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エピローグ「ハバネラの時代」   

第27回リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ~Mi España Romántica』のエピローグ。本日は、第2ステージ「ハバネラの時代」について。

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天を仰ぎ、神に懇願し、御子誕生の喜びを歌う。そんな第1ステージ「祈り 」から一転、第2ステージは19世紀スペインの下町へ。
この大胆な(笑)転換に選んだ曲は、アルバレス作曲「黒い瞳」。リズム、メロディー、スタイル、すべてが、ザ・スペイン!所謂ステレオタイプ的スペインの王道を行っている。百の薀蓄、説明より聴くのが一番!「あ!別のステージが始まった!」と、お客様は感じてくださるだろう。この曲、前奏が長い。お客様に舞台の転換をより感じていただくために前奏の時間を使えるのでは?と閃き、ほんのちょっぴりだけれど衣装を変えることにした。ピアノの浦壁さん、Hakuju Hallの舞台監督さんとワイワイ楽しくリハーサル。
本番、早変わり無事成功しました(^_-)-☆

2曲めのアルバレス「嫉妬」は、同じハバネラでも、どこか典雅な風情。このリズムが古くは鄙びたダンス音楽だったことを思い出させる。胸にうずく嫉妬の虫を何とかして~!と愚痴り、甘え、叫ぶ歌。恋をした人なら誰にでも覚えのある内容だ。3曲め、イラディエール作曲「エル・アレグリート」は、取り組んでかれこれ5年、リサイタルで歌うのは3回目、昨秋リリースしたCD「スペイン浪漫」にも収録。「カルメンの元歌ですね」と、お客様にお馴染みの曲になった。オペラ畑の方にも興味を持っていただけるのが嬉しい。そして締めは、世界に誇るハバネラの名歌「ラ・パロマ」。この曲、今回はこれまでにも増して人気でした。大好きな曲!歌っている私も癒されます。

ハバネラの王様イラディエール生誕210年に捧げた第2ステージ。天上のマエストロは喜んでくださっているかしら?


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by Megumi_Tani | 2019-05-27 23:26 | リサイタル | Comments(0)

519♪ ラ・パロマ   

スペイン浪漫Ⅳ』第2ステージ「ハバネラの時代」を締めくくるのは、イラディエールの最高傑作「La paloma~ラ・パロマ」。既述の「エル・アレグリート」のような添え書きは一切不要。19世紀半ばからずっと世界で愛されているハバネラの名曲だ。

ハバナの港を去る船乗りが、たったひとり見送りに来た娘に「俺を忘れないでおくれ」と歌う別れ歌。しかしその曲調のなんと長閑で愛おしいことよ!ゆったりと揺れるリズム:ハバネラに導かれ、21世紀に生きる私達の心は、いつのまにかセピア色に霞む古き佳き時代、19世紀に旅をする。ハバナよ、ハバネラよ、お前を忘れはしない、と歌の主人公の船乗りよろしく、思わず呟いてしまう。。。

クラシックとポピュラー、その境界を自由自在に行き来する何ともチャーミングな歌。
世界的大ヒット曲らしく、歌のほかにも様々な楽器による演奏で愛されてきた。






「光と影」「生と死」「黒と赤」…凛とした対照の妙が魅力のスペイン。
第1ステージから第2ステージは、真摯な祈りから熱く粋な恋歌へ。「聖と俗」のコントラストをお楽しみいただきたい。

第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ』
2019年5月19日(日)午後2時開演
会場:Hakuju Hall
チケット好評発売中!
詳細は、HPをご覧ください⇒『スペイン浪漫Ⅳ
ご来聴をお待ちしています♪
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by Megumi_Tani | 2019-03-03 21:31 | リサイタル | Comments(0)

519♪ カルメンの元歌   

《カルメン「恋は野の鳥」の元歌》
セバスティアン・イラディエール作曲「エル・アレグリート」を語る時、この添え書きは外せない。元歌って??と思われた方も、冒頭のメロディーをひと聴きすれば、そのあまりのそっくり度に仰天されるだろう。



19世紀半ば、演奏旅行でキューバを訪れたイラディエールは「ハバネラ」に夢中になり、このリズムによる歌曲を沢山書いた。先日のブログでご紹介したように、「異国情緒豊かなハバネラ」は、いつの間にか「異国情緒豊かな国スペインの音楽」となり、スペイン国内よりも国外で人気を博した。ハバネラの帝王として売れっ子になったイラディエールの作品は、当然、お隣りの国フランスの都パリでも繰り返し流れていたに違いない。そのなかの一曲「エル・アレグリート」をスペインの民謡?俗謡?と思い込み、その旋律を生かし、超一流のアリアに仕立てたのが、ジョルジュ・ビゼーだ。

イラディエールの旋律によるインスピレーションが無ければ、名アリア「恋は野の鳥」は生まれなかった。しかし一方、天才ビゼーの手にかからなければ、この半音ずつずり下がるコケティッシュなメロディーは、どこぞの街角で束の間流行り、やがて忘れ去られていただろう。「カルメンの元歌」の添え書き付きで、細々と、かろうじて生き長らえている「エル・アレグリート」に、イラディエールは苦笑しているだろうか?

他愛もない恋の駆け引きを歌う「エル・アレグリート」。歌詞は、男女の掛け合いになっている。絵的には、こんな感じ。

これを、一人二役で歌うことになる。ああでもない、こうでもないと、誘ったり、誘われたり、信じる、と言ったり、信じられない、と言ったり…。

一念発起して取り組んで約5年。私の中でヨチヨチ歩きだった「エル・アレグリート」がお年頃?に成長した感がある。歌は生きものであること、どんな作品でも丁寧に育てることの大切さを、あらためて実感する。

イラディエール生誕210年。天上のマエストロに捧げて、2019年の「エル・アレグリート」を歌ってみたい。

第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ』
2019年5月19日(日)午後2時開演
会場:Hakuju Hall
チケット好評発売中!
詳細は、HPをご覧ください⇒『スペイン浪漫Ⅳ
ご来聴をお待ちしています♪

同じ掛け合いでも、こちらはMuy Cuba!


by Megumi_Tani | 2019-02-27 22:32 | リサイタル | Comments(0)

519♪ ハバネラの時代   

5月19日『スペイン浪漫Ⅳ』敬虔な祈りを捧げる第1ステージから、第2ステージは、19世紀半ばの街角に一気にワープ?していただく。

当時のスペインではイタリア語によるオペラがもてはやされていた。スペイン人作曲家もイタリア語の台本を用いて作品を書いていたというのだから驚きだ。スペイン発のものといえば、サルスエラか。音楽と台詞で構成される歌芝居サルスエラは、発祥の頃の重厚かつ壮大なスケールからコンパクトかつ人情味あふれるスタイルに姿を変え、19世紀半ばから20世紀にかけて大流行した。そんな時代に、異彩を放っていたのが「ハバネラ」だ。

ハバネラのルーツは、フランスのコントルダンスにあるとされる。それが、フランス支配下のハイチに渡り、革命の影響でキューバに伝わり、首都ハバナ(Habana)で大流行。ハバナの音楽⇒ハバネラ(Habanera)が誕生した。ちょうどこの頃、演奏旅行でハバナを訪れたセバスティアン・イラディエールは、ハバネラに魅了され、帰国後、ハバネラのリズムによる歌曲を次々と発表した。

この経緯から分かるように、ハバネラはスペイン生粋のものではない。船に揺られて遥か海の彼方からやって来た、当時のイケてるリズムだったのだ。ところが、海外では、その独特の婀娜っぽい異国情緒がいつのまにスペインの強烈な個性のひとつと捉えられるようになり、多くの作曲家が「異国情緒あふれる国スペイン」に想いを寄せて作品を書いた。その極め付けが、ビゼー作曲オペラ『カルメン』だ。

カルメンが歌う「恋は野の鳥」は、もしかすると世界一有名なアリアかもしれない。その元歌が、第2ステージで歌うイラディエール作曲「エル・アレグリート」だ。この歌い難くも(笑)チャーミングな曲については、また次回。

ハバネラについては、「ときめきのハバネラ」@インスティトゥト・セルバンテス東京、「知られざるハバネラの魅力」@毎日メディアカフェのページもご参照ください。

第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ』
2019年5月19日(日)午後2時開演
会場:Hakuju Hall
チケット好評発売中!
詳細は、HPをご覧ください⇒『スペイン浪漫Ⅳ
ご来聴をお待ちしています♪

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by Megumi_Tani | 2019-02-23 22:12 | リサイタル | Comments(0)

11月8日朝刊に掲載されました♫   

11月8日付毎日新聞朝刊に、「毎日メディアカフェ『知られざるハバネラの魅力』 」の記事が掲載されました。ご参加くださった皆様、お世話くださった毎日メディアカフェの皆様に、あらためてお礼申し上げます。

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by Megumi_Tani | 2018-11-08 11:03 | 講座/セミナー | Comments(0)

『知られざるハバネラの魅力』毎日メディアカフェ   

早いもので、アッと気が付くともう11月。今年も残すところ2ヶ月になりました。朝晩めっきり冷え込むようになりましたが、皆様、お元気にお過ごしでしょうか。

先月末の30日、毎日メディアカフェ『知られざるハバネラの魅力』が終了しました。
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ハバネラの歴史、ハバネラの王様イラディエールの生涯、カルメン「恋は野の鳥」と元歌「エル・アレグリート」の関係、名曲、佳曲、様々に姿を変え、世界に広がったハバネラの魅力etc。合間に、ハバネラのリズム練習♫も交えて、楽しいひとときが過ぎました。
FaceBook「毎日メディアカフェ」に紹介された文章をHPでご紹介しています。

なんと!今回で4回目の登壇でした。スペイン歌曲というかなり珍しい?ジャンルを連続して採り上げてくださる毎日メディアカフェさんに、心から感謝です。スタッフの方々のサポートがまた熱く、温かい!当日会場には、いっぱいのお客様。リピーターの方々に加えて、今回初めてご参加の方も多く、後日嬉しいコメントが寄せられました。こうしてスペイン歌曲に触れてくださる方が少しずつでも増えてくれることを本当に嬉しく思います。

会場で9月リリースの新譜CD《スペイン浪漫》を販売。売り上げの一部を、北海道胆振東部地震に寄付させていただきました。お買い上げ、ご協力くださった皆様、ありがとうございました。
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by Megumi_Tani | 2018-11-02 23:12 | 講座/セミナー | Comments(0)

来週です!『知られざるハバネラの魅力』   

昨日10月25日は、ビゼー生誕180年の記念日でした(1838年10月25日~1875年6月3日)。ハバネラといえば『カルメン』、ハバネラ史上、決して忘れられない作曲家です。しかしそのカルメンのアリアにはスペインの元歌が…。

「ハバネラ」の源流、歴史、多彩な顔を探る「毎日メディアカフェ」
来週火曜日、10月30日開催です。入場無料。残席多少あり。今からでもお申込みOK。
お時間ある方、ぜひどうぞ。

毎日メディアカフェ知られざるハバネラの魅力
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by Megumi_Tani | 2018-10-26 10:13 | 講座/セミナー | Comments(0)

スペインと『カルメン』   

オペラ・キュレーター井内美香さんが主催されているオペラ勉強会『みんなでオペラ』に参加させていただいた。テーマは「カルメン」。二年前に続く二度目の登場だ。さすが人気オペラ!一度目の様子⇒「カルメン勉強会

今回は、フランスオペラにおける『カルメン』という視点で、歴史、内容、ビゼーの他の作品について等々を分かり易くお話くださった。井内さんお手製の♥入り登場人物相関図も楽しい!『美しきパースの娘』の緊張感溢れるシーン、二つのバージョンの『カルメン』のいずれ劣らぬ奔放且つ鬼気迫るシーン、誠に見応えがある。音で描く鮮烈なドラマ、艶やかな色彩、激しく衝突する人間の性…。天才ビゼーの、まさに天才ぶりをあらためて実感した。

『美しきパースの娘』は、この曲で有名です。


昨日視聴した『カルメン』のひとつ。フィナーレ

そこで、あらためて考えさせられた。スペインにとって、『カルメン』とは何なのだろう?と。

このオペラが書かれた19世紀半ば、音楽界では「スペイン」が大流行していた。異郷スペイン、魅惑の国スペイン、光と影の国スペイン…。リスト、ラロ、シャブリエ、リムスキー・コルサコフetc。ヨーロッパやロシアの名立たる音楽家達がこぞって「スペイン風」の作品を発表、その筆頭に挙げられるのが『カルメン』だろう。

カルメンは、ヒターナ(gitana):ロマの女だ。セビーリャを舞台にした、魔性のロマの女と実直なバスク男とのドラマティックな恋愛悲劇。しかし、カルメンがロマだということはあまり認識されず、スペイン人女性は皆カルメン、とでもいうようなある種ステレオタイプ的イメージが出来上がっている。日本人女性が皆、お蝶夫人ではないように、スペイン人女性が皆、魔性の女カルメンであるはずがない。井内さんも挙げておられたが、『マノン・レスコー』『サロメ』はたまた『痴人の愛』等々、洋の東西を問わず、魔性の女は存在する。

更に、オペラには、ロマの仲間達、占い、酒場、闘牛士、誘惑、恋、裏切り、嫉妬、殺人etc、何とも怪しげな要素が、これでもかこれでもかと盛り込まれている。観客は否応なしに妖しくも謎めいた魅惑の国スペインに誘われる仕掛けだ。

フランス人による、つまり外国人による原作、台本、作曲だからこそ、ここまで極端な作品が出来たのかもしれない。しかもその作品の出来が超一流と来たから、たまったものではない。オペラ『カルメン』を通した「スペイン像」「スペイン女像」がすっかり世に定着してしまった。

その『カルメン』を貫く情熱はそのままに、その凛々しさもそのままに、人間の喜怒哀楽を真っ直ぐに歌うスペイン歌曲の世界がある。決して極端な何かではない、市井の人誰もが心に知る想い(喜び、哀しみ、嘆き、憧れ、諦め、願い、祈りetc )を飾らず、潔く、しかも端正に歌う。その存在は、艶やかな大輪の華オペラ『カルメン』を前にするといかにも小さく儚いが、だからこそ大切にお伝えしたいと、あらためて強く願う。

冠婚葬祭の時にしか会わない遠い親戚?(笑)のようだった『カルメン』をグッと身近に感じさせてくれたのが、ここ数年取り組んできたイラディエール作曲「エル・アレグリート」だ。新しいCD「スペイン浪漫」にも収録されている。ぜひお聴きいただきたい。

10月30日開催「毎日メディアカフェ」でも、この歌のお話をします。

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お申込み受付中!
10月30日(火)午後6時30分
どなたでも参加できます。入場無料・要事前お申込み
お申し込みはこちら ⇒ 2018年10月30日のイベント

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by Megumi_Tani | 2018-10-21 00:39 | Musica あれこれ | Comments(0)

毎日メディアカフェ『知られざるハバネラの魅力』   

来たる10月30日(火)「毎日メディアカフェ」に4回目!の登壇をさせていただきます。
題して谷めぐみのスペイン歌曲~知られざるハバネラの魅力

ハバネラの歴史、隠れたエピソード、珍しい作品など、その魅力をたっぷり味わいます。会場は、MOTTAISAISTAION内「毎日メディアカフェ」(毎日新聞東京本社ビル)。
事前にお申込みされれば、どなたでも参加できます。ハバネラに揺れるひとときをご一緒しましょう♪ご参加をお待ちしています!

お申し込みはこちら ⇒ 2018年10月30日のイベント
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by Megumi_Tani | 2018-09-18 21:17 | 講座/セミナー | Comments(0)

〈エル・アレグリート〉考   

このブログでも何度か登場した、セバスティアン・イラディエール作曲〈El arreglito~エル・アレグリート〉という作品がある。ジョルジュ・ビゼー作曲オペラ《カルメン》の有名なハバネラの元歌とされる歌曲だ。
Programa ご案内「エル・アレグリート」
1119♪ カルメン〈恋は野の鳥〉の元歌です

昨日放送されたNHK-FM『オペラ・ファンタスティカ』のなかで、《カルメン》と〈エル・アレグリート〉について、オペラ研究家の岸純信先生が詳しくご紹介くださった。
世界的大人気オペラ《カルメン》に関する情報は溢れているが、併せて〈エル・アレグリート〉が採り上げられる機会は極めて少ない。貴重な番組だった。

《カルメン》やビゼーについては、岸先生のご著書「オペラは手ごわい」もぜひどうぞ。

作曲家、ピアニストとして名を成したイラディエールはパリへ行き、ナポレオン三世皇后の音楽教師にまで昇りつめた。スペインからやってきた人気音楽家ということで、社交界にも出入りし、ロッシーニやメリメとも交流があった。よもや後に、メリメ原作のオペラにイラディエール作曲の旋律が使われることになろうとは!

ビゼーはピレネーを越えたスペインの、それもフランスにほど近いバルセロナや首都マドリードではなく、ずっと南のセビーリャに思いを馳せて《カルメン》を作曲した。イラディエールは旅したキューバが忘れられず、かの地のリズム:ハバネラによる歌曲を山ほど書いた。そういえば、メキシコ人作曲家アウグスティン・ララが一度もスペインへ渡ったことがないまま〈グラナダ〉を作曲した話は有名だ。グラナダ!我が夢の大地よ!と声高らかに歌い上げるあの曲は、ララ本人の夢そのものだったというわけだ。

遥かなる地への憧れ。それは、人の心を突き動かす大いなるエネルギーのひとつなのかもしれない。

〈エル・アレグリート〉素朴なかけあい版

〈エル・アレグリート〉子ども用版 歌詞無し

三大テノールとなっていますが、なぜかドミンゴがひとりで歌っています。

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夏期セミナー『わが心のアランフェス~ロドリーゴの魅力』セルバンテス文化センター
受講お申込み受付中!詳細はこちら⇒ 『わが心のアランフェス~ロドリーゴの魅力』

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by Megumi_Tani | 2018-06-23 23:11 | スペイン歌曲 | Comments(0)