今日は節分。デパ地下でもスーパーでもコンビニでも、最近は「恵方巻き」が売り場を独占している。「福豆」はなんだか影が薄い。山積みにされた黒くてヌーッと太いのり巻きに、我も我もと群がる人たち。み~んな今夜は、今年の恵方「西南西やや西」を向いて、無言で、あの太巻きを丸かぶりしたのだろうか…??
京都に住んでいた頃、節分は
吉田神社にお参りして、境内で買った太巻きを食べるのが恒例になっていた。当時は、「節分の太巻き」は、吉田神社独自のものとばかり思っていた。ところが、事実はまるで違うらしいことを、後になって知った。元々は、関西は関西でも京都ではなく、大阪の花街で始まったらしい。しかも「恵方巻き」なる名称を作ったのは、かのセブンイレブンだというから、ビックリ!「
恵方巻き」
京都という町では、あの日にはこれを食べる、という伝統、習わしが沢山ある。今でも忘れられないのが「
水無月」だ。6月30日なると、「今日は水無月の日えぇ」と、家主さん宅の粋なおばあちゃんが持って来てくれた。あの、柔らかいような柔らかくないような、甘いような甘くないような、妙に中途半端な食感と甘さが好きだった。
さて今朝、飛騨の友人から嬉しい「寒の餅」が届いた。

もう何年も前に、ふと私が「お餅が好き」と言ったことをちゃあんと覚えていて、毎年、送ってくれる。なかでも、ヨモギ餅は絶品だ。濃い緑、鼻をかすめる独特の香り、お餅なのにふわりと軽い食感。友人の故郷の酵素米に、もち米と同量以上のヨモギが入っている。しかも、そのヨモギは、お義母様が春に山でとって来られたものだ。「夫と義弟が汗をかきかきフーフー言いながら搗いてくれました」とある。ヨモギの量が多いので、搗くのに時間がかかり、とても力がいるそうだ。ありがたい。
Y子さん、お心本当にありがとうございます。
心和む節分、まだ風は冷たいけれど、明日は立春。