カテゴリ:CD( 13 )   

【ぴあクラシック】冬号に掲載   

クラシック音楽の総合情報誌【ぴあクラシック】最新号に、スペイン浪漫~谷めぐみスペイン歌曲ライブCDリサイタルが紹介されました。

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CD選&文は、各方面でご活躍の橘ララらさん。
モンポウ、グラナドス、カルメンの元歌、「鳥の歌」…何ともニクいチョイスです。
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この号には、来春バルセロナで始まる新しい音楽祭も紹介されています。
記事執筆は、谷めぐみ。
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【ぴあクラシック】は、全国のチケットぴあ店舗、タワーレコード、新星堂、山野楽器、HMVのほか、各地の音楽ホール、音楽大学にあります。2018年暮れから2019年にかけてのお薦めコンサート、注目アーティストの紹介ほか、読み物も満載。オール・カラー、この情報量で、何と0円!ぜひお手に取ってご覧ください。

手に入らない方…Web上でもご覧になれます!
谷めぐみのバルセロナ記事は、P.24。CD紹介は、P.31。ページをめくってぜひどうぞ。


このお洒落な表紙が目印
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by Megumi_Tani | 2018-11-28 17:56 | CD | Comments(0)

恩師からの便り   

「新しいCD完成おめでとう!歌とピアノの"共演"がとてもいい!メグミとピアニスト、ふたりにお祝いを!」新しいCD『スペイン浪漫』を聴いたバルセロナの恩師マヌエル・ガルシア・モランテからメッセージが届いた。何年経っても、いくつになっても、先生から褒められるのは嬉しい(笑)。
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「共演」の意味を教えてくれたのは、恩師だった。ソリストと伴奏者ではない。歌とピアノとの「共演」。20世紀を代表する世界的名ソプラノ、ビクトリア・デ・ロス・アンへレスとマヌエル・ガルシア・モランテの舞台は、共に創る音楽、共に創る時空の素晴らしさを、言葉ではなく、音楽そのもので教えてくれた。日本でもスペインでも何度も二人の本番、リハーサルに立ち会う幸せに恵まれたが、なかでもアルベニス生誕の地カンプロドンでのリハーサル風景は、忘れがたい記憶として、今も心に焼き付いている。本当に美しい時間だった。『ビクトリア・デ・ロス・アンへレスの想い出

メッセージには「長い年月変わらぬ熱意にも、ありがとう!」と書かれている。変わるどころではない。たしかに長い年月が過ぎたが、私の願いは冷めるどころか、より熱くなっている気がする。

留学を終えて帰国する際、恩師が寄せてくれた言葉 がある。
その一節……端正なスタイルを保ち、内容を深く洞察し、しかもただ単に各作品の異国的特徴のみならず、それらの最も深い本質を的確にとらえ……

そんな歌を歌いたいと、ずっと願っている。
そんなスペイン歌曲をお届けしたいと、ずっと願っている。

♫Victoria de los Ángeles con Manuel García Morante♫
45周年リサイタル@カタルーニャ音楽堂


上記リサイタルより、アンコール


「鳥の歌」


「あぁ!なんて美しい娘」



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by Megumi_Tani | 2018-11-25 21:25 | CD | Comments(0)

映画『愛と死』~グラナドスの生涯   

「スペイン歌曲に、こんなに色々な作品があるとは知りませんでした」「日本では知られていない歌が沢山あるんですね」「美しいピアノ前奏で始まる一曲め!驚きました。こんなスペイン歌曲もあるんですね!」CD『スペイン浪漫 』をお聴きくださった方から嬉しいメッセージが寄せられている。スペイン歌曲は多彩だ。その多彩さを、いろいろな形でご紹介したいといつも願っている。

その多彩なスペイン歌曲のなかで最も重要な作曲家のひとりがエンリケ・グラナドスだ。没後100年の2016年、生誕150年の2017年は、リサイタル、セミナー、このブログ等々で彼の生涯と作品をご紹介。まさにグラナドスに捧げた二年間だった。その一部を……。

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スーパー・ピアニストとして名を成し、パリ時代を経て、スペインを代表する作曲家として名声を極めた、その頂点で戦争の犠牲となり、わずか48歳で命を落としたグラナドス。その悲劇の生涯がスペインで映画になった。

『El Amor y la muerte ~ 愛と死』

監督は、昨年『ダンシング・ベートーベン』が話題になった、アランチャ・アギーレ


グラナドスの歌曲作品のなかでは、歌曲集『Tonadillas』『Amatorias』がよく知られている。マハ(粋な女)とマホ(伊達男)の恋のさや当てを描いた歌の数々は、まさに粋!!!

加えて、グラナドスには、世にあまり知られていない、まして日本ではほとんど知られていない作品がある。今回のCDに収録した「ちいさな歌」もそのひとつだ。カタルーニャ語の歌詞は子守り歌の内容を持つが、その音運び、伴奏のピアノが奏でる和音は妖しく、大人の子守り歌を想起させる。世紀末の気配、デカダンの香り…これもグラナドスの大きな魅力だ。「ちいさな歌」ぜひお聴きになってみてほしい。

スペイン浪漫~谷めぐみスペイン歌曲CDリサイタル
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by Megumi_Tani | 2018-11-17 22:40 | CD | Comments(0)

二つの「鳥の歌」~CD『スペイン浪漫』   

CD『スペイン浪漫』には、二つのバージョンの「鳥の歌」が収録されている。

カタルーニャ民謡「鳥の歌」は、国連でのカザルスの演奏をきっかけに、単にクリスマスの歌としてだけではなく、平和への祈りの象徴の曲として、世界中に知られるようになった。渾身の声を振り絞って「ピース!ピース!」と訴えるカザルス。2018年の今、この演説が行われた1971年当時より何かが危い気がするのは、私だけだろうか。。。


小さな歌い手の私にとっても、「鳥の歌」はずっと掛け替えのない存在だった。
バルセロナで初めてレッスンを受けた際、ついカザルスのイメージで朗々と?歌おうとすると、「メグミはソプラノ。カザルスのチェロの真似をしても何の意味もないい。メグミはメグミの「鳥の歌」を歌いなさい」と師に諭された。なるほど。歌うとはそういうことか…。大歌手のレコードを聴き、耳で覚えて必死に真似?をする…。日本でそんな勉強の仕方しか知らなかった私には、まさに目からうろこ、初めて「歌う」ことの本質を教えられた瞬間だった。

帰国以来、これまで26回のリサイタルすべての最後を「鳥の歌」で締めさせていただいた。えもいわれぬ憂いを秘めたメロディーは、舞台と客席の境を越え、歌い手である私とお客様の心をひとつにしてくれる。2010年には「鳥の歌づくし」のリサイタルを開催。ご好評をいただいた。「第20回リサイタル《鳥の歌》」「魂の鳥

今は無きカザルスホールでの客席で、背中を押してくれたのも「鳥の歌」だった。
忘れられないリサイタル

書き出せばキリがない。それほどに大切な「鳥の歌」だから、今回のCDでは、ぜひ私が歌っている二つのバージョン両方を収録したいと思った。1枚のディスクに二つのバージョンの同じ歌、というのは、なかなか珍しい。しかも「ライブCDリサイタル」らしく、カタルーニャの名曲が終わったところでひとつ、全プログラムの最後にひとつ、と並べてみた。ぜひ聴き較べをお楽しみいただきたい。
        
       『スペイン浪漫~谷めぐみスペイン歌曲ライブCDリサイタル
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ふと思い立ってこのブログを書き、ふと調べてみると、8年前の今日、2010年10月6日に、こんな投稿をしていた。人間の「ふと」の力は折々不思議だ。「鳥の歌 聴き較べ
このブログの中にあるハミング「鳥の歌」は、HPでお聴きになれます。
谷めぐみの部屋

CD収録のひとつめ、マヌエル・ガルシア・モランテ編「鳥の歌」
80年代のテレビ?でしょうか。音も映像もイマイチですが、歌はビクトリア・デ・ロス・アンへレス、ピアノは編曲者であるマヌエル・ガルシア・モランテ本人です。



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お申込み受付中!
10月30日(火)午後6時30分
どなたでも参加できます。入場無料・要事前お申込み
お申し込みはこちら ⇒ 2018年10月30日のイベント




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by Megumi_Tani | 2018-10-06 17:40 | CD | Comments(0)

デザイン~CD『スペイン浪漫』   

新譜『スペイン浪漫』のジャケット・デザインが好評です。
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スペイン浪漫~谷めぐみスペイン歌曲ライブCDリサイタル

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いつも大まかなイメージを伝えるだけで、あとはお任せ。私の想いや願いをよくキャッチしてデザインしてくれます。HPに長年の彼の作品がありますので、ぜひご覧ください。『谷めぐみの部屋~Reciatales
実はVamosさん、デザイナーにしておくのはもったいない?美声の持ち主です。

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お申込み受付中!
10月30日(火)午後6時30分
どなたでも参加できます。入場無料・要事前お申込み
お申し込みはこちら ⇒ 2018年10月30日のイベント




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by Megumi_Tani | 2018-09-28 23:00 | CD | Comments(0)

願い~CD『スペイン浪漫』   

先日発売のCD『スペイン浪漫』に込めた願いについて、書いてみたい。

スペイン歌曲は世に知られていない(涙)。長く歌い続けている私が言うのも癪だが、本当に知られていない。初めてお目にかかった方に自己紹介させていただくと、様々な反応が返ってくる。

「あら!お話しする声は高いのに、歌う時はあの野太い声になるんですか?」
⇒ フラメンコの歌い手と間違えている。
「谷さんって歌の方かと思っていたら、オレ!の踊りの方だったんですね」
⇒ フラメンコの踊り手と間違えている。
日本では、当のスペイン人も驚くほどフラメンコが盛んだ。故に仕方がないのだが、「スペイン…」と聞いただけで、大抵の方はまずフラメンコを連想される。もちろん私もフラメンコは大好きだ。一流の踊り手、歌い手の突き抜けたパフォーマンスには激しく魂を揺すぶられる。人間存在そのものを賭けた、まさにスペインならではの芸術だ。同じスペインに、この同じ「人間存在そのものを賭けた、スペインならではの芸術」としてのスペイン歌曲があるのだが、はてさて、その存在感のなんと希薄なことよ(涙)。

とりあえず、クラッシクの声楽の歌い手と理解してくださった方の多くには、こう尋ねられる。「あの…スペイン歌曲って、どんな曲があるんですか?」
もう一歩進んで(後退して?)「あの…スペイン歌曲って、なんですか?

濱田滋郎先生が「第26回リサイタル 」にお寄せくださったコメントにあるように、スペイン歌曲は「どれを聴いても同じようで、ローカルな面白さが売り物のジャンル」と、極めて単一化して受けとめられている節もある。大雑把にいえば「スペインって、ビバビバ!って感じ!」というところか。いつも底抜けに明るくビバビバ!あまり悩まずビバビバ!明日は明日の風が吹くビバビバ!etc。

もちろん、ビバビバ!も大いなるスペイン歌曲の魅力の一つだ。私自身、スペイン歌曲に出会うまで、自分がビバビバ!な要素がある人間とは知らなかった(笑)。しかしスペイン歌曲におけるビバビバ!、すなわち陽気さ、明るさの陰には、えもいわれぬ哀しみがある。哀しいから笑う、哀しいから弾ける…。相矛盾する心が、いつも共にある。まさに光と影のように。そして、同じく濱田先生が指摘されているように、「一度でもよく聴き込んでみるなら、そこには量り知れぬほど多用なヴァラエティが秘められている」。喜び、悲しみ、別れ、恋、情熱、嘆き、優しさ、祈り…。誰にでも覚えがある思い、人間の飾らない心情を、凛として、潔く、しかも端正に、豊かに表現するところに、スペイン歌曲の真髄がある。

よく言われる情熱!だけではなく、ビバビバ!だけでもない、スペイン歌曲の様々な顔を知っていただきたいと願い、選曲した。一般にスペイン歌曲を聴く機会は極めて少ない。このささやかなCDを通じて、その奥深い魅力の一端に触れていただければ嬉しい。

スペイン浪漫~谷めぐみスペイン歌曲ライブCDリサイタル

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by Megumi_Tani | 2018-09-23 22:45 | CD | Comments(0)

新しいCDが出来ました♫   

新しいCD『谷めぐみスペイン歌曲ライブCDリサイタル』が出来上がりました。
2018年9月19日発売です。
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古典アリア、グラナドス、モンポウ、ロドリーゴ、モンサルバーチェ、オブラドルス、ニン、ガルシア・モランテの作品、世界的人気オペラ《カルメン》の元歌〈エル・アレグリート〉、カタルーニャ民謡〈鳥の歌〉など、2013年から2017年のリサイタル音源から選曲、抜粋した多種多彩な20曲が収録されています。〈エル・アレグリート〉は演奏される機会も録音も極めて少ない、いわば歴史に埋もれた作品です。冒頭を聴けばすぐ分かる、その「そっくり度」をお楽しみください。いつもリサイタルの締めに歌わせていただいている〈鳥の歌〉は、まったく趣の異なる二つのバージョンを収録しました。

ぜひ皆様、ご一聴ください!
詳細、お申し込みはこちら ⇒ 谷めぐみスペイン歌曲ライブCDリサイタル


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by Megumi_Tani | 2018-09-18 21:18 | CD | Comments(0)

ロドリーゴ×ドミンゴ×バルエコ   

大掃除ならぬ小掃除をしていたら、久しぶりのCDが出て来た。
プラシド・ドミンゴ指揮『アランフェス協奏曲』
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ギターはマヌエル・バルエコ。ドミンゴが指揮をしている!それだけで貴重?希少?なCDだ。ずっと以前、ふらりと立ち寄った老舗の中古レコード&CD屋さんで、偶然、見つけた。レジに持って行くと、厳めしい顔をした店のご主人が「これ、かなり珍しいですよね」と呟いた。演奏は、どこまでも明るく朗らか。二楽章は、歌って、歌って、歌っている。ドミンゴのお人柄か。。。

この録音について語るドミンゴ&バルエコ


ロドリーゴは幼い頃に病で失明した。しかし、音楽に優れた才能を見せ、生まれ故郷のバレンシア音楽院からパリのエコール・ノルマルへ進み、作曲家、ピアニスト、音楽指導者、評論家等々、多岐にわたる活動で大成功を収めた。かの『アランフェス協奏曲』は、1940年、フランコ政権下のバルセロナで初演されている。国民音楽賞、アルフォンソ十世賢王十字勲章、文化勲章、芸術功労金メダル等々受賞歴多数。1991年、90歳の時には、フアン・カルロス国王より爵位「アランフェス庭園公爵」を授かった。1999年、97歳の長寿を全うして逝去。ヴィクトリア夫人とともにアランフェスの墓地に眠っている。

ギター曲のイメージが強いが、ロドリーゴは、スペイン歌曲学習者には欠かせないレパートリーの『四つの愛のマドリガル』をはじめ、多くの歌曲作品を残している。古(いにしえ)のスペインを思わせる典雅な音楽、透明な抒情、スペインらしいリズム…。時にギョッとするような不協和音が鳴っても、必ず収まるべきところへ収まる。ロドリーゴの音楽は裏切ることがない。拙CD『Plegaria~祈り』に数曲が収録されているので、お持ちの方は聴いてみていただきたい。

『四つの愛のマドリガル』の中の第4曲『ポプラの林に行ってきた』は、80年代、ニッカウヰスキーのCMに使われていた。スペイン歌曲を選んでくださるとは、さすがニッカさん、お目が高い!と喜びたいところだが、これは「Ombra mai fu」に続く第二弾、当時のキャスリーン・バトル人気にあやかってのことだろう。懐かしい映像をどうぞ。

『De los alamos vengo, madre』


『Ombra mai fu』

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by Megumi_Tani | 2015-01-15 00:01 | CD | Comments(0)

≪魅惑のスペイン≫   

今日から霜月、11月。11日の『美味しいコンサート en Dos Gatos』に向けて、久しぶりにCD≪谷めぐみが歌う 魅惑のスペイン≫を引っ張り出してきた。
http://www.e-yakushiyo.net/Tani_Megumi_CD_2008.htm
自分のCDを聴く、ということは、ほとんどない。今さらどうしようもないと分かっていても、聴けば、ついボロにばかり耳が行く。先日ラジオで布施明氏が、新しくリリースした生ピアノ、生オーケストラ伴奏のCDのことを話されていた。初めての本番一発録りだったそうで、とても緊張したとのこと。番組の中でそのCDがかかっている間も「あ、ここの音程がまずい」「あ、ここがちょっと…」と、ご自分のボロが気になる様子。「大丈夫ですよ。僕らにはまるで分かりませんから」アナウンサーが慰めても?ご本人にとっては、そういう問題じゃないのだ。分かるなぁ…。僭越ながら、ご心境お察し申し上げます。あの大大大ベテランにして、こうである。一発録り、ましてや「ライブCD」とは、完成してもなお、恐ろしいものなのだ。

さて、このCD、あらためて眺めてみると、中身が極めて珍しい。まず、1998年/TOKYOFMホールと2008年/Hakujuホール、この時も場所もまったく異なる二つのリサイタルが溶け合い、CDの中でひとつのリサイタルに変身している。こんな斬新?いえ、無謀な企画は、通常ありえない。(誰が考えたの?)収録曲は、といえば、古楽器のギターとフルート伴奏によるセファルディーの歌をはじめ、日本ではほとんど誰も歌わないモンポウ、ファリャ、アルバレスの歌曲、かと思えば、トゥーナのカーネーションあり、これぞギター!のジェラルドあり、トローバあり…etc。伴奏者計五名、全26曲がぎっしり詰まっている。
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古楽器伴奏のセファルディーは貴重な記録。
哀と愛…のスペインが凝縮した、かなりユニークなCDです。
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by Megumi_Tani | 2012-11-01 07:42 | CD | Comments(0)

『非悼~あるカタルーニャ民謡のテーマによる』   

ピアニストの友人と久しぶりに会った。「あなたの新しいCDに入っていたピアノ曲、私、思わず正座して聴いたわ」と興奮気味に言う。「最初の音が鳴った時、ハッとした」と感想を寄せてくれた人もいる。

ピアノ曲とは、バルセロナの恩師マヌエル・ガルシア・モランテ作曲『非悼~あるカタルーニャ民謡のテーマによる』のことだ。東日本大震災に大きな衝撃を受け、震災からまだ間もない時期に作曲された。昨年11月リサイタルのライブCD『Plegaria~祈り』に収録されている。
作品というより、心の叫び、祈りの音、という表現がふさわしいかもしれない。余震を案じてくれるメールのなかでこの曲の存在を知った時は驚いた。ぜひ聴いてみたい、そして、出来れば秋のリサイタルで紹介したい、という私の願いを快諾し、自らのピアノ演奏を送ってくれた。リサイタルではごく一部しかホールに流すことが出来なかった、その全曲をCDに収めた。

恩師の慟哭が伝わってくる。あの時だから生まれた曲、あの時だから、の演奏だ。このリサイタルは、私自身の思いもそうだった。大震災のあと、深い無力感に苛まれ、やっと決心して、完成していたプログラムをすべて組み換えた。あの時だから選んだ曲、あの時だから歌えた歌、あの時だから生まれた演奏だと思う。リサイタルを終えてから、そのことに気づき、記憶を刻むCDを作ろうと思い立った。いつの時も演奏は一期一会だけれど、昨年のリサイタルのあの時空は二度とないような気がする。そして、二度とあってほしくない。

今日で大震災から一年半。震災前には存在しなかった痛み、悲しみが、心の奥底にいつも横たわっている。『悲悼~あるカタルーニャ民謡のテーマによる』…あるカタルーニャ民謡、とは、あの「鳥の歌」である。ぜひ多くの方にお聴きいただきたいと思う。
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by Megumi_Tani | 2012-09-11 00:23 | CD | Comments(0)