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まだまだ残暑お見舞い申し上げます   

趣味の生徒さんにピアノを教えている。ピアノの楽しさは、大学時代の素敵なおばあちゃま教授先生が教えてくれた。モーツァルトの喜びと哀しみ、バッハの荘厳かつ透明な構築、シューマンのロマンチシズム…。「貴女は声楽科なんだから、歌うように感じて弾きなさい」とよく注意を受けたが、当時はその意味がさっぱり分からなかった。今は分かる。これも「音を感じること」を教えてくれたスペインの歌のおかげだ。

最近、お稽古に熱が入っている生徒さんがいる。一生懸命に練習してレッスンに来るので上達も早い。先日のレッスンの折、楽譜に書いてある記号その他諸々を、工夫して、工夫しすぎて行き詰っている様子なので、「もっと頭をカラッポにして、何も考えず、バカっぽく練習してください」とアドバイスしてみた。この類の言葉は注意しなければならない。「先生が私をバカだと言った」とか何とか勘違いして、突然怒り狂う人がいるからだ。聡明な彼女にそんな心配はないが、それでもややポカンとした表情だった。ところが翌週レッスンにやって来て「なるほど!でした。先生の仰るとおり頭をカラッポにして練習したら、動かなかったフレーズの指が動くようになりました」とのこと。良かった!

基礎練習は、ある意味単調なものだ。いろいろな要素をいったん排除し、同じ発声、同じフレーズを、ひたすら繰り返す。どんなに美しい旋律も繊細な感情表現も、その土台無しにはありえない。ちょうどケーキのスポンジ台のようなものだ。クリームやチョコレートでどんなにきれいにデコレーションしても、土台のスポンジがきちんと焼けていなければ、ケーキはグチャリと潰れてしまう。

イチロー選手が毎日同じ時間に同じカレーを食べ、他の選手より何時間も早く球場入りしてウォーミングアップする話は有名だが、あのスーパースター、マドンナも、これでもか、これでもか、と、ダンスの練習を重ねるという。世界を席巻する天才達にしてこれだ。凡才、凡夫の我ら、練習なくして何をや為せる?

練習の大切さは「基本のキ」、分かっていても、いつも楽しいわけではない。どうしようもなく歌うのが億劫なこともある。歌えば歌うほど気が滅入り、体力を消耗し、練習が終わるとそのままバタンと倒れこんでしまうこともある。それでも、やっぱり練習する。良い時も悪い時も変わらない、不動の何かが必要だ。出来る限り頭をカラッポにして、ただ無心に歌うことを目指す。昨日出来なかったフレーズが今日歌えたり、それまで気づかなかった歌の心が閃いたりすることがある。ヤッター!気分は急上昇!そんな時は疲れなど一気に吹き飛んでしまう。

積み重ねよう「基本のキ」、迷った時には「頭カラッポ」 これって、生き方にも通じるのかな?
それにしても…なんでもいいから、早く涼しくなって!

by Megumi_Tani | 2010-08-23 09:38 | エトセトラ | Comments(0)

分身の術?   

夏と秋のコンサート。この二つのプログラムは似て非なるものなので、準備する曲の数がかなり多い。故郷・北海道では「もののけ姫」「いつも何度でも」「遠くへ行きたい」など日本の曲も歌う。東京のプログラムは選りすぐりのスペイン歌曲を集めた。練習、また練習である。

加えてコンサートの準備には、際限の無い雑用がつきものである。イルカ(あの”なごり雪”で有名な)の亡くなったご主人は、「歌い手は歌に専念しなさい」と言って、音楽以外の事は一切彼女にさせなかったとのこと。うらやましい!

もちろん通常の仕事もある。クラスで歌う新しい曲の楽譜を作らねば。退院したばかりのあの生徒さんの具合はどうだろう?そういえば伴奏を考えなければならない曲がある。なぜ今?という人から手紙が届く。急に暑くなった。衣替えは済んでいただろうか?約束の原稿を今日中に書き終えねば。明日は誰と会うことになっていたっけ…etc。

「好きなことが仕事で幸せですね」と、よく言われる。確かにその通り、その通りなのだが…あぁ”私”が5人くらいほしい!

by Megumi_Tani | 2009-05-12 08:39 | エトセトラ | Comments(0)