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エピローグ「わが心のアランフェス」   

第27回リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ~Mi España Romántica』のエピローグ。
本日は、第4ステージ「わが心のアランフェス」について。

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リサイタル本番前から「アランフェスを楽しみにしています」というメッセージを沢山いただいていた。そしてアンケートや終演後のお便りの中にも「アランフェスが聴けた!」「アランフェス、ありがとう!」のお声多数。これほどまでに人の心に染み入るアランフェスの魅力、魔力。淡い夢幻のベールのようなピアノに包まれ、音としての声、楽器としての声が、美しくも哀しい旋律を歌い上げる。元々がギター協奏曲、ということは、旋律そのものが何かを語っているはず、という信念のもと、この約30年間ずっとヴォカリーズで歌ってきた。寄せられた「まるで声の一筆書きのようでした」というご感想は、ヴォカリーズの本質をよく捉えてくださっている。浦壁さんのピアノへの感動のお声も多数いただいた。遥か彼方から静かに聴こえてくる前奏、流麗たる間奏、「Aranjuez mi amor」と最後にひと言だけ囁く歌とともに消えゆく音色…。

今回驚いたのは、最後に演奏したロドリーゴ3作品が大好評だったこと。アンケートに◎が沢山ついている。「新しいロドリーゴ発見!」「不協和音が魅力的」「カッコウの歌、好きでした」「ロドリーゴ萌えです!」等々、ご感想の声も。どの作品もほとんど誰も歌っていない極めて珍しい曲だ。

古い舞曲を思わせる「ソネット」は、ビクトリア・デ・ロス・アンへレスに捧げられた作品。リサイタル当日5月19日がビクトリア・デ・ロス・アンへレスのデビュー75周年記念日に当たることから選んだ。「カッコウの歌」は、ロドリーゴ自身が森を彷徨いながら心の呟きをカッコウに問いかける曲。幽玄の森、ロドリーゴの嘆き、絶望、そして一縷の希望、かなたで小さく、しかし確かに鳴き答えるカッコウの声…。演奏している私たち二人も何処へ向かっているのか分からなくなってしまう?不思議な曲だ。「ドゥエロ川の歌」も不思議な曲だが、こちらの不思議は破壊的魔力を発揮。全曲を通してピアノの不協和音が炸裂し、その上を下を歌が駆け抜ける。ロドリーゴお得意の手法のひとつだ。

ステレオタイプのスペインもいい、ハバネラもいい、王道を行くアルベニスやグラナドスの名歌、名曲もいい。しかしスペイン歌曲はそれだけにとどまらない。ロドリーゴら次世代の音楽家にも数多くの歌曲作品がある。今回のリサイタルで、その魅力の一端を味わっていただけたとしたら…望外の喜び!


スペイン浪漫Ⅳ~Mi España Romántica
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# by Megumi_Tani | 2019-05-30 22:52 | リサイタル | Comments(0)

エピローグ「大輪の華」   

第27回リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ~Mi España Romántica』のエピローグ。
本日は、第3ステージ「大輪の華」について。

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「4章立てにしたコンセプトが明確に伝わってきた今回のリサイタルでした。個人的には濃厚なスペインの雰囲気が漂う「大輪の華」が強く印象に残りました」と、アンケートに記してくださったお客様がいた。そう!「スペイン音楽」といえば、大抵の場合、この時代の音楽を指す。アルベニス、オブラドルス、グラナドス、ニン、第1ステージで歌ったトゥリーナ、ファリャ…。みんなこの時代、すなわち19世紀末から20世紀初頭~半ばにかけて活躍した音楽家だ。リサイタル前日に110回目の命日を迎えた兄貴分、アルベニスの薫陶を受け、後輩達は、母国の芸術音楽を艶やかに、誇り高く花開かせるべく、各々奮闘した。友であり、ライバルであった彼らは、深い絆で結ばれ、とても仲がいい。互いを認め、讃え、学び、愛する。そんな温かい人間ドラマが、この時代の音楽をより魅力的なものに感じさせてくれる。¡Viva España!

「グラナダ」を聴いてラローチャを思い出しました、と、嬉しいアンケートの声。今回初めて演奏した「あの山の帽子」は、カスティーリャ地方のホタのスタイルを採った作品。「エル・ビート」は、スペイン音楽のツボ「ミ」を連打するピアノが強烈な印象。いずれも大人気。グラナドス「ちいさな歌」は、タイトル通り本当に小さく地味な作品ながら、大好きな歌。アンケートに沢山の方が◎を付けてくださっていたことに嬉しくびっくり!「パーニョ・ムルシアーノ」は、いきなり始まる前奏から切れ味絶妙の最後まで、とにかくピアノがお洒落!浦壁さんの魅力、全開でした。



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# by Megumi_Tani | 2019-05-29 22:36 | リサイタル | Comments(0)

エピローグ「ハバネラの時代」   

第27回リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ~Mi España Romántica』のエピローグ。本日は、第2ステージ「ハバネラの時代」について。

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天を仰ぎ、神に懇願し、御子誕生の喜びを歌う。そんな第1ステージ「祈り 」から一転、第2ステージは19世紀スペインの下町へ。
この大胆な(笑)転換に選んだ曲は、アルバレス作曲「黒い瞳」。リズム、メロディー、スタイル、すべてが、ザ・スペイン!所謂ステレオタイプ的スペインの王道を行っている。百の薀蓄、説明より聴くのが一番!「あ!別のステージが始まった!」と、お客様は感じてくださるだろう。この曲、前奏が長い。お客様に舞台の転換をより感じていただくために前奏の時間を使えるのでは?と閃き、ほんのちょっぴりだけれど衣装を変えることにした。ピアノの浦壁さん、Hakuju Hallの舞台監督さんとワイワイ楽しくリハーサル。
本番、早変わり無事成功しました(^_-)-☆

2曲めのアルバレス「嫉妬」は、同じハバネラでも、どこか典雅な風情。このリズムが古くは鄙びたダンス音楽だったことを思い出させる。胸にうずく嫉妬の虫を何とかして~!と愚痴り、甘え、叫ぶ歌。恋をした人なら誰にでも覚えのある内容だ。3曲め、イラディエール作曲「エル・アレグリート」は、取り組んでかれこれ5年、リサイタルで歌うのは3回目、昨秋リリースしたCD「スペイン浪漫」にも収録。「カルメンの元歌ですね」と、お客様にお馴染みの曲になった。オペラ畑の方にも興味を持っていただけるのが嬉しい。そして締めは、世界に誇るハバネラの名歌「ラ・パロマ」。この曲、今回はこれまでにも増して人気でした。大好きな曲!歌っている私も癒されます。

ハバネラの王様イラディエール生誕210年に捧げた第2ステージ。天上のマエストロは喜んでくださっているかしら?


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# by Megumi_Tani | 2019-05-27 23:26 | リサイタル | Comments(0)

エピローグ「祈り」   

第27回リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ~Mi España Romántica』が終わって一週間。当日のアンケートをはじめ、メール、メッセージ、封書のお手紙、お葉書etc、沢山のご感想をお寄せいただきました。ありがとうございました。

お客様お一人お一人がとても丁寧に大切に演奏を聴いてくださっていることに感謝です。皆様のご感想を織り交ぜながら、終演後だから語れる?!エピソードを綴ってみたいと思います。まずは、第1ステージ「祈り」から。

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「令和」になって19日目の開催、ということで「祈り」の歌を集めたこのステージ。今年没後70年を迎えたトゥリーナの「アヴェ・マリア」に始まり、ファリャの「わが子を腕に抱く母たちの祈り」、ゴメス「アヴェ・マリア」、ガルシア・モランテ編「鳥の歌」と続いた。
1曲めの「アヴェ・マリア」は、同じトゥリーナの名歌「エスペランサの聖母に捧げる祈祷風のサエタ」を彷彿とさせる独特の和音が魅力。可愛いわが子を兵隊にとらないでくれ、と、母親が神様に懇願する「わが子を腕に抱く母たちの祈り」は、いつ歌っても切なさに胸が締め付けられ、たまらない気持になる。ファリャがこの作品を書いたのは第一次世界大戦のさなかだ。100年以上が経過した今も、どうぞどうぞ世界が平和でありますように、と、祈らずにはいられない。続くゴメスの「アヴェ・マリア」には、とても大きな反響をいただいた。アンケートでも◎が沢山付けられ、最も印象に残った曲として挙げられた方も多い。今回初めて演奏した曲だが、実は、元々の楽譜から収集?準備?整備?調整?が必要な、なかなかに手のかかる作品だった。スペイン語による祈祷文が新鮮。多くの方の心に刻まれたのであれば嬉しい。そして、1ステージの締めは、バルセロナの師の編曲による「鳥の歌」。天上の星がキラキラと輝くようなピアノ伴奏が聴こえるたびに、「この曲がカザルスの演奏で有名だからといって、チェロみたいに歌わないでおくれ。メグミはソプラノ。ソプラノらしい希望に満ちた「鳥の歌」を」という師の言葉が蘇る。


第27回リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ~Mi España Romántica
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# by Megumi_Tani | 2019-05-25 22:23 | リサイタル | Comments(0)

終演御礼   

第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタルスペイン浪漫Ⅳ
5月19日(日)Hakuju Hallにて、盛会のうちに終了させていただきました。
ご来聴の皆様、ありがとうございました。

スペイン浪漫Ⅳ
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# by Megumi_Tani | 2019-05-20 16:53 | リサイタル | Comments(0)