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6月30日   

気が付けば、今日で6月も終わり。キリよく週末の日曜日で、2019年前半が終了することになる。この「週末」という発想はバルセロナ時代以降、なぜかしっかり身についたものだ。日曜日から始まる日本のカレンダーや手帳がどうにもしっくり来ない。

今年前半、一番のビッグイベントは、やはり27回目のリサイタル『スペイン浪漫Ⅳ だ。多くの方々の応援、協力を得て5月に開催、おかげ様で大好評をいただいた。昨年の病からの復帰は、私自身にとっても望外の喜びだった。
古田史さんの個展オープニング・セレモニーでの演奏も楽しい思い出。

一方で、学びの機会も多かった。
その道の第一線の講師のお話を伺える、山根基世さん主宰「声の力を学ぶ 連続講座」は刺激的だ。知的好奇心を大いにくすぐられる。時には感動、時には共感、時には疑問、時には反発、そして時にはホッコリ…。コンパクトな会場の為せる業か、予想外に、予想以上に、講師のお人柄がにじみ出る。それがまた有形無形のメッセージを伝えてくれる。(ちなみに今年度は、毎月単発受講者の募集も行っています。ご興味おありの方は、ぜひどうぞ ⇒ 最新News
ソプラノの名花マリア・バーヨの来日は、その美しく端正な演奏とともに、マスタークラスでの真摯な指導、誠実で飾らないお人柄に、とても勇気づけられ、励まされた。
先週は、日本サラマンカ大学友の会主宰サロン・デ・エストゥディオ(学びのサロン、とでも訳せようか)に参加。東京外語大学名誉教授・立石博高先生による講演「スペインとカタルーニャ-現状と見通し」を拝聴した。以前、同じ立石先生によるほぼ同じテーマのお話を伺ったことがある。世界情勢も、スペイン、カタルーニャの状況も、日本での採り上げられ方も、当時とは大きく変化している。あらためて考えさせられることの多い会だった。

声であれ、歌であれ、歴史であれ、雑学諸々であれ、知れば知るほど、知らないことが如何に多いかがよく分かる。知れば知るほど、自分が何も知らないことがよく分かるから、より深く、より密度濃く、知りたいと思う。

6月30日、夏越の祓、京都では「水無月」を食べる日です。
皆様、2019年後半も元気に過ごしましょう!

先日の講演中、ふと心に浮かんだ曲
「地中海に生まれて」



by Megumi_Tani | 2019-06-30 13:57 | 思い&想い | Comments(0)

古田 史「作品展」   

スペイン大使館で開催中の「古田 史 作品展」に、あらためてお邪魔してきた。先日のオープニング・セレモニーでは、「歌う」ミッションが控えていたため、ゆっくり拝見できなかったのだ。大使館地下の明るく広く開けた空間に、多彩な作品がゆったりと展示されている。スペインのご家族に受け継がれてきた子供服をモチーフにした作品、故国日本への想いあふれる作品、和と洋がコラボしたドキッとする作品 etc。 やわらかく差し込む自然光、ポップに鮮やかに浮かび上がる史さんワールド。なんとも優しく、楽しく、心温まる時間。ちょうど史さんともお目にかかり、お話することができた。

6月22日(土)まで。スペイン大使館は、地下鉄六本木一丁目駅からすぐ。
お近くへお出かけの方は、ぜひお立ち寄りください。


by Megumi_Tani | 2019-06-20 23:07 | エトセトラ | Comments(0)

ありがとう!マリア・バーヨ   

先日ご紹介したスペインの名ソプラノ、マリア・バーヨ来日の一週間。

リサイタル第1夜《スパニッシュ・ナイト》は、10日(月)夜、開催。風雨強まる悪天候にもかかわらず、会場のすみだトリフォニーホールには熱心なフアンが詰めかけた。スペイン歌曲を、しかも20世紀の作品をこれだけまとめて聴ける機会は、日本では決して望めない。トルドラの「6つの歌曲」から始まり、エスプラ、モンサルバッジェ、ガルシア・レオスと、各々の作品に深く、緻密に、丁寧にアプローチし、粋やユーモアを効かせながら優雅に歌い上げる。後半は、パレラ・フォンス、ガルシア・アブリル、ピアソラと続き、締めにサルスエラ2曲が来た。アンコール1曲めは、僭越ながら私も先日のリサイタルのアンコールで歌わせていただいた「サパテアード」、2曲め、ファリャ「お前の黒い瞳」は、まさに彼女のCDで知り、勉強し、レパートリーにさせていただいた曲だ。ご本人のナマ歌で聴ける幸せ!

翌11日(火)は、インスティトゥト・セルバンテス東京でのトーク&ミニコンサート
ウガルテ館長との対談の後、3曲演奏、加えてアンコールも。前夜リサイタルのプログラムもかなりのボリュームだった。お疲れは大丈夫か、と、心配になる。が、彼女はまったく手を抜く気配がない。誠心誠意、語り、歌い、終了後の人の波にも対応されていた。

14日(金)は、昭和音楽大学で公開レッスン が開かれた。学生さん4名がロドリーゴ、オブラドルス、グラナドスの作品を演奏し、ひとりずつバーヨ女史の指導を受ける。このレッスンが熱い!まずい箇所は何度でも止め、何度でも説明し、自ら歌ってみせ、わずかでも受講生に改善の兆しが見えるまで「Otra vez!~もう一度!」と、指導を止めない。率直で真心のこもった貴重なレッスン。約30年前、通訳を務めたビクトリア・デ・ロス・アンへレスの公開レッスンを思い出した。

もっとフレーズの先を見て歌って!の意で、彼女が受講生に何度も繰り返した言葉がある:Más allá!

Más allá!~もっと向こうへ!もっと遠くへ!…切なさがふと胸に迫る。そう、彼女の歌は端正で美しく、熱く、可愛く、それでいて、どこか切なく儚い。深い情熱を秘めたその儚さに私は心惹かれている。お話させていただいても、飾らず、気取らず、いつも自然体。愛おしくチャーミングな女性だった。来日してくれて嬉しかったなぁ。。。ありがとう!マリア・バーヨ!

リサイタル第2夜《ヘンデル、そしてモーツァルト》は、17日(月)午後7時開演です。

マリア・バーヨが歌うヘンデル



by Megumi_Tani | 2019-06-16 21:24 | スペイン歌曲 | Comments(0)

第2期 連続講座「声の力を学ぶ」第3回   

元NHKアナウンサー室長山根基世さんが主宰される「第2期『声の力を学ぶ』連続講座
第3回を聴講させていただいた。
★第1期のレポートはこちら ⇒ 第1期『声の力を学ぶ』連続講座

今回の講師は、今を時めく声優ビジネス界の雄、南沢道義氏。「声優ビジネスの未来~声優100年を目指して~」と題し、声優の歴史、マーケットへ向けたプロデュース、現在の状況、将来への取り組みなど、若者の憧れの職業「声優」について、貴重かつリアルなお話をお聞かせくださった。

洋画や海外ドラマでも声優さんはお馴染みだ。あの俳優さんの声はあの声優さん!とお名前が浮かぶ方も多い。「アフレコ」とは?声優の仕事とはどのように進められるのか?あたかも大工さんが一軒の家を建てるようにコツコツと細かい作業を積み重ねていく、と表現されたそのプロセスは、規模も市場もまるで比較にはならないものの、一年、一年半をかけてコツコツとリサイタルを創り上げていく私達の作業とどこか似ている。

声優業の歴史は、1.誕生期、2.成長期、3.第2次成長期、4.第3次成長期に分類されるそうだ。誕生期における声優は、音響効果のひとつとしか捉えられていなかった。成長期を迎えた1970年代後半から1980年代後半にキャラソングが誕生。作品ごとにCDアルバムが展開されるようになった。第2次成長期になると声優業はマルチ化、女性声優ブームが訪れ、ビジュアルも売りの要素として重要視されるようになった。そして現在は第3次成長期。ネット文化、2.5次元舞台、スマホゲーム、バーチャルYoutuberの出現等々により、声優界は人気アイドル百花繚乱。まさに破竹の勢いで発展を続けている。

新人さん発掘のキーワードは、ずばり「金(カネ)になる声」とのこと。オーディションで原石と思われる若者を見つけ出し、声楽、ダンス、日舞、空手等レッスンを施し、適切な時期に売り込みをかける。今は声優が同時にアイドルでもある時代。最初からアイドルとして仕掛ける手法もあるそうな。

”復古創新”の精神のもと、2015年には世界初の声優ミュージアムをオープンされた。ベテラン声優さんが所蔵する台本等の貴重な資料から人気の若手の紹介まで、声優の「これまで」と「これから」が展示されている。平成30年には、声優界の未来を見据え、デジタルボイスパレットを設立。音声合成技術の活用、発声権の確立など、声優100年:声優長寿社会を目指した取り組みを始められた。

そもそも、アニメにもアニソンにも疎い私。その業界の最先端のお話、明瞭明確なスピード感に、ただただビックリ。本当に同じ2019年、同じ令和元年を生きているの???
そして、デジタルボイスか…。私達、クラシックの歌い手は、基本的にナマ声で歌う。もっともアナログな世界で声を感じ、声を探り、声を磨き、声で悩み、まだもっと何かあると悪戦苦闘。ホールの響きに身を委ね、その日その時その瞬間の己の声に賭け、作品をよりよい形でこの世に顕現させるべく腐心する。そんな在り方しか知らないところがある。

クラシック。古典的、とも訳せるこの言葉がやけに身に沁みた午後。

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by Megumi_Tani | 2019-06-15 00:48 | 講座/セミナー | Comments(0)

オープニング・セレモニー@スペイン大使館   

世界を飛び回って活躍する古田史さんの作品展がスペイン大使館で開かれています。
ご家族、特にお子様への想いあふれるカラフルでポップな作品が大使館の空間にぴったりマッチ!雨の季節、心を明るく和ませてくれます。
優しさや美しさの記憶を伝える 古田 史 作品展
6月8日~22日まで。入場無料。最寄駅は、地下鉄六本木一丁目駅。


6月7日オープニング・セレモニー@スペイン大使館 
ピアノ:浦壁信二さん
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by Megumi_Tani | 2019-06-11 15:46 | エトセトラ | Comments(0)

マリア・バーヨの一週間   

スペインの名ソプラノ、マリア・バーヨが来日している。
明るく澄んだ歌声、緻密なテクニック、自然体での表現、お人柄を感じさせる歌い口…。スペイン歌曲といえば、何だかよく分からないまま愛だ!情熱だ!と叫ばれる?傾向多々あり。初めて彼女の歌を聴いた時には心底ホッとしたものだ。軽やかでしかもしっとりと落ち着きのあるソプラノとしての選曲、演奏に、大いに学ばせていただいて来た。

明日からは、そのマリア・バーヨの演奏会、イベントが続く。
10日(月)リサイタル第1夜〈スパニッシュ・ナイト〉スペインの名歌曲集
11日(火)トーク&ミニ・コンサート@インスティトゥト・セルバンテス東京
14日(金)公開レッスン
17日(月)リサイタル第2夜〈ヘンデル、そしてモーツァルト〉

いつも【ぴあクラシック】にお言葉を寄せてくださるオペラ研究家・岸純信先生が、マリア・バーヨについて、素敵なご紹介をされている。
スペインのディーヴァが待望のソロ・リサイタル

リサイタル、公開レッスンとも、まだお席があるようです。
ご興味おありの方は、ぜひ!

バルセロナ・リセウ音楽院での公開レッスン



by Megumi_Tani | 2019-06-09 13:01 | スペイン歌曲 | Comments(0)

エピローグ「2008年の記憶」   

本番数日前にふと数えると、Hakuju Hallでのリサイタルが今年でちょうど10回目を迎えていた。初めての開催は2008年。その後、「鳥の歌」尽くしの会もあれば、30周年記念もあった。2011年、忘れがたい東日本大震災の年、バルセロナへの想いを歌った2013年、精魂傾けたグラナドス没後100年記念…。病み上がりの今年でもあったから、何やら感慨深いものがあった。Recitales

先日ご紹介したように、今年は2008年の会をご縁に、思いがけない巡り合いもあった。
上記のブログ執筆者の和泉様は、先日のリサイタルにお出かけくださり、実に11年ぶりに”初対面”のご挨拶をさせていただいた。まったくもって音楽は時空を超えている。

そして、2008年リサイタルを収録したCD「谷めぐみが歌う魅惑のスペイン」
これがリサイタル当日完売になった。「私がロビーに買いに行った時には、もう売り切れでした…」と、昨日お目にかかった方が残念そうに仰っていた。ごめんなさい。
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2008年の気配がそこはかとなく漂った2019年リサイタル。スペインの多くの音楽家が今年、記念の年を迎えていたけれど、終わって振り返ってみれば、Hakuju Hall10回目もまた私のささやかなリサイタル史のひとつの節目だったのかもしれない。

ちなみに、現在、販売しているCDは下記2枚です。
今年リサイタルで演奏した曲のうち、『Plegaria~祈り』には、「わが心のアランフェス」「ドゥエロ川の歌」など、『スペイン浪漫』には、「エル・アレグリート(カルメンの元歌)」「ラ・パロマ」二つのアレンジによる「鳥の歌」などが収録されています。
詳しくは、HPをご覧ください。CD's
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by Megumi_Tani | 2019-06-05 12:40 | リサイタル | Comments(0)