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春の別れ   

先日知人とお目にかかった折、偶然、Aさんの話題になった。よもや知人がAさんをご存知とは知らなかった。ビックリ!あれこれ話に花が咲いた。

その夜、帰宅すると、Aさんの訃報が届いた。つい数時間前に、知人と思いがけずAさんの話をしたばかりだ。驚いた。Aさんらしい、美しく潔い旅立ちだったという。最後にお目にかかったのは、数年前のとあるパーティーだった。別れ際、「今日は貴女に会えてよかった」と微笑み、改札口を抜けて行った白いコートの後ろ姿…。

こんな思い出もある。ある夜、本棚を片付けていると、するりと1枚のCDが滑り落ちた。あ、このCD…。昔、懇意にしていたBさんからいただいたものだ。CD棚からいつの間にか消え失せ、ずっと行方不明になっていたのだ。こんなところにあったとは!どんなに探しても見つからなかったのに…。とにかく出てきてよかった。Bさん、大病をされたと聞いている。どうされているのだろう?お元気だろうか?…。翌日、知らない方からお電話をいただいた。Bさんの息子さん、だった。Bさんが亡くなられたそうだ。もしもの時に連絡してほしい人、として数名のリストを息子さんに託されていた、その中に私の名前があったという。「見ず知らずの方に突然お電話して申し訳ありません」と仰る息子さんに、「とんでもありません。よく知らせてくださいました」と、言葉が見つからなかった。昨夜、ふいに出てきたCDは、Bさんの「さようなら」の証しだったか…。

春の別れ。たとえ姿は見えなくなっても、心は遥かにつながっている。
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by Megumi_Tani | 2018-03-27 23:56 | 思い&想い | Comments(0)

『ときめきのハバネラ』その2   

スペイン歌曲セミナー@セルバンテス文化センター『ときめきのハバネラ』第2回が終了した。今回はPCも絶好調(^^)V スペイン歌曲の歴史、時代背景を追いながら、スクリーンいっぱいに映しだされる動画とともに、多彩なハバネラの魅力をご堪能いただいた。
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スペイン歌曲を歌い始めたごく初期の頃から、ハバネラに心惹かれて来た。世界に冠たるソプラノ、ビクトリア・デ・ロス・アンへレスが歌うチャーミングな「ラ・パロマ」を聴いた時の驚きは忘れられない。甘い郷愁、安らぎ、癒し…。しかし、ただ単に癒し系というだけではない。ハバネラは懐が深い。時に妖しい魔力、えもいわれぬスリルをも演出する。理屈、理論を越え、クラシックとポピュラーの境を越え、どこまでも自然に心揺らすリズム、ハバネラ。だからこそ、易きに流れない、上質の演奏が求められる。これはハバネラのみならず、スペイン歌曲全体に共通する重要なポイントだろう。

各々お忙しいなか時間を空け、熱心にご受講くださった皆さん。これを機にスペイン歌曲の世界により深い興味をお持ちいただければ、こんなに嬉しいことはない。



いまや「ハバネラ」と言えばこれ。
偶然!セミナー開講日の3月16日は、ベルガンサ83歳の誕生日。


ラヴェル「ハバネラ形式のボカリーズ」

モンサルバージェ「ピアノの中のキューバ」
4分20秒付近から~


上記Youtubeのほかにも、新旧取り混ぜた多種多様なハバネラを楽しみました。ハバネラ尽くしでもちっとも飽きないのが不思議!なかには「今夜はいい夢を見られそうです」と、お声をかけてくださった受講生さんも…!ときめきのハバネラ ⇒ ハバネラといえばイラディエール ⇒ イラディエールといえば「ラ・パロマ」。でも、カルメン「恋は野の鳥」の生みの親である「エル・アレグリート」や他の歌曲作品は、ほとんど知られていません。
今回まとめてご紹介させていただいて、天上のイラディエールさん、喜んでくれているかしら…?!
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by Megumi_Tani | 2018-03-17 16:41 | 講座/セミナー | Comments(0)

七年目の3.11   

今日で東日本大震災から丸七年。どういうわけか、ここ数年の3.11にも増して心が重い。

先日は、福島から情報発信を続けているフリーアナウンサー、大和田新さんの講演を拝聴、あの日の浪江町の消防団員の想いを記録したアニメ「無念」をみせていただいた。

「あの震災は、東日本大震災、ではなく、東日本・津波・原発事故大震災です」と、大和田氏が仰るのを聞いて、七年前の想いが蘇った。発災当初、震災には、東北地方太平洋沖地震、東北関東大震災 等の呼称が用いられていた。それがほどなく「東日本大震災」に統一する、と発表された。あの日の凍てつく寒さ、たしか東北では夜に雪も降ってきた。異様な状況下、広い体育館に石油ストーブが一つか二つしかない、その厳しさは、北国育ちの者でなければ実感できないだろう。その後も次々と起きた不測とされる出来事、黙々と耐える人々…。「東日本」にすべて含まれる、という理屈は分かるものの、震災の名前から「東北」が消えることに、秘かな無念を感じたものだった。

あらためて、復興への祈りを捧げたい。

今年も、YAHOOが、こんなサイトを立ち上げています。


一日も休まずに新聞を発刊した、地元紙の記録
河北新報のいちばん長い日
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by Megumi_Tani | 2018-03-11 14:17 | 思い&想い | Comments(0)

日本の歌@バルセロナ   

今日3月7日は花粉症記念日。バルセロナから帰って数年後の3月7日、いきなりクシャン!クシャン!くしゃみの連発に見舞われた。発症後数年は悪化の一途をたどり、どこかの時点で下げ止まり。以降、花粉感知度高め安定をキープしている。そして、もうひとつ、3月7日はフェイスブック記念日。こちらはまだほんの数年のキャリアだが、折々の旬の情報に加えて、時々、思いもがけない記事に遭遇できるのがありがたいというところか。
本日、記念日

さて、そのフェイスブックに流れてくる情報の中に、見慣れた楽譜の写真を見つけた。
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3月8日バルセロナで、コンサート『Del Oriente Lejano...(遥かなる東方から)』が開かれる、会場はグラナドスゆかりのマーシャル音楽院内アリシア・デ・ラローチャ・ホール。そこで『日本民謡集』の中から数曲が演奏されるのだ。これは嬉しいニュース♪

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さっそく投稿者の歌い手さん、Monicaに、初めまして&お祝いのメッセージを送った。
(これがFBの便利なところ)
すぐに返事が届いた。「ありがとう!メグミ!マエストロからメグミと一緒にこの楽譜集を作った時の話を聞きました。表紙題字はメグミのパパが書いてくれた、ということも」「そうそう。バルセロナ市庁舎『百人会議の間』で、マエストロと私が初演しました」「メグミ、ぜひ会いたい。明日インタビューを受けることになっているから、そこでその初演の時の話をしてくれませんか?」「素敵ね!お邪魔したいのは山々だけれど…私は東京在住。ちょっと遠いかなぁ…」「それは、ちょっとじゃなくて、かなり遠い…」
(これがFBの愉快なところ。世界中どこにいても、気分はご近所)
「De Tokio lejano(遥かなる東京から)ご成功をお祈りしています」
「ありがとう!」

こんな出来事があると、あの時、頑張ってよかったなぁ、と思う。ひょんなことから恩師の『日本民謡集』出版をお手伝いすることになり、1985年の今頃は、まさに東奔西走していた。「Hola! バルセロナ(31)
楽譜集が完成したのは、出版記念特別演奏会のギリギリ前日!「Hola! バルセロナ(42)
由緒ある「百人会議の間」に日本の歌が響いた、忘れられない思い出だ。

第1曲「さくら」は特に繊細で美しい。ビクトリア・デ・ロス・アンへレスも気に入り、歌ってくれた。まもなく丸七年を迎える東日本大震災の年のリサイタルでは、万感の祈りをこめて私も歌わせていただいた。恩師はもとより、スペインの人々の日本への憧憬の念は深い。「楽譜」という形があれば、これからもささやかに歌われる機会があるだろう。

Mi querida Barcelona。愛おしい日々に感謝を込めて。
歌修業日記『hola! バルセロナ』
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by Megumi_Tani | 2018-03-07 13:25 | Musica あれこれ | Comments(0)

『ときめきのハバネラ』その1   

春期セミナー『ときめきのハバネラ』@セルバンテス文化センター2回セットの1回めが終了しました。熱心な常連の受講者さんに加えて、今回はご夫妻でご参加くださった方も!「申し込み、間に合いました!」と、開始時間ギリギリに駆けつけてくださった方もいました。

第1回のテーマは、ずばり!イラディーエル。その発端は、コロンブスの新大陸遭遇にまで遡るハバネラの歴史。「Llave del Nuevo Mundo」と呼ばれるほど繁栄したハバナ。様々な運命を背負って大西洋を行き交った人々…。19世紀初めに生まれ、パリで人気者になり、音楽家として脂の乗り切った時期にキューバへ渡ったイラディエールは、まさに出会うべくしてハバネラに出会い、その魅力に心奪われたのかもしれません。

講座の途中で、PCアクシデント発生(>_<) しかししかし皆さん、集中を切らすことなく、最後まで熱心にご受講くださいました。「ハバネラだけでこんなに世界が広がることに驚きました」「背景が分かると、聴く感じがずい分変わります」等々のご感想。嬉しい限りです。次回は3月16日。この回だけのご受講も大歓迎!です。


2018年3月2日3月16日開講 ハバネラの魅力全開の講座です。お申込み受付中!
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春期セミナー ときめきのハバネラ
@セルバンテス文化センター

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古き佳き時代を髣髴とさせる「ラ・パロマ」


魅惑のキューバ「エル・アレグリート」


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by Megumi_Tani | 2018-03-03 17:37 | 講座/セミナー | Comments(0)