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24年前のサルスエラ公演   

昔はよく夢を見た。夢と言っても、将来〇〇になりたい、という類の夢ではない。眠っている間に見る夢だ。連続ドラマ風、思い出再現ドラマ風、ちょっと予知的ドラマ風etc。
連続ドラマは、見たいと思えば、毎日一話ずつストーリーが展開した。次はどうなるのかなぁ、と、眠るのが楽しみだったりする。いつも総天然色。夢はカラーで見るものと思い込んでいたので、白黒の夢が存在すると知った時には驚いた。

いつの頃からか、ぷつりと夢を見なくなった。理由は分からない。起きている間に色々なドラマに遭遇するから、眠っている時までドラマを楽しむエネルギーが残っていないのかもしれない。

ところが、昨夜、久しぶりに夢を見た。
昭和を感じさせるどこかの事務室。沢山の机、山積みの書類、大勢の人が忙しそうに仕事をしている。部屋の片隅に、来客用のテーブルとソファ。そのソファに、なぜか、ヴィクトリア・デ・ロス・アンへレスが座っている。地味なワンピース姿で、テーブルの上に開いたパソコンの画面を一心に見つめている。横から私がのぞきこむと、ヴィクトリアがたどたどしい日本語で言う。「わたしは、いま、にほんごを、べんきょうしているの」私がスペイン語で答える。「それは素晴らしい!日本では貴女を待っているファンが今も沢山います」今度はヴィクトリアもスペイン語で答える。「そうそう。だから、ぜひ、日本語を、と、思ってね」
そこで目が覚めた。夢は愉快だ。ヴィクトリアが日本語を話すなんて!

この夢は何となく察しが付く。数日前、Facebookで、1991年に行われたサルスエラ公演の話題が出たのだ。通常のサルスエラは台詞が入るので、スペイン語が分からなければ楽しめない。しかしこの公演は、外国人にも分かりやすく構成されていた。いくつものサルスエラの名場面、名曲、名歌、舞踊がふんだんに盛り込まれ、スター歌手やダンサー達たちが華やかな舞台を繰り広げる。まだ「サルスエラ」という言葉そのものがあまり知られていなかった時代、画期的な招聘だった。
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この公演で、ビクトリア・デ・ロス・アンへレスが歌ったのが、G.ヒメネス「サパテアード」だ。周りの若手の歌い手たちの中で、堂々の貫録だった。終演直後の舞台に駆けつけてご挨拶させていただいたことも懐かしい。「あ~!メグミ、どうだった?」「ナマでサパテアードを聴けるなんて夢のようでした」「それはよかった」大勢の出演者と大がかりな装置の搬出でごった返す舞台で、そんな会話を交わした。もう24年も前なのに、まるで昨日のことのように蘇る。Facebookのお友達とも一瞬で思いが通じた。まさに音楽は時空を越えている。
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17日のリサイタルで、この「サパテアード」を歌う。ビクトリア・デ・ロス・アンへレス没後10周年。香しい名歌「君の上にはただ花ばかり」とともに、粋で素朴でお茶目で楽しいこの曲を捧げたい。「日本では貴女を待っているファンが今も沢山います」の思いを込めて。



              谷めぐみ30周年記念リサイタル
           スペイン わが心の歌
              2015年10月17日(土)午後2時開演
                 会場:Hakuju Hall

 チケット完売しました。たくさんの方にお問合せをいただいています。ごめんなさい。
                また次の機会にぜひ!    


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by Megumi_Tani | 2015-10-11 23:40 | リサイタル | Comments(2)

Programa ご案内「サルスエラ」   

第4ステージ最後の華は「サルスエラ」。スペインの魅力いっぱいのアリア2曲をお聴きいただく。

スペイン伝統の舞台音楽劇サルスエラは、17世紀フェリーぺ4世の時代、王侯貴族の楽しみとして生まれた。野バラ~サルサにおおわれた王の別邸サルスエラ宮殿で上演されたことから「サルスエラ」の名前が付いたという。当初は、神話や伝説の英雄物語など荘重な筋立てだった。

18世紀、イタリア音楽の隆盛によってサルスエラは一時衰退。ちなみに、この時期に流行したのが第1ステージで取り上げる音楽劇トナディーリャだ。

19世紀半ば、サルスエラが復活する。王侯貴族の楽しみから庶民の娯楽へ、格調高い神話から軽妙で風刺のきいた人情話へ。すっかり姿を変えたサルスエラは広く国民に愛され、大流行した。「古き良き時代のスペイン」この言葉がぴったりの粋で愛らしい華だ。

ヴィクトリア・デ・ロス・アンへレスが歌う「スペインから来た娘」


こんな古き良きシネマもあります。


若きテレサ・ベルガンサが歌う「サパテアード」


こちらは、銀髪のテレサ・ベルガンサ。



              谷めぐみ30周年記念リサイタル
           スペイン わが心の歌
              2015年10月17日(土)午後2時開演
                 会場:Hakuju Hall
               ご来聴をお待ちしています

060.gifPrograma ご案内
母なるマリアに」 「心よ、ともに悲しもう」 「カタルーニャの歌」 
エスペランサの聖母に捧げる祈祷風のサエタ」 「ロドリーゴとファリャ」 
天上のVictoria de los Ángelesに捧ぐ」「エル・アレグリート~S.Yradierに捧ぐ」  
ハバネラの夢」「クラベリートス
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by Megumi_Tani | 2015-10-04 19:58 | リサイタル | Comments(0)

Programa ご案内「心よ、ともに悲しもう」   

きわめて大ざっぱな括り方をすれば、17~18世紀、いわゆるバロック時代は「スペイン歌曲冬の時代」だ。もちろん黄金世紀の輝きを引き継ぐ宗教音楽、世俗歌曲等々、「歌」の歴史は脈々と続いていたが、これ、という歌曲作品が見当たらない。

そんな時代に、サルスエラ(zarzuela)が現れた。スペイン王フェリーぺ4世がマドリード郊外の離宮に歌い手や役者を呼び集め、彼らの劇や踊りを楽しんだ。周囲にサルサ(キイチゴ)がたくさん生えていたことから、この離宮はサルスエラと呼ばれ、やがてそこで演じられる歌芝居も「サルスエラ」と呼ばれるようになったという。初期のサルスエラは、神々の物語、英雄伝説などをテーマにした荘厳な内容だったが、18世紀後半になると、楽しいサルスエラ(zarzuela alegre)が登場する。しかし、当時のスペイン音楽界には、あのファリネッリに代表されるイタリア旋風が吹き荒れていた。猫も杓子もイタリア…の風潮の中で、サルスエラは居場所を失ってしまう。そのちょっぴり寂しいスペインの歌の世界に、負けじと咲いた小粋な華、それがトナディーリャ(Tonadilla)だ。ごく短い音楽芝居の中に「スペインの」歌や踊りがふんだんに盛り込まれ、マホとマハ(伊達男と粋な女)に象徴される庶民の喜怒哀楽を生き生きと描き出した。

第1ステージでは、そのトナディーリャの作品の中から、命を落とした当時の花形スター、カランバ嬢にパブロ・エステーベが捧げた哀悼の曲「心よ、ともに悲しもう」、そして、ブラス・デ・ラセルナ「金のくちばしの小鳥」をお聴きいただく。エステーベもラセルナもトナディーリャの代表的作曲家だが、こうして歌だけを取り出してみると、たしかに当時のイタリア趣味の匂いがする。素敵な曲なだけに、ちょっぴり悔しい(笑)

ジェラ―ル・スゼーが歌う「心よ、ともに悲しもう」


             谷めぐみ30周年記念リサイタル
          《スペイン わが心の歌

         2015年10月17日(土)午後2時開演@Hakuju Hall
          プログラム詳細、チケットご購入はこちら ↓↓ 
         
 《谷めぐみの部屋~Sala de Megumi Tani》

              ご来聴をお待ちしています

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母なるマリアに
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by Megumi_Tani | 2015-08-15 21:55 | リサイタル | Comments(0)

「スペインの民主化を振り返る」第6回講義   

日西翻訳通訳研究塾の教養講座「スペインの民主化を振り返る」。第6回目の講義にして、いよいよフランコ最期の日、1975年11月20日がやってきた。その日その時、本講座の講師である塾頭、碇順治先生はマドリードにいた!前日バルセロナのパラウ(カタルーニャ音楽堂)でジャズを聴き、マドリードへ移動。翌20日朝、マドリードは異様な静けさに包まれていたそうだ。国を挙げての厳戒態勢のかな、バスでサラマンカへ帰る道には、100メートルおきに警察官が立っていたという。周到な準備の甲斐あってか、暴動が起きることもなく、11月22日、「王位継承者」であったホァン・カルロスが国王として即位した。

国会での宣誓式


まだ「王位継承者」であった1970年、サルスエラ宮殿で執務に当たるホァン・カルロス


ちなみに、スペイン独自の音楽劇「サルスエラ」の名は、17世紀、このサルスエラ宮殿で上演が始まったことに由来しています。「¡Viva スペイン! そして…」

11月19日、バルセロナの街では、カタルーニャ語が飛び交っていたそうだ。。。
翌20日のフランコの訃報を受け、マドリードでは、お別れに訪れる人の列が三日三晩続いたという。そしてフランコは、自身が生前に造らせた「戦没者の谷(Valle de los Caídos)」に埋葬された。

フランコは何を思ってホァン・カルロスを後継者に指名したのか?王政復古後、ホァン・カルロスが奇跡的な民主化を成し遂げることを、フランコは予想していただろうか??はたまた、すでに意識のない己の最期の姿が死後数年を経て週刊誌に掲載される、しかも、娘婿の手によって…などということを、これっぽっちでも想像しただろうか???

安易な言葉ではくくれない。でも、人生は、哀しい。

教養講座『スペインの民主化を振り返る』
「スペインの民主化を振り返る」第5回講義
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by Megumi_Tani | 2015-03-14 19:54 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

超絶!カスタネット   

先日ご紹介したドミンゴ指揮のCDに、思わぬ反響をいただきました。世界に冠たる歌唱力はもちろん、ダンディな容姿、温かく飾らないお人柄etc。やはりドミンゴ人気は高い!『ロドリーゴ考 』

このCDに関する映像資料は見当たらないのですが、その代わり?去る2月15日、ベルリン・フィルを指揮した映像を見つけました。本プロ終了後のアンコールです。


オペラや演奏会の舞台では威風堂々たるドミンゴが、指揮台の上では、ちょっぴりはしゃいだ親しみやすいおじ様に見えるのは私だけでしょうか…?!こちらまで何だか嬉しくなります038.gif

それにしても、ルセロ・テナのカスタネットはすごいですね。
こちらは、大好きなファリャの『はかなき人生』


こんな濃~い共演もあります。


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by Megumi_Tani | 2015-02-25 23:30 | スペイン音楽 | Comments(0)

『スペイン浪漫』~郷愁の華   

『スペイン浪漫』第3ステージは、古きよき時代のマドリードの下町にご案内します。にぎわう街角、街に流れるクプレ…。人々は仕事帰りにバルで一杯ひっかけ、日頃の憂さを晴らします。17世紀に王家の娯楽として始まったサルスエラも、この時代にはすっかり様相を変え、庶民の娯楽に生まれ変わっていました。笑いと涙、時にはピリリと風刺のきいたストーリー。すったもんだの挙句、最後はすべてハッピーエンドの大団円!そんな人情話に、人々は、自らの人生を重ね、舞台とともに笑い、涙し、明日へのエネルギーを蓄えたのでした。

当時、流行していたリズムがハバネラ、そしてハバネラから生まれたゆる~いタンゴです。「すみれの花売り娘」は、ホセ・パディーリャの作品です。チャップリンの映画『街の灯』でご存知の方が多いと思います。チャップリンが無断で使用したため、後に訴えられた、といういわく付きの曲でもあります。パディーリャは、何と!パリのムーラン・ルージュの超売れっ子作曲家でした。「サ・セ・パリ」や「バレンシア」も有名です。



次に歌う「嫉妬」は、タイトルを見ると、どんなオドロオドロシイ曲か…という感じですが、実は、恋をしたら誰もが心に飼ってしまう嫉妬の虫を嘆く、という、何とも憎めない歌です。

そして、劇場のお楽しみ、サルスエラ!「彼が来ないからどうしたっていうの?」では、ヒロインが恋に落ちた自分を嘆き、「お手伝いさんのタンゴ」では、若い娘が奉公の身の上を嘆きます。どちらも嘆きに暮れる女の歌ですが、そうなると、お手伝いさんはたくましい!嘆いてばかりはいられない、と、あの手この手で人生を切り開いてまいります(笑)。

地中海、グラナダ、マドリード、と巡った旅が、次の第4ステージでフィナーレを迎えます。
第1ステージのご紹介はこちら ⇒ 『スペイン浪漫』~地中海の薫り
第2ステージのご紹介はこちら ⇒ 『スペイン浪漫』グラナダ~光と影

ご来聴をお待ちしています。 詳しい情報は、下をクリック060.gif
第23回谷めぐみリサイタル《スペイン浪漫》
2014年10月4日(土)午後2時@Hakuju Hall

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by Megumi_Tani | 2014-09-18 14:59 | リサイタル | Comments(0)

¡Viva スペイン! そして…   

音楽講座『Las Músicas de España~スペインの音楽』第5回目が終了しました。今回のテーマは19世紀の音楽。ナポレオン侵攻からスペイン独立戦争、そして世紀末に勃発した米西戦争まで、まさに動乱の時代です。

前世紀に一時代を築いたサルスエラやトナディーリャはすっかり忘れ去られていました。しかしそこは歌好きの国スペイン。ギターあるいはピアノ伴奏付の歌曲、民謡調の歌などは作られていました。ギターの佳曲「月光」で有名なフェルナンド・ソルは、ギター曲以外にもオペラ、ギター伴奏の声楽曲を残しています。音楽の才能とともに、そのイケメンぶりでパリの文化サロンの人気者だったとか。スペイン最強の楽器ギターについては、第9回にまとめて講義があります。

私が大好きな『ラ・パロマ』の作曲者セバスティアン・イラディエールが活躍したのも、この時代です。彼の作品『エル・アレグリート』が、あのビゼー『カルメン』のハバネラに化けた?ことは、よく知られています。ここで、ちょっと聴き比べ。

『エル・アレグリート』


『カルメンよりハバネラ』


本当にそっくり…(^^;; それにしても、マリア・カラスの歌唱は凄まじい迫力です。世界一のカルメン、と言われながら、実際にオペラで演じることは一度もないまま逝ってしまいました。

ヴァイオリンの分野に颯爽と登場したのが、パブロ・デ・サラサーテです。父親に英才教育を施された彼は、わずか十歳で御前演奏を果たし、パリ音楽院を経て、演奏活動を開始。ヨーロッパ各地はもちろん、南北アメリカ大陸、中近東、南アフリカなど多くの国で人々を魅了しました。甘いマスク、華麗なテクニック、流麗な音色…その魅力は悪魔的だったとか。ブラームス、チャイコフスキーに影響を与え、サン・サーンス、ラロ、ブルッフらが彼に作品を献呈しています。

『ツィゴイネルウィゼン』サラサーテ本人の演奏です。録音が残っていたなんてビックリ!


同じ曲をイツァーク・パールマンで。圧巻!


ここへ来て、やっとサルスエラが動き出します。スペイン独自の音楽やダンスとともに展開する庶民的なストーリー。明るく、親しみやすく、時に風刺をきかせたユーモアたっぷりの舞台が大人気となりました。仕事帰りにちょいとサルスエラでも!マドリ―には劇場が建設され、サルスエラは、都市で暮らす人々の最大の娯楽として定着したのでした。

『お手伝いさんのタンゴ』~チュエカ『大通り』より


『奥様』も歌います。


『ラ・ドローレス』ドミンゴお見事!


時代の寵児を生み、独自の文化の華を咲かせたスペイン。多くの外国人音楽家がスペインに魅せられ、ビゼー『カルメン』、シャブリエ『狂詩曲スペイン』、リムスキー・コルサコフ『スペイン交響曲』など、スペイン趣味の楽曲が作られました。魅惑の国スペイン、憧れの国スペイン…!!
しかし一方で、スペインその国の音楽家たちは、ある種強烈な“スペイン趣味”を脱すべく、あるいは、より昇華すべく、模索を始めます。偉大な音楽学者フェリーぺ・ぺドレル、そして彼の教えを受けたアルベニス、グラナドス、ファリャへ…。時代は移ります。
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第5回教養講座『Las Músicas de España』(スペインの音楽)
今からでも受講可能です。これまでの講座の様子は、こちら。
『第1回』 『第2回』 『第3回』 『第4回』

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by Megumi_Tani | 2014-01-21 23:36 | スペイン歌曲 | Comments(0)

スペインの扇子   

リサイタルのアンケートを読ませていただいた。「古典歌曲にスペインの栄光の歴史を感じました」とお書きくださった方が複数いらっしゃる。嬉しい。セファルディーの歌は、根強いファンが定着している。「わが心のアランフェス」「グラナダ」「ラ・パロマ」は、皆様、待ってました!という感じ。そして「女中さんのタンゴ」、大好評である。

この歌では、いくつかの女中さん用グッズを使った。まずエプロン。最近は、サロンエプロン(いわゆる昔風の前掛け)をほとんど見かけない。大きなデパートから近所の洋品店まで、さんざん探し回ったが、無い。メイド服なるものを売る店ならあるかもしれない。しかし、ちょっと買いに行く勇気が…。困り果てていたら、「これ、今、使っているけど、どう?」と、相棒のピアニストが台所から一枚のエプロンを持ってきた。淡いピンクの花柄、長めの丈、リボンにフリル、ポケットも付いている。まさに、おあつらえ向き!心優しい彼女が、きれいにお洗濯、アイロンまでかけてくれて、このエプロンは、めでたく小道具入りした。ゴム手袋、ソックス、お出かけのショール、買い物袋もOK。

この歌のヒロインは、あの手この手を使って、最後には奥様に出世する。成り上がりの奥様の証し!これはスペインの扇子がいい。女中さんグッズを投げ捨て、得意気に扇子であおいでみせるのだ。手元にある黒レースの扇子、これを使おう。本当はもう少し明るい色が入っていると良いのだけれど…。

そんなことを思っていた9月初旬、バルセロナの友人から、突然、手紙が届いた。
ブログタイトル「人生の芸術家

手紙と一緒に、何か入っている。取り出すと、懐かしいEl Corte Inglés(スペインのデパート)の包み。開けてみると、なんと!扇子である。しかも私の願い通り、美しい色が散りばめられている。バルセロナの彼女は、私が女中さんグッズを探していることなど、知るはずもない。なぜ?なぜ?なぜ?なぜ今、この扇子を送ってくれたの???あまりの驚きに声も出なかった。

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かくして迎えたリサイタル本番。ご来場の皆様よくご存知の通り、私はゴム手袋やエプロンをお行儀悪く舞台に放り投げ、最後に、この産地直送の色鮮やかな扇子を思いっきりパタパタさせたのである。
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by Megumi_Tani | 2009-11-02 08:50 | リサイタル | Comments(0)

サルスエラは楽しい   

素敵なおじ様の生徒さんが仰った「先生、サルスエラっていうのは、日本の浅草オペラですね」

私はリアルタイムでの浅草オペラは知らないが、伝え聞くその世界~悲喜こもごもの人間模様を、時にご時勢の風刺を交えながら、コミカルに、情感たっぷりに描く喜歌劇~は、まさにサルスエラに相通じるものだろう。グランドオペラのヒロイン(有名どころでは、トスカ、蝶々夫人、ヴィオレッタetc)には気分的にちょっとついていけない私も、サルスエラの何がしかにはクルっと変身できる。

昔、マドリードのサルスエラ劇場でのこと。舞台上の台詞のやりとりが愉快で、私はゲラゲラ笑っていた。ふと見ると、斜め向かいにいる女の子がジーッと私を見つめている。目と目が合ったので笑いかけると、その子は怯えた顔で隣りの母親にささやいた「ママ、china(中国人)がスペイン語を聞いて笑っているよ」母親「シーッ!聞こえたら、あの人、怒るわよ」今度は母親と目が合った。娘同様、怯えている。スペインで出会った人たちは皆、本当に親しみやすかった。が、この母娘、唯一感じが悪かった。

リサイタルで久しぶりにサルスエラを歌う。古きよき時代にワープして、思いっきり楽しみたい。
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by Megumi_Tani | 2009-10-12 07:45 | スペイン歌曲 | Comments(2)