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ありがとう!Domingo 再び   

プラシド・ドミンゴが来日している。日本スペイン文化 交流400周年にあたる今年、スペイン文化交流大使を務める彼は、第25回高松宮殿下記念 世界文化賞の音楽部門を受賞した。

2011年、東日本大震災の後、外国人演奏家の来日キャンセルが相次いだ。あの人も、この人もドタキャン。公演中止あるいは、言い訳っぽく?無期延期のアナウンスが続き、日本人として、えもいわれぬ孤独感を覚えた。東北の被災地からは想像を絶する映像やニュースが連日飛び込んで来る。東京でも頻繁に余震が起こり「地震酔い」などという言葉が流行していた。こんな時に音楽って何?歌い手に何が出来る?これまで考えたこともなかった根本的な問いが湧きあがり、私は精神的に立ち往生してしまった。歌など歌っている場合ではないのではないか、11月に開催予定のリサイタルも中止しよう、、、、。

そんななか、ドミンゴが「予定通り」来日したのだ。被災地へのメッセージを伝え、コンサートの最後に日本語で「ふるさと」を歌った。観客が総立ちになったあの場面をご記憶の方も多いと思う。あの人もこの人もそっぽを向いて逃げ出した中で、ドミンゴが堂々と大きく腕を広げ、日本人を温かく抱きしめてくれた、そんな気がした。  2011年4月11日のブログ『ありがとう!ドンミンゴ』

「歌い手は、歌う」悶々と苦しんでいた心に、このコンサートが答えを教えてくれた。あまりにもシンプルな答え。あまりにも当然の答え。でも自分一人では決して光を見いだせなかったと思う。心が決まり、私は猛然と秋のリサイタルの準備を開始した。大震災以前に組み終えていたプログラムをすべて無しにして、今の自分の心が納得するプログラムをゼロから組み直す。そして、「ふるさと」だ。スペイン人のドミンゴが歌ってくれたあの歌を、今、日本人の私が歌わずにどうする?スペイン歌曲コンサートの枠から外れても構わない。今年は会場の皆さんと一緒に「ふるさと」を歌うんだ!…。これまでとは異質の一種異様な緊張のなかで、準備の六カ月を駆け抜けた。『Recitalあれこれ』

ところで、私が初めてドミンゴに胸キュン(笑)したのは、この映画だった。セビリャのタバコ工場で働く魔性の女カルメン、彼女に運命を翻弄されるドン・ホセ。苦悩する若きホセをドミンゴがそれは見事に歌い、演じていた。カルメンを歌ったジュリア・ミゲネス・ジョンソンは、この一作で消えてしまった。あまりにも奔放すぎるカルメン?!ということで叩かれたらしい。
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そして、こちらは、ドミンゴ指揮!のCD『アランフェス協奏曲』
哀愁のアランフェスならぬ、木漏れ日光る爽やかな高原のアランフェスが心に浮かびます。
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by Megumi_Tani | 2013-10-13 13:23 | スペイン歌曲 | Comments(0)

アランフェスと海   

先日の野良猫さんのコメントが心に残っていた。なぜ私は、「わが心のアランフェス」に心魅かれるのだろう?

美しい旋律はもちろんである。しかし、ほかに気づいたことがある。このメロディーを歌うとき、私の心の中にはいつも海が浮かぶのだ。それは坂の上の高校から見た日本海だったり、モンジュイックの丘から見た地中海だったりする。水遊びをする海ではない。未だ見ぬ世界につながる広大な海、懐かしい故郷につながる遠い遠い海…。憧れ、叶わぬ夢の悲しみ、郷愁。かなたに海を見る私は、少し寂しかったのかもしれない。

アランフェスはマドリードの南にある内陸の古都、港町ではない。この曲は私の中で勝手に姿を変え、住み着いてしまったらしい。

by Megumi_Tani | 2009-10-05 08:31 | スペイン歌曲 | Comments(0)