人気ブログランキング |

タグ:グラナドス ( 26 ) タグの人気記事   

519♪ グラナドス「ちいさな歌」   

3月24日は、エンリケ・グラナドスの命日だ。
e0172134_20181421.jpg

103年前の今日3月24日、第一次世界大戦のさなか、乗船していた船がドイツ潜水艇の攻撃を受け、愛する妻とともに英仏海峡に消えたグラナドス。人生最高傑作のオペラ『ゴイエスカス』ニューヨーク初演に立ち会い、その大成功を見届け、安堵と希望を胸に故郷バルセロナへ帰る途中だった。乗船した船は当初予約していた便ではなかった。ニューヨークでの成功を祝う行事が続いたために帰国を延期。予約を変更していたのだ。もしも予定通りの船に乗っていれば…。

グラナドス夫妻が乗っていた船サセックス号は全体が沈没したわけではない。片側は大きく破壊されたが、残った部分もある。夫妻の居室は残った部分にあったため、持ち物等はそのまま残されていた。しかし二人はその時、たまたま破壊され沈んだ側にいたらしい。船内を散歩でもしていたのだろうか。海の景色を眺めていたのだろうか。もしも二人が外に出ず、部屋でくつろいでいたなら…。

そんなドラマチックなグラナドスの生涯は、昨年スペインで映画にもなった。


没後100年にあたる2016年、生誕150年にあたる2017年、グラナドスに捧げるリサイタルを開かせていただけたことをとても嬉しく思う。バルセロナでお目にかかった末娘ナタリアさんも天国で喜んでくださったかな、と思うと、胸が熱くなる。

拙リサイタルのタイトルとしてお馴染みになった「スペイン浪漫」のインスピレーションを与えてくれたのもグラナドスだった。自他ともに認める超ロマンティスト・グラナドス。「ロマン」は、しばしば「浪漫」と記される。この浪漫の当て字を考えたのは夏目漱石だそうな。その夏目漱石とグラナドスは同じ年に生まれ、同じ年に亡くなっていた!
この大発見に歴史好きの私はドキドキ!「スペイン浪漫」というタイトルがピーンと閃いたのだ。

スーパーピアニストであり、即興の名手でもあったグラナドスの歌曲作品は、ピアノパートの難易度が極めて高い。かなり自由に、いわば即興風に弾くことを想定しているのだろうな、と思わせる譜面によくお目にかかる。しかも、人生の絶頂期に突然命を奪われたのだから、自分亡きあとを考えて楽譜を整理する、などという作業は行っていない。一見書き散らした?あるいは書きかけ?のような作品もある。演奏者は、グラナドスの意図はするところはこうかな?ああかな?と手探りで、マエストロの世界を探索、逍遥することになる。

歌曲集として「Tonadillas~昔風の粋な歌曲集」「Amatorias~愛の歌曲集」が有名だが、そのまにまに、グラナドスならではの翳りを帯びた、忘れがたい佳曲が埋もれている。今年はそんな作品群の中から「ちいさな歌」を演奏する。文字通りの小曲、カタルーニャ語による歌詞は子守り歌の内容だが、歌とピアノが描く音楽は、どこか世紀末を感じさせるまさに大人の子守り歌。静かに、秘めやかに歌ってみたい。


第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ』
2019年5月19日(日)午後2時開演
会場:Hakuju Hall
チケット好評発売中!
プログラム、曲目紹介、チケットご購入等々、
詳細は、HPをご覧ください⇒『スペイン浪漫Ⅳ
ご来聴をお待ちしています♪



グラナドス本人が弾く「スペイン舞曲第2番オリエンタル」

グラナドスと大の友人だったカザルスが弾く「スペイン舞曲第5番アンダルーサ」



by Megumi_Tani | 2019-03-24 20:40 | リサイタル | Comments(0)

映画『愛と死』~グラナドスの生涯   

「スペイン歌曲に、こんなに色々な作品があるとは知りませんでした」「日本では知られていない歌が沢山あるんですね」「美しいピアノ前奏で始まる一曲め!驚きました。こんなスペイン歌曲もあるんですね!」CD『スペイン浪漫 』をお聴きくださった方から嬉しいメッセージが寄せられている。スペイン歌曲は多彩だ。その多彩さを、いろいろな形でご紹介したいといつも願っている。

その多彩なスペイン歌曲のなかで最も重要な作曲家のひとりがエンリケ・グラナドスだ。没後100年の2016年、生誕150年の2017年は、リサイタル、セミナー、このブログ等々で彼の生涯と作品をご紹介。まさにグラナドスに捧げた二年間だった。その一部を……。

e0172134_22285184.jpg

スーパー・ピアニストとして名を成し、パリ時代を経て、スペインを代表する作曲家として名声を極めた、その頂点で戦争の犠牲となり、わずか48歳で命を落としたグラナドス。その悲劇の生涯がスペインで映画になった。

『El Amor y la muerte ~ 愛と死』

監督は、昨年『ダンシング・ベートーベン』が話題になった、アランチャ・アギーレ


グラナドスの歌曲作品のなかでは、歌曲集『Tonadillas』『Amatorias』がよく知られている。マハ(粋な女)とマホ(伊達男)の恋のさや当てを描いた歌の数々は、まさに粋!!!

加えて、グラナドスには、世にあまり知られていない、まして日本ではほとんど知られていない作品がある。今回のCDに収録した「ちいさな歌」もそのひとつだ。カタルーニャ語の歌詞は子守り歌の内容を持つが、その音運び、伴奏のピアノが奏でる和音は妖しく、大人の子守り歌を想起させる。世紀末の気配、デカダンの香り…これもグラナドスの大きな魅力だ。「ちいさな歌」ぜひお聴きになってみてほしい。

スペイン浪漫~谷めぐみスペイン歌曲CDリサイタル
e0172134_22304789.jpg



by Megumi_Tani | 2018-11-17 22:40 | CD | Comments(0)

1119エピローグ ♪ ありがとうございました   

第26回リサイタルスペイン浪漫Ⅲ終了から一週間。おかげ様でご好評をいただいています。当日のアンケートをはじめ、沢山の方々から嬉しいメッセージをいただきました。ありがとうございます!
e0172134_15320997.jpg
今回のプログラム、実はなかなかコアな内容でした。グラナドス「生誕」150年に捧げる、そのオープニングが〈悲しみにくれるマハ〉。これだけでも、かなり珍しい。続くグラナドス三曲はリサイタル初演、どころか、もしかすると日本初演の可能性あり。となると、お客様にもまったく耳馴染みがない…。第2ステージ〈グラナダに寄す〉〈エル・アレグリート〉あたりでホッとひと息。しかし後半のオープニング〈魂の歌〉は難解です。そもそも日本語でもなかなか理解できない十字架のヨハネの詩が、厳かなピアノと交互にア・カペラで歌われるのですから…。第3ステージはタイトル通り〈響きわたる孤独〉がひたひたと胸に迫るモンポウの世界。そして最終ステージは、ロドリーゴのハチャメチャなクリスマスの歌、ハルフテルのファド、そしてモンサルバージェの皮肉を帯びたハバネラ…。「グラナドスとモンポウ、二人の時代のコントラスト」を大きな柱に、様々な要素の様々なコントラストがいたるところに散りばめられているのですが、それにしても、我ながら凝りに凝ったプログラム。さて、どうなりますか。。。

本番が始まってみれば、冒頭のグラナドスのマハからアンコールまで、お客様が実によく集中して聴いてくださいました。頼もしい!浦壁信二さんのピアノにも実に多くの賛辞が贈られました。歌とピアノの「共演」をお楽しみくださっている!これもまた頼もしい!グラナドスの初演曲〈歌〉〈ヒターノの唄〉〈愛の歌〉、そして、とっつきにくいはずのモンポウ作品が大人気だったことには、予想外の喜びでした。名歌という宝を授けてくれた天上のマエストロ二人に、あらためて深い敬意と感謝を捧げます。
e0172134_15502746.jpg
オペラ・キュレーター、井内美香さんが当日の様子をご紹介くださいました。

今回、印象に残ったことが二つあります。
まずひとつめは、回を重ねるごとに、少しずつお客様の幅が広がってきたこと。同じスペイン通でも語学のエキスパートの方々、ファッション、グルメ関係の方々、同じ音楽でも、オペラの専門家、オペラ愛好家の方々、ドイツ歌曲専門の方々、ピアノ専門の方々、はたまた、常日頃からスペイン大好き、超スペイン・ファンの方々に加えて、普段スペインとは接点がないけれどこのリサイタルに興味を持ってくださった方々、講座やセミナーでお目にかかった方々、そして長年ご支援くださり毎回必ず駆けつけてくださる方々…。拙リサイタルをきっかけに、ひとりでも多くの方にスペイン歌曲の魅力を知っていただければ!こんなに嬉しいことはありません。

二つめは、「心で聴きました」というお客様がとても多かったこと。スペイン語で歌う⇒お客様に歌詞の意味が分からない。このハードルはなかなか高いものです。少しでも歌の内容をお伝えしようと、歌詞大意をプログラムに掲載し、演奏の合間には私自らペラペラお喋り解説させていただくのですが、それでも、なかなか……。しかしこちらも回を重ねるごとに、拙大意訳とトークを手掛かりに、深く心で感じ取ってくださるお客様が増えました。外国語の壁はある、しかし、きっと伝えられる!あらためて勇気をいただいた気がします。

「貴女の“スペイン歌曲”への想いが、よく伝わってきました」とのご感想が一番多かったかもしれません。そうなのです。今回は特に諸々思い入れが深かったせいか、ひとつひとつの歌が、まるで可愛がり過ぎて嫁に出せない娘のように感じられ、リサイタルで手放すのがもったいない(笑)?気持ちでした。

掛け替えのないひとときをご一緒くださった皆様に、心よりお礼申し上げます。
e0172134_18081434.jpg







by Megumi_Tani | 2017-11-26 15:58 | リサイタル | Comments(0)

1119♪ 浪漫・夢幻   

第26回リサイタル《スペイン浪漫Ⅲ~グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年に捧ぐ》本番が明後日に迫りました。手塩にかけて育てた大切な歌の数々をお届けいたします。

エンリケ・グラナドスは、没後100年(2016年)、生誕150年(2017年)と、記念の年が続きました。この時に、歌い手でいられたことを本当に幸せに思います。昨年リサイタルでは、代表的作品をお聴きいただきました。今年は、粋な女マハが亡きマホに捧げる名曲〈悲しみにくれるマハⅡ〉〈悲しみにくれるマハⅢ〉に加えて、リサイタル初演、しかも日本でもスペインでもほとんど演奏される機会のない超レアな三曲をご披露いたします。

フェデリコ・モンポウの世界は、また格別です。抒情を越えた、侘び、寂びに通じる心、さらにそこを突き抜けた幽玄、無限の世界。いわゆるスパニッシュ!とはまるで趣を異にする、スペイン歌曲の奥深さを感じていただけることでしょう。

二人のマエストロを取り巻く時代と人々。共感と共鳴、そして鮮やかなコントラスト!
みんな違ってみんないい…そんな言葉が心に浮かびます。

リサイタルの準備期間に、テロ事件、そしてカタルーニャ独立問題が起きました。ショックを受け、案じ、考え込み…。その折々に歌に向かう自分の心を見つめ、また歌の方も私の心に応えてくれる、そんな日々でもありました。困難な時期、歌い手として、愛する歌の数々を心を込めてお届けしたいと思います。

今のところ、19日は「晴れ」の予報が出ています。冷え込んできましたので、どうぞ暖かくしてお出かけくださいませ。Hakuju Hallにて、お待ち申し上げます。

第26回リサイタル
2017年11月19日(日)14:00開演@Hakuju Hall
ご来聴をお待ちしています!

e0172134_00315116.jpg


by Megumi_Tani | 2017-11-17 17:56 | リサイタル | Comments(0)

1119♪ 永遠の別れの歌   

第26回リサイタル《スペイン浪漫Ⅲまで、今日でちょうど3カ月になりました。早々にチケットをお求めくださった皆様、「行きますよ~!」「前半だけしか聴けないかもしれないけれど…楽しみにしています!」「友達、誘います」etc.のメッセージをお送りくださった皆様、ありがとうございます。

正直なところ、バルセロナ・ショックが続いています。
Visca! Barcelona!
こんな時だからこそ、バルセロナゆかりの歌を、より大切に歌いたい、と思います。

さて、3か月前の節目の今日から、当日演奏曲目についてあれこれ綴ってまいります。
本日ご紹介の作品:
グラナドス〈悲しみにくれるマハⅡ・Ⅲ〉
モンポウ〈君の上にはただ花ばかり〉

この両作品、いずれも恋人との永遠の別れを歌った、スペイン歌曲の中でも屈指の名曲です。グラナドス〈悲しみにくれるマハⅡ・Ⅲ〉では、下町の粋な女マハが恋人マホの死を嘆き、モンポウ〈君の上にはただ花ばかり〉では、恋人を喪った青年が彼女の胸の上で枯れていく百合の花になりたい、と、切々と語ります。モンポウの柔らかく流れるメロディーに対して、グラナドスのスタイリッシュな激情型メロディー。恋人の死を儚み、夢か現か、心が虚空に溶けていくようなモンポウの世界に対して、グラナドスのヒロイン、マハは、恋人の死を受け入れられず、葛藤し、苦しみ、最後には、この世に自分の恋人マホほど素敵な男はいない、と、凛と歌い切ります。ゴヤが描くマハとマホの世界に憧れた、グラナドスの面目躍如というところでしょうか。同じバルセロナが生んだ作曲家、同じ恋人との永遠の別れの歌でもこんなに違う!その妙味をお楽しみください。

〈君の上にはただ花ばかり〉


〈悲しみにくれるマハⅡ〉


〈悲しみにくれるマハⅢ〉


第26回リサイタル
スペイン浪漫Ⅲ~グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年に捧ぐ
2017年11月19日(日)14:00開演@Hakuju Hall
ご来聴をお待ちしています!

入場無料。要お申込み。
ご来場をお待ちしています!


by Megumi_Tani | 2017-08-19 21:09 | リサイタル | Comments(0)

グラナドス150回めの誕生日   

今日7月27日は、エンリケ・グラナドス150回目の誕生日にあたる。
エンリケ・グラナドス讃

エンリケ・グラナドス・イ・カンピーニャは、1867年7月27日、カタルーニャ地方レイダで生まれた。父はキューバ生まれの軍人、母はサンタンデールの人。エンリケが3歳の頃、父の新しい赴任地、サンタ・クルス・デ・テネリフェ(カナリヤ諸島)に移る。後にグラナドスは、彼の地での思い出を「まさに天国のようだった」と述懐している。しかし、3年ほど過ぎた頃、父の落馬事故、健康上の問題等により、一家はバルセロナへの転居を余儀なくされた。

息子の音楽の才能を感じ取っていた両親は、早くから音楽教育を受けさせた。グラナドスは、バルセロナで、当時もっとも偉大な音楽家だったプジョールに師事。みるみる頭角を現す。将来有望、順風満帆に見えたが、16歳の頃、父が亡くなり、生活は一変。母とともに残された家族を養うため、彼はしばしば自分のレッスンを犠牲にして、いくつかのカフェでピアニストとして働かなければならなかった。酔客の前で、時には客の歌に合わせて、ピアノを弾くグラナドス…。彼が書き残した当時の言うに言われぬストレスは、まさに我ら凡人と同じ。いたく共感、ニンマリしてしまう。彼はカフェでも人気者だった。

自ら働いて学資を貯め、才能を高く買ってくれた篤志家の援助もあり、グラナドスは20歳でパリへ渡る。シャルル・ベリオに師事し、個人レッスンを受けながら、アルベニス、フォーレ、ドュビッシー、ラベル、ドュカス、サン・サーンスら音楽仲間と親交を結んだ。絵画にも興味を示し、画家達とも交流。芸術の都で、同郷の友人、ビーニェス、マラッツらと青春を謳歌した。

約2年間のパリ滞在を経て帰国。以後は、故郷バルセロナを舞台に、ピアニスト、作曲家、教育者として大活躍した。カザルス、ニン、ファリャら、今日私達がよく知るスペインの音楽家達も、グラナドスを深く敬愛していた。

渾身のオペラ《ゴイエスカス》ニューヨーク初演大成功を見届け、数々の栄誉を手にし、人々の称賛を受け、安堵して故郷バルセロナへ帰る途中、第一次世界大戦の犠牲となり、妻とともに英仏海峡の露と消えたグラナドス。
そのあまりにもドラマティックな最期ゆえか、彼の青春時代が語られる機会は少ない。
しかしピアノに夢中になり、カフェでのアルバイトに溜息をつきながらも夢を諦めず、パリで鋭意レッスンに励み、師や友人と深く心を結び、時にはお洒落して街を闊歩する…。そんな若き日のグラナドスの姿もまた私を魅了してやまない。

昨年は没後100年、そして今年は生誕150年。グラナドス記念の年に、現役の歌い手でいられたことを幸せに思う。11月のリサイタルでは、ぜひ佳き演奏をお届けしたい。

第26回リサイタル
スペイン浪漫Ⅲ~グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年に捧ぐ
2017年11月19日午後2時開演@Hakuju Hall(代々木八幡)
ご来聴をおまちしています♪

e0172134_13055227.jpg






by Megumi_Tani | 2017-07-27 13:06 | リサイタル | Comments(0)

グラナドスの合唱曲〈星の歌〉   

今年は、エンリケ・グラナドス生誕150年記念の年。1987年7月27日、カタルーニャ地方レリダで生まれたグラナドスは、バルセロナで修行後、パリで学び、スーパー・ピアニスト、作曲家として人気を博した。1916年、オペラ《ゴイエスカス》ニューヨーク初演に立ち会うため渡米。公演の大成功を見届け、バルセロナへ帰る途中、乗っていた船がドイツ潜航艇の爆撃を受け、命を落とした。
エンリケ・グラナドス賛』『グラナドス101回目の命日

グラナドス150回目の誕生日にあたる7月27日、めずらしいアンサンブル作品を集めたコンサートが開かれる。
e0172134_13002369.jpg
グラナドスの歌のための作品といえば、〈昔風の粋な歌曲集〉、〈愛の歌曲集〉、オペラ〈ゴイエスカス〉が挙げられるが、ほかにもカタルーニャ語によるロマンティックな歌曲、お洒落な小曲など、グラナドスならではの味わい深い作品が残されている。この夜演奏されるのは、カタルーニャ語による合唱曲〈星の歌~Cant de les estrelles〉。朗々と奏でられるピアノ前奏が、いかにもグラナドスらしい作品だ。プログラム前半には、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ、ピアノ三重奏曲、ピアノ五重奏曲と、こちらも滅多に聴く機会のないアンサンブル作品が演奏される。
グラナドス・フアンの方、ぜひ!お出かけ下さい。


「パパは日本が大好きだったのよ」1985年、グラナドスの愛娘ナタリアさんにお目にかかった折の言葉が蘇ります。「ナタリアさん、私たちもパパの音楽が大好きですよ…」
11月17日リサイタルでは、人気の〈悲しみにくれるマハ〉に加えて、リサイタル初演〈歌~Canción〉〈ヒターノの唄~Canto gitano〉〈愛の歌~Canço d'amor〉を歌います。お楽しみに!

第26回リサイタル
スペイン浪漫Ⅲ~グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年に捧ぐ
2017年11月19日午後2時開演@Hakuju Hall(代々木八幡)
ご来聴をおまちしています♪

モデルニズモ浪漫~グラナドス×ラモン・カザス



by Megumi_Tani | 2017-07-13 13:36 | スペイン音楽 | Comments(0)

18世紀~ゴヤの時代   

日西翻訳通訳研究塾にて教養講座『スペイン史ma専科』第9回を受講した。ガラガラと崩壊の足音が聞こえ始めた前回18世紀前半に続き、今回は18世紀後半がテーマだ。

まず、近代スペイン生みの親として、今もスペイン人に敬愛されているカルロス3世登場。この王様は、啓蒙専制君主として、マドリードをはじめ各地のインフラを整備し、植民地政府内の腐敗を正し、スペインの近代化を推し進めた。

1787年、フランス革命勃発。スペインではカルロス3世が没し、次男カルロス4世が即位した。カルロス4世の妻が、スペイン史上最悪の女性?の異名をとるマリア・ルイサ・デ・ボルボン=パルマだ。彼女は夫を完全に支配し、14人の子供を産み、寵臣ゴドイと組んで権勢をふるった。わずか25歳の若さで宰相に就任したゴドイ。何が本当で何が嘘か分からない闇の時代…。

この情けない王様?カルロス4世に見出され、宮廷画家になったのがゴヤだ。


ゴヤは、今で言う報道カメラマンの役割を担い、カルロス4世~フェルナンド7世の時代のスペインを絵筆で記していった。


さて、ここからは講義の外のお話。
ゴヤ、の名が出ると、素通りできない。上記の通り、ゴヤは歴史的、政治的に貴重な作品を残しているが、彼が描いたのはそれだけではない。沢山の美しく粋な女:マハの絵姿がある。
e0172134_23062452.jpg
ゴヤが描いたマハに心奪われ、マハと伊達男マホの恋に胸ときめかせ、男女のほの暗い運命を音で描き、あたかもその運命に飲み込まれたかのごとく、英仏海峡に消えた人…グラナドス。グラナドスの遺作となったオペラ《Goyescas》は、スペルからも分かるように《ゴヤ風に》の意。代表的歌曲集《Tonadillas~昔風の粋な歌曲集》では、マハとマホの恋物語が、ショート・ストーリー風に綴られている。

今秋リサイタルでは、《Tonadillas~昔風の粋な歌曲集》の中から〈La maja dolorosa~悲しみにくれるマハ〉を演奏する。アンケートでいつも沢山のリクエストをいただく人気曲だ。歌っても、歌っても、歌うごとに悲しみが胸に迫る。大切に歌いたい。

第26回リサイタル
スペイン浪漫Ⅲ~E.グラナドス生誕150年、F.モンポウ没後30年に捧ぐ
2017年11月19日午後2時開演@Hakuju Hall(代々木八幡)
ご来聴をおまちしています♪

ゴヤが描いたマハの絵姿
~グラナドス《ゴイエスカス》より〈嘆き、または、マハと夜鶯〉










by Megumi_Tani | 2017-06-27 23:16 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

101回めの命日   

昨日3月24日は、エンリケ・グラナドス101回目の命日だった。

ニューヨークでオペラ『ゴイエスカス』初演の大成功に立ち会い、数々の賛辞を受け、ホワイトハウスにも招かれ、安堵と喜びに満たされてバルセロナへ帰る、その途中、グラナドス夫妻が乗った船は英仏海峡でドイツ潜航艇の無差別攻撃を受け、沈没した。いったん救助されかかったグラナドスだったが、波間でもがく妻アンパロを見つけ、彼女を助けようと、再び海へ…。二人の姿が戻ることはなかった。

グラナドスは泳げなかった。そもそも海が嫌いだった。ニューヨークへの船旅も渋っていたが、第一次世界大戦勃発のために、いつまでたっても日の目を見ない『ゴイエスカス』の初演を、メトロポリタン歌劇場が引き受けてくれたのだ。行かないわけにはいかない。いや、何が何でも行きたかっただろう。『ゴイエスカス』は、グラナドスが愛したマハとマホの世界そのものの物語だったのだから。しかし、意を決して敢行したその船旅で命を落とすことになった。哀しい戦争の犠牲だ。

後日談が残されている。グラナドスの息子のひとりは、水泳100メートル自由形のスペイン・チャンピオンになった!彼の妻も水泳のチャンピオンであり、彼らの息子達-グラナドスの孫にあたる-も、長距離と短距離の選手になった。突然の海での悲劇に襲われたグラナドス一家。しかし子ども達は「水」に負けなかった。それどころか、水に親しみ、水を制覇してみせたのだ。「おじいちゃんとおばあちゃんは船の事故で亡くなった。でも、もしも泳げれば、助かっていたかもしれない。そう思って、パパは一生懸命水泳のトレーニングに励んだんだ。お前達も頑張るんだよ」と、グラナドスの息子さんがそのまた二人の息子さんに語ったのでは…。などと思いを巡らすと、ふと心が和む。

昨年は没後100年、そして今年は生誕150年。グラナドスの記念の年に現役の歌い手でいられたことを心から幸せに思う。秋11月のリサイタルでは、人気の作品に加えて、日本ではほとんど知られていない隠れた名歌を捧げたい。

グラナドス夫妻、最後の写真
e0172134_23281746.jpg



by Megumi_Tani | 2017-03-25 23:31 | スペイン歌曲 | Comments(0)

テルトゥーリア、来週です。   

日本・カタルーニャ友好親善協会開催テルトゥーリア『カタルーニャから生まれた名歌曲』が来週に迫りました。

今年、2017年は、エンリケ・グラナドス生誕150年、フェデリコ・モンポウ没後30年、各々記念の年に当たります。独自の魅力あふれる世界を通して、生地カタルーニャのみならず、スペインを代表する作曲家として音楽史に名を刻んだグラナドスとモンポウ。マエストロ二人をはじめ、カタルーニャゆかりの作曲家による名歌曲の数々を、選りすぐりのCD音源でお楽しみいただきます。今回は会場の都合でYoutubeを使えません。逆にその分、じっくりじっくり耳に集中して演奏をお味わいいただけると思います。

ビクトリア・デ・ロス・アンへレス、モンセラート・カバリェ、ホセ・カレラス…。カタルーニャからは、多くの世界的名歌手が生まれています。絶好の機会!今回は、彼らカタルーニャゆかりの歌い手による音源のみを集めました。もちろん、合間には、楽曲や作曲者に関するエピソードもご紹介。「カタルーニャから生まれた名歌曲の数々をカタルーニャから生まれた名歌手の名演で楽しむ」スペシャルなCDコンサートです。終了後は、懇親パーティで Salud!!

日本・カタルーニャ友好親善協会テルトゥーリア
『グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年-カタルーニャから生まれた名歌曲』
日時:2017年2月3日(金)18時30分~19時40分 終了後、懇親パーティー
会場:霞会館 麻布かすみ1Fサロン(港区西麻布3-2-32)
会費:会員3,500円 ビジター4,500円
e0172134_22284516.jpg
 
ビジター大歓迎!ただし、事前のお申し込みが必要です。お名前に電話番号を添えて、日本・カタルーニャ友好親善協会までお申し込みください。アドレス:info@ajac.ne.jp
締め切り:1月30日(月) 

こちらに関連ブログをまとめてあります。⇒ Tertulia 『カタルーニャから生まれた名歌曲』
e0172134_22274635.jpg

by Megumi_Tani | 2017-01-27 22:32 | 講座/セミナー | Comments(0)