。Bさん、大病をされたと聞いている。どうされているのだろう?お元気だろうか?…。翌日、知らない方からお電話をいただいた。Bさんの息子さん、だった。Bさんが亡くなられたそうだ。もしもの時に連絡してほしい人、として数名のリストを息子さんに託されていた、その中に私の名前があったという。「見ず知らずの方に突然お電話して申し訳ありません」と仰る息子さんに、「とんでもありません。よく知らせてくださいました」と、言葉が見つからなかった。昨夜、ふいに出てきたCDは、Bさんの「さようなら」の証しだったか…。

春の別れ。たとえ姿は見えなくなっても、心は遥かにつながっている。
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by Megumi_Tani | 2018-03-27 23:56 | 思い&想い | Comments(0)

七年目の3.11   

今日で東日本大震災から丸七年。どういうわけか、ここ数年の3.11にも増して心が重い。

先日は、福島から情報発信を続けているフリーアナウンサー、大和田新さんの講演を拝聴、あの日の浪江町の消防団員の想いを記録したアニメ「無念」をみせていただいた。

「あの震災は、東日本大震災、ではなく、東日本・津波・原発事故大震災です」と、大和田氏が仰るのを聞いて、七年前の想いが蘇った。発災当初、震災には、東北地方太平洋沖地震、東北関東大震災 等の呼称が用いられていた。それがほどなく「東日本大震災」に統一する、と発表された。あの日の凍てつく寒さ、たしか東北では夜に雪も降ってきた。異様な状況下、広い体育館に石油ストーブが一つか二つしかない、その厳しさは、北国育ちの者でなければ実感できないだろう。その後も次々と起きた不測とされる出来事、黙々と耐える人々…。「東日本」にすべて含まれる、という理屈は分かるものの、震災の名前から「東北」が消えることに、秘かな無念を感じたものだった。

あらためて、復興への祈りを捧げたい。

今年も、YAHOOが、こんなサイトを立ち上げています。


一日も休まずに新聞を発刊した、地元紙の記録
河北新報のいちばん長い日
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by Megumi_Tani | 2018-03-11 14:17 | 思い&想い | Comments(0)

「恩師」   

太鼓の梅屋巴さんが主催されるコンサート『二つの月~Dues llunes Concert』にお邪魔した。副題に「深い感謝を込めて~amb molt Agraïment」とある。巴さんのお師匠様の三回忌に捧げるコンサートだった。黒いお着物、たっぷりと結い上げられた髪、美しい所作、さりげない阿吽の呼吸から繰り出される演奏…。普段、邦楽にはほとんど縁がない私も、存分に楽しませていただいた。

ご縁の糸は不思議だ。当日会場で、出演者のおひとりが小樽の高校の後輩と分かった。受付で「あぁ潮陵に…」と、ふたりで校歌を口ずさみ、巴さんもビックリ!実は私は数日前に高校の同期会に出席。皆で校歌を大合唱してきたばかりだった。さらに驚いたことに、この日の別の出演者のお母様も同窓生とのこと。こんなことってあるのかしら\(◎o◎)/「El mundo es un pañuelo~世間は狭い」なぁ。

「恩師に捧げるコンサート」ということで、コンサート前半では、出演者のお一人おひとりがご自分の恩師について語られた。芸の上だけでなく、人生そのものに深く大きな影響を与える「恩師」という存在。皆さんのお話を伺いながら、私自身もこれまで節目、節目で出会った大切な方々のことが胸をよぎった。声楽へ進むことを強力に奨めた高校の音楽の先生、当初は留学など考えもしなかった私に渡西を強く強く奨めた師、そしてバルセロナの師。いつも誰かに導かれ、いつも何が何だかよく分からないまま、ただ夢中で歩いて来た。バルセロナの師は今年傘寿を迎え、元気で活躍している。これもまた偶然昨日、地元のラジオで彼のインタビューが放送された。カタルーニャ語の響きをどうぞ。
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巴さんとは、フェイスブックの共通のお友達を通じて知り合った。以前、バルセロナでお仕事をされたことがあるそうで、その時の印象を鮮明に覚えていらっしゃる。彼女主催のコンサートのタイトルも副題もカタルーニャ語。このカタルーニャ語に関する質問が時々私のところに飛んでくる。今回は時期が時期なので、お客様にほんの少しカタルーニャのご紹介をしましょう、ということになった。そんな顛末諸々が動画配信されていました。11分頃から私達のトーク。その後、巴さん達の演奏をお楽しみいただけます。

母校の風が吹き、恩師の風が吹き…。リサイタルまでちょうど一ヶ月。今の私に出来るベストの演奏をお届けしたい、と、あらためて思う。

第26回リサイタル
2017年11月19日(日)14:00開演@Hakuju Hall
ご来聴をお待ちしています!

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by Megumi_Tani | 2017-10-19 13:00 | 思い&想い | Comments(0)

渋谷駅とスーツケース   

午後のJR渋谷駅。ホームへの階段を三段ぐらい上ったところで、外国人旅行者と思しき女性が途方に暮れている。スーツケースが重くて、持って階段を上がれないのだ。いわゆる爆買いオーラは感じられない。いかにも素朴に困り果てている様子。エスカレーターもエレベーターも近くには無い。とにかくその階段を上るしかないのだ。思わず、助っ人を買って出た。私も大きなトートバッグを抱えていたが、それでも片手は空いている。一人より二人の方がマシだろう、と。ところが、このスーツケースが予想以上に重い。お腹にグッと力を入れて、二人で持ち上げる。ちょっと頭クラクラ。それでも何とか三、四段上ったところへ、横からサッと誰かが現れた。見ると、スーツ姿のダンディな外国人のおじ様だ。重いスーツケースをあっという間に一人で持ち上げ、階段を上り、ホームまで運んでくれた。「○△×~○△×~」何語かさっぱり分からないけれど、たぶん「ありがとう」らしき言葉を彼女が繰り返すうちに、ダンディおじ様は、もうさっさとホームの先へ向かっている。Thank you~~!! 遠ざかる背中に慌てて叫ぶと、ふり向き、ニッコリ笑って手を振った。


「渋谷駅とスーツケース」には、忘れられない思い出がある。スペイン留学を終えて帰国した時のことだ。まず、成田に着くと、私のスーツケースが消え失せていた(後日、モスクワの空港に放られていたことが判明)。一週間後、運よく、誠に運よく成田に届いた、今日の彼女に負けず劣らず重いスーツケースを引きずり、渋谷にたどり着いた。渋谷駅での移動、階段である。重い、とにかく重い。中には大切な楽譜が入っているのだ。一段持ち上げてはふぅ~、また一段持ち上げてはふぅ~という具合。それにしても…。まぁ見事なほど誰も助けてくれない。チラッと一瞥して通り過ぎる人は何人もいたが、皆、見なかったことにして?通り過ぎてしまう。スペインでは考えられないことだった。イヤ味な外国かぶれになる気は毛頭ないが、それでも、あぁここは日本よ…と、ちょっぴり情けない気がしたものだ。


今日の渋谷駅。広い階段には、もちろん大勢の人、人、人…。元気そうな、少なくとも私より力がありそうな若者も沢山、沢山いた。しかし、あの困り果てている外国人女性に手を貸そうとする人はいなかったし、必死な彼女と私を助けてくれたのは、外国人のおじ様だった。なんだかなぁ。。。


東京オリンピックに向けて、ボランティアをしましょう、とか、外国語を学びましょう、とか、声高らかに色々呼びかけられているけれど、日常の、ごく普通の場での相手への共感、気働きこそ、コミュニケーションの基本のキでは?

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by Megumi_Tani | 2017-05-16 22:19 | 思い&想い | Comments(0)

六年目の3・11   

昨年の3月11日は何をしていたか?一昨年の3月11日は何をしていたか?ちっとも思い出せないのに、六年前の3月11日、出先で何が起き、どこを彷徨い、どうやって家にたどり着いたか、克明に覚えている。忘れてはいけない、風化させてはいけない、と、さかんに呼びかけられているが、私個人の気持ちを言えば、とても忘れることなどできない。東京に住む者でさえこの有様だ。まして被災地の方々は…と思うと、言葉が見つからない。時間の経過とともに諸課題が複雑化し、あれこれ語ることが難しくなっているような気がする。復興を、ただただ祈りたい。

Yahoo! JAPANが、こんなサイトを立ち上げています。
クリックが支援になります。3月11日23時59分まで。
3.11 応援企画『3.11、検索は応援になる。』
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東日本大震災復興支援『いい音楽、届けようプロジェクト』
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2011年4月、外国人演奏家の来日キャンセルが相次ぐなか、ドミンゴが約束通りやって来てくれた。彼の温かいメッセージと、アンコールの「ふるさと」、忘れられない。
このブログで何度もご紹介しましたが、六年目の今日再び。


そして、もう一人。4月に来日してくれたフェリシティー・ロット。静かな祈りです。

by Megumi_Tani | 2017-03-11 19:51 | 思い&想い | Comments(0)