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第2期 連続講座「声の力を学ぶ」第3回   

元NHKアナウンサー室長山根基世さんが主宰される「第2期『声の力を学ぶ』連続講座
第3回を聴講させていただいた。
★第1期のレポートはこちら ⇒ 第1期『声の力を学ぶ』連続講座

今回の講師は、今を時めく声優ビジネス界の雄、南沢道義氏。「声優ビジネスの未来~声優100年を目指して~」と題し、声優の歴史、マーケットへ向けたプロデュース、現在の状況、将来への取り組みなど、若者の憧れの職業「声優」について、貴重かつリアルなお話をお聞かせくださった。

洋画や海外ドラマでも声優さんはお馴染みだ。あの俳優さんの声はあの声優さん!とお名前が浮かぶ方も多い。「アフレコ」とは?声優の仕事とはどのように進められるのか?あたかも大工さんが一軒の家を建てるようにコツコツと細かい作業を積み重ねていく、と表現されたそのプロセスは、規模も市場もまるで比較にはならないものの、一年、一年半をかけてコツコツとリサイタルを創り上げていく私達の作業とどこか似ている。

声優業の歴史は、1.誕生期、2.成長期、3.第2次成長期、4.第3次成長期に分類されるそうだ。誕生期における声優は、音響効果のひとつとしか捉えられていなかった。成長期を迎えた1970年代後半から1980年代後半にキャラソングが誕生。作品ごとにCDアルバムが展開されるようになった。第2次成長期になると声優業はマルチ化、女性声優ブームが訪れ、ビジュアルも売りの要素として重要視されるようになった。そして現在は第3次成長期。ネット文化、2.5次元舞台、スマホゲーム、バーチャルYoutuberの出現等々により、声優界は人気アイドル百花繚乱。まさに破竹の勢いで発展を続けている。

新人さん発掘のキーワードは、ずばり「金(カネ)になる声」とのこと。オーディションで原石と思われる若者を見つけ出し、声楽、ダンス、日舞、空手等レッスンを施し、適切な時期に売り込みをかける。今は声優が同時にアイドルでもある時代。最初からアイドルとして仕掛ける手法もあるそうな。

”復古創新”の精神のもと、2015年には世界初の声優ミュージアムをオープンされた。ベテラン声優さんが所蔵する台本等の貴重な資料から人気の若手の紹介まで、声優の「これまで」と「これから」が展示されている。平成30年には、声優界の未来を見据え、デジタルボイスパレットを設立。音声合成技術の活用、発声権の確立など、声優100年:声優長寿社会を目指した取り組みを始められた。

そもそも、アニメにもアニソンにも疎い私。その業界の最先端のお話、明瞭明確なスピード感に、ただただビックリ。本当に同じ2019年、同じ令和元年を生きているの???
そして、デジタルボイスか…。私達、クラシックの歌い手は、基本的にナマ声で歌う。もっともアナログな世界で声を感じ、声を探り、声を磨き、声で悩み、まだもっと何かあると悪戦苦闘。ホールの響きに身を委ね、その日その時その瞬間の己の声に賭け、作品をよりよい形でこの世に顕現させるべく腐心する。そんな在り方しか知らないところがある。

クラシック。古典的、とも訳せるこの言葉がやけに身に沁みた午後。

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# by Megumi_Tani | 2019-06-15 00:48 | 講座/セミナー | Comments(0)

オープニング・セレモニー@スペイン大使館   

世界を飛び回って活躍する古田史さんの作品展がスペイン大使館で開かれています。
ご家族、特にお子様への想いあふれるカラフルでポップな作品が大使館の空間にぴったりマッチ!雨の季節、心を明るく和ませてくれます。
優しさや美しさの記憶を伝える 古田 史 作品展
6月8日~22日まで。入場無料。最寄駅は、地下鉄六本木一丁目駅。


6月7日オープニング・セレモニー@スペイン大使館 
ピアノ:浦壁信二さん
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# by Megumi_Tani | 2019-06-11 15:46 | エトセトラ | Comments(0)

マリア・バーヨの一週間   

スペインの名ソプラノ、マリア・バーヨが来日している。
明るく澄んだ歌声、緻密なテクニック、自然体での表現、お人柄を感じさせる歌い口…。スペイン歌曲といえば、何だかよく分からないまま愛だ!情熱だ!と叫ばれる?傾向多々あり。初めて彼女の歌を聴いた時には心底ホッとしたものだ。軽やかでしかもしっとりと落ち着きのあるソプラノとしての選曲、演奏に、大いに学ばせていただいて来た。

明日からは、そのマリア・バーヨの演奏会、イベントが続く。
10日(月)リサイタル第1夜〈スパニッシュ・ナイト〉スペインの名歌曲集
11日(火)トーク&ミニ・コンサート@インスティトゥト・セルバンテス東京
14日(金)公開レッスン
17日(月)リサイタル第2夜〈ヘンデル、そしてモーツァルト〉

いつも【ぴあクラシック】にお言葉を寄せてくださるオペラ研究家・岸純信先生が、マリア・バーヨについて、素敵なご紹介をされている。
スペインのディーヴァが待望のソロ・リサイタル

リサイタル、公開レッスンとも、まだお席があるようです。
ご興味おありの方は、ぜひ!

バルセロナ・リセウ音楽院での公開レッスン



# by Megumi_Tani | 2019-06-09 13:01 | スペイン歌曲 | Comments(0)

エピローグ「2008年の記憶」   

本番数日前にふと数えると、Hakuju Hallでのリサイタルが今年でちょうど10回目を迎えていた。初めての開催は2008年。その後、「鳥の歌」尽くしの会もあれば、30周年記念もあった。2011年、忘れがたい東日本大震災の年、バルセロナへの想いを歌った2013年、精魂傾けたグラナドス没後100年記念…。病み上がりの今年でもあったから、何やら感慨深いものがあった。Recitales

先日ご紹介したように、今年は2008年の会をご縁に、思いがけない巡り合いもあった。
上記のブログ執筆者の和泉様は、先日のリサイタルにお出かけくださり、実に11年ぶりに”初対面”のご挨拶をさせていただいた。まったくもって音楽は時空を超えている。

そして、2008年リサイタルを収録したCD「谷めぐみが歌う魅惑のスペイン」
これがリサイタル当日完売になった。「私がロビーに買いに行った時には、もう売り切れでした…」と、昨日お目にかかった方が残念そうに仰っていた。ごめんなさい。
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2008年の気配がそこはかとなく漂った2019年リサイタル。スペインの多くの音楽家が今年、記念の年を迎えていたけれど、終わって振り返ってみれば、Hakuju Hall10回目もまた私のささやかなリサイタル史のひとつの節目だったのかもしれない。

ちなみに、現在、販売しているCDは下記2枚です。
今年リサイタルで演奏した曲のうち、『Plegaria~祈り』には、「わが心のアランフェス」「ドゥエロ川の歌」など、『スペイン浪漫』には、「エル・アレグリート(カルメンの元歌)」「ラ・パロマ」二つのアレンジによる「鳥の歌」などが収録されています。
詳しくは、HPをご覧ください。CD's
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# by Megumi_Tani | 2019-06-05 12:40 | リサイタル | Comments(0)

エピローグ「わが心のアランフェス」   

第27回リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ~Mi España Romántica』のエピローグ。
本日は、第4ステージ「わが心のアランフェス」について。

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リサイタル本番前から「アランフェスを楽しみにしています」というメッセージを沢山いただいていた。そしてアンケートや終演後のお便りの中にも「アランフェスが聴けた!」「アランフェス、ありがとう!」のお声多数。これほどまでに人の心に染み入るアランフェスの魅力、魔力。淡い夢幻のベールのようなピアノに包まれ、音としての声、楽器としての声が、美しくも哀しい旋律を歌い上げる。元々がギター協奏曲、ということは、旋律そのものが何かを語っているはず、という信念のもと、この約30年間ずっとヴォカリーズで歌ってきた。寄せられた「まるで声の一筆書きのようでした」というご感想は、ヴォカリーズの本質をよく捉えてくださっている。浦壁さんのピアノへの感動のお声も多数いただいた。遥か彼方から静かに聴こえてくる前奏、流麗たる間奏、「Aranjuez mi amor」と最後にひと言だけ囁く歌とともに消えゆく音色…。

今回驚いたのは、最後に演奏したロドリーゴ3作品が大好評だったこと。アンケートに◎が沢山ついている。「新しいロドリーゴ発見!」「不協和音が魅力的」「カッコウの歌、好きでした」「ロドリーゴ萌えです!」等々、ご感想の声も。どの作品もほとんど誰も歌っていない極めて珍しい曲だ。

古い舞曲を思わせる「ソネット」は、ビクトリア・デ・ロス・アンへレスに捧げられた作品。リサイタル当日5月19日がビクトリア・デ・ロス・アンへレスのデビュー75周年記念日に当たることから選んだ。「カッコウの歌」は、ロドリーゴ自身が森を彷徨いながら心の呟きをカッコウに問いかける曲。幽玄の森、ロドリーゴの嘆き、絶望、そして一縷の希望、かなたで小さく、しかし確かに鳴き答えるカッコウの声…。演奏している私たち二人も何処へ向かっているのか分からなくなってしまう?不思議な曲だ。「ドゥエロ川の歌」も不思議な曲だが、こちらの不思議は破壊的魔力を発揮。全曲を通してピアノの不協和音が炸裂し、その上を下を歌が駆け抜ける。ロドリーゴお得意の手法のひとつだ。

ステレオタイプのスペインもいい、ハバネラもいい、王道を行くアルベニスやグラナドスの名歌、名曲もいい。しかしスペイン歌曲はそれだけにとどまらない。ロドリーゴら次世代の音楽家にも数多くの歌曲作品がある。今回のリサイタルで、その魅力の一端を味わっていただけたとしたら…望外の喜び!


スペイン浪漫Ⅳ~Mi España Romántica
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# by Megumi_Tani | 2019-05-30 22:52 | リサイタル | Comments(0)