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519♪ エル・ビート   

「エル・ビート」も今年はプログラム入りした。詠み人知らず、とでもいうのだろうか。出自がはっきりしないスペイン民謡ながら、どこの誰でも知っている。一聴すれば、そこはもうスペイン!The Spain!みたいな曲だ。初めてスペイン歌曲を人前で歌った時にもプログラムに入っていたように記憶している。以来、まさに数えきれないほど歌ってきた。

歌というのは不思議なもので、こんなに素朴な曲でも年月を重ねると「育つ」。喉が楽器、つまり楽器が生身だから、歌い手の経年変化とともに声は当然変わる。しかしそれだけではない何かが知らないうちに生まれ、練られ、育っている。「エル・アレグリート」の項でも書いたが、その育ちぶり?は、歌い手本人にとっても新鮮だ。あら!あなた、そういう歌だったの!と真面目に驚くこともしばしば。

いつも人気の「エル・ビート」。この歌を楽しみにご来聴くださるお客様も多い。
今年はどんな演奏をお届けできるか。私自身も楽しみです169.png


第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ』
2019年5月19日(日)午後2時開演
会場:Hakuju Hall
チケット好評発売中!
プログラム、曲目紹介、チケットご購入等々、
詳細は、HPをご覧ください⇒『スペイン浪漫Ⅳ
ご来聴をお待ちしています♪



若きベルガンサが歌う「エル・ビート」
(タイトル表示が間違っています)


男声が歌う勇ましい?版


こちらは、ニン編曲版

私は踊りませんが(笑)


何だか切ない「エル・ビート」





# by Megumi_Tani | 2019-04-09 23:23 | リサイタル | Comments(0)

519♪ ロドリーゴと祈り   

「R」か?「L」か?
新しい元号『令和』の発表を聞いて、まず頭に浮かんだのがこの問いだった。歌い手の性か?(笑)レイワのレをR、L、どちらで綴るかによってスペイン語では(スペイン語に限らないが)発音がまったく違う。ほどなく、正式なアルファベットの綴りは『Reiwa』と発表があった。「R」だ。巻き舌である。rrrrrrrrrrrrrreiwa!
元号とは別に、もしかすると巻き舌苦手な方の練習には役立つかもしれない。

リサイタル『スペイン浪漫』開催は2019年5月19日。令和の時代の平和と安寧を願い、第1ステージは「祈り」の歌を演奏する。2019年はロドリーゴ没後20年記念の年だ。第4ステージはロドリーゴ作品をまとめて演奏する。

ロドリーゴと祈り。同じ組み合わせがあった。2011年、東日本大震災の年のリサイタルだ。恐ろしく悲惨な災害が二度と起こらないように、と祈りを込めて歌った、あの年はロドリーゴ生誕110年記念の年だった。意味合いが違うとはいえ、ロドリーゴと祈りの組み合わせが重なる。5月に向かって準備を進めながら、このことがずっと心の片隅にあった。

アランフェスに代表される流麗なメロディー、心地よいリズム、意表をついた遊び心溢れる和音、どんなに楽しく遊んでも最後は終わるべくして終わる安心感。ロドリーゴの音楽はカラフルで円満だ。1901年に生まれ、1999年に天に還ったロドリーゴ。ピアニスト、作曲家、音楽学者、教育者として幅広く活躍し、数々の賞を授与され、アランフェス公爵候の爵位も授かった。スニーカー姿でファッション雑誌の表紙を飾ったりもしている。幼少時に視力を失ったハンディなどものともせず人生を謳歌した方、という印象があった。

5月19日第4ステージで、珍しい作品「カッコウの歌」を演奏する。ロドリーゴらしい遊び心溢れる歌だが、その歌詞にハッとさせられる。yo と一人称で、熱く切ない願いが語られているのだ。さりげなく、まるで煙に巻くようにさりげなく…。

ロドリーゴ作品のどこか青空を思わせる清澄さは、誰にも分からない深い悲しみを乗り越え、突き抜けた人だからこそ生まれて来るものなのかもしれない。それは天を仰ぐ祈りにも通じるだろう。簡単に、青空、と書いたが、その空の青さを、もしかするとロドリーゴは知らないかもしれないのだから…。

「カッコウの歌」が伝えてくれたメッセージ。「ロドリーゴと祈り」が二度重なるのも故あってのことか、と、あらためて思う。


第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ』
2019年5月19日(日)午後2時開演
会場:Hakuju Hall
チケット好評発売中!
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詳細は、HPをご覧ください⇒『スペイン浪漫Ⅳ
ご来聴をお待ちしています♪







# by Megumi_Tani | 2019-04-04 23:27 | リサイタル | Comments(0)

519♪ グラナドス「ちいさな歌」   

3月24日は、エンリケ・グラナドスの命日だ。
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103年前の今日3月24日、第一次世界大戦のさなか、乗船していた船がドイツ潜水艇の攻撃を受け、愛する妻とともに英仏海峡に消えたグラナドス。人生最高傑作のオペラ『ゴイエスカス』ニューヨーク初演に立ち会い、その大成功を見届け、安堵と希望を胸に故郷バルセロナへ帰る途中だった。乗船した船は当初予約していた便ではなかった。ニューヨークでの成功を祝う行事が続いたために帰国を延期。予約を変更していたのだ。もしも予定通りの船に乗っていれば…。

グラナドス夫妻が乗っていた船サセックス号は全体が沈没したわけではない。片側は大きく破壊されたが、残った部分もある。夫妻の居室は残った部分にあったため、持ち物等はそのまま残されていた。しかし二人はその時、たまたま破壊され沈んだ側にいたらしい。船内を散歩でもしていたのだろうか。海の景色を眺めていたのだろうか。もしも二人が外に出ず、部屋でくつろいでいたなら…。

そんなドラマチックなグラナドスの生涯は、昨年スペインで映画にもなった。


没後100年にあたる2016年、生誕150年にあたる2017年、グラナドスに捧げるリサイタルを開かせていただけたことをとても嬉しく思う。バルセロナでお目にかかった末娘ナタリアさんも天国で喜んでくださったかな、と思うと、胸が熱くなる。

拙リサイタルのタイトルとしてお馴染みになった「スペイン浪漫」のインスピレーションを与えてくれたのもグラナドスだった。自他ともに認める超ロマンティスト・グラナドス。「ロマン」は、しばしば「浪漫」と記される。この浪漫の当て字を考えたのは夏目漱石だそうな。その夏目漱石とグラナドスは同じ年に生まれ、同じ年に亡くなっていた!
この大発見に歴史好きの私はドキドキ!「スペイン浪漫」というタイトルがピーンと閃いたのだ。

スーパーピアニストであり、即興の名手でもあったグラナドスの歌曲作品は、ピアノパートの難易度が極めて高い。かなり自由に、いわば即興風に弾くことを想定しているのだろうな、と思わせる譜面によくお目にかかる。しかも、人生の絶頂期に突然命を奪われたのだから、自分亡きあとを考えて楽譜を整理する、などという作業は行っていない。一見書き散らした?あるいは書きかけ?のような作品もある。演奏者は、グラナドスの意図はするところはこうかな?ああかな?と手探りで、マエストロの世界を探索、逍遥することになる。

歌曲集として「Tonadillas~昔風の粋な歌曲集」「Amatorias~愛の歌曲集」が有名だが、そのまにまに、グラナドスならではの翳りを帯びた、忘れがたい佳曲が埋もれている。今年はそんな作品群の中から「ちいさな歌」を演奏する。文字通りの小曲、カタルーニャ語による歌詞は子守り歌の内容だが、歌とピアノが描く音楽は、どこか世紀末を感じさせるまさに大人の子守り歌。静かに、秘めやかに歌ってみたい。


第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ』
2019年5月19日(日)午後2時開演
会場:Hakuju Hall
チケット好評発売中!
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グラナドス本人が弾く「スペイン舞曲第2番オリエンタル」

グラナドスと大の友人だったカザルスが弾く「スペイン舞曲第5番アンダルーサ」



# by Megumi_Tani | 2019-03-24 20:40 | リサイタル | Comments(0)

519♪ わが心のアランフェス~ヴォカリーズの魅力   

ロドリーゴ没後20年の今年。久しぶりに「アランフェス」を歌う。

昔からヴォカリーズに心惹かれて来た。大学時代はラフマニノフのヴォカリーズ、後に、ヴィラ・ロボスのブラジル風バッハ第5番のアリア。そしてある時、アランフェスのあの哀しくも美しいテーマをヴォカリーズで歌おう!と、思った。

声楽と器楽との違いは、歌詞があること。旋律と伴奏、そこに歌詞が加わり何かを表現する。歌詞を歌い語る、歌詞の意味を伝える。これはとても重要な要素だ。そのために、外国語で歌う際、歌い手はせっせと語学を学び、繰り返し練習し、演奏会ではお客様に歌詞大意訳をお渡しし、MCでその内容を解説し…と、出来る限りの努力をする。

同時に、声は、ひとつの楽器、としても捉えられる。声そのものが何かを語り、表現している。楽器としての声を言葉の束縛から解放し、自由に鳴りたいように鳴らせてあげる、それもまた歌い手の役目?醍醐味のような気がする。

アランフェス協奏曲の第2楽章は、その旋律がすでに物語だ。内戦後、荒廃したスペインの人々の心を癒した、とか、流産したロドリーゴ夫人の心を慰めた、とか、様々な添え書きがあるが、この作品のすごさは、そんな一切の解説も解釈も必要としないことだろう。演奏する者、聴く者に深く染み入り、ひとりひとりの心を見えない世界に飛翔させる。元々がギター曲なのだから歌詞は無い。旋律だけで何かを語っている。ならば声も声だけで何かを語れるはず。しかも雄弁に。そんな信念のもと、敢えて歌詞を付けず、ずっとヴォカリーズで歌ってきた。

2019年のヴォカリーズによる「わが心のアランフェス」が、どんな姿を見せるのか。
私自身も楽しみです(^^)


第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ』
2019年5月19日(日)午後2時開演
会場:Hakuju Hall
チケット好評発売中!
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# by Megumi_Tani | 2019-03-22 23:04 | リサイタル | Comments(0)

『天地悠々』兜太・俳句の一本道   

金子兜太さん。このお名前を久しぶりに聞いた。私は昔からラジオ党だ(今は、ラジコなる便利なものも出来た)。スペインから帰って間もない頃、何かの番組に兜太さんがレギュラー出演されていた。俳句の番組ではなかったと思う。その時々の話題についてアナウンサー氏と自由にお喋りされるのだが、その悠然たる話しぶり、時に鋭く時に軽妙に本質をズバリとつく語り口に惹かれ、毎週楽しみに聞いていた。番組終了時、とても寂しい気がしたことを覚えている。

兜太さんは昨年2月、98歳で天に還られた。2012年から急逝される直前まで、兜太さんを取材、撮影したドキュメンタリー映画『天地悠々』が公開される。監督・脚本は、NHKディレクター、プロデューサーとしてあの伝説の『シルクロード』をはじめ数々の名番組を制作された河邑厚徳氏。語りは山根基世さん。

上映日:3/22(金)  4/17(水)  5/29(水) 13:30~16:30
映画終了後には兜太さん縁の方々のお話も聞ける、貴重な機会です。
チケットは【ぴあ】にて発売中!
詳細は、HPをご覧ください。 天地悠々 兜太・俳句の一本道

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第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ』
2019年5月19日(日)午後2時開演
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チケット好評発売中!
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# by Megumi_Tani | 2019-03-18 11:14 | エトセトラ | Comments(0)