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タグ:第20回リサイタル ( 20 ) タグの人気記事   

小さな美術館   

Facebookに「写真アルバム」のスペースがある。ふと思い立ち、ここ数年のリサイタルのプログラムとCDの画像を並べてみた。
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リサイタルは今年で22回目。自分でも信じられない。よく続いてきたなぁ…と思う。前も後もない、ただその一回に賭けて無茶苦茶に突っ走る私を、たくさんの温かい心が支えてくれた。美しいデザインの背景に、お世話になったたくさんの人の顔が浮かぶ。
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その一期一会のコンサートをギュッと凝縮したライブCD。いつも事前の計画は無し。本番が終わってから、作りましょうか、ということになる。猪突猛進女の私は、そんな計画があったら、歌えないのだ…。おかげ様で、「スペインの熱情の果て」「スペインわが心の歌」は完売。ありがとうございましたm(__)m
「清子様に捧げる曲」は、元ホンジュラス大使・竹元様にお声をかけていただいた貴重な作品だ。

日々バタバタと走り回るなかで、これらをわざわざ眺める機会はほとんどない。あらためて取り出してみると、どれもデザイナーさんの力作ばかり。小さな美術館のようだ。知らないうちに、優雅なコレクターになっていた気分!

by Megumi_Tani | 2013-03-19 23:32 | エトセトラ | Comments(0)

『魂の歌』   

アンケートの中で、『鳥の歌』とともに、F.モンポウ『魂の歌』についても多くの方が感想を書かれていた。「曲のタイトルどおり、魂に触れました」「教会で聴いているような気がしました」「涙が出て困った」等々…。

歌詞は、16世紀スペインの神秘思想家サン・フアン・デ・ラ・クルスによる。難解な言葉をひとつも使わずに神を讃え上げた詩は易しくて難しい。

その世界をより深く捉えるべく、あれこれ試行錯誤していたときに、たまたま友人に薦められたのが『海のカテドラル(La Catedral del Mar)』だ。
http://megumitani.exblog.jp/12933289/
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分厚い文庫本上下二巻の長編だが、懐かしさも手伝い、一気に読み終えた。中世バルセロナ、そして“海の聖母教会”を舞台に繰り広げられる波乱万丈の歴史ドラマ。テーマとして貫かれているのが聖母マリアへの信仰だ。主人公アルナウは数奇な運命に翻弄されながら、いつもマリア様を仰ぎ、語りかける。かたや弟のジュアンは、進学して修道士となりながらも迷い苦しみ、最後には己の身を炎で焼き尽くして果てる。

アルナウの信仰は理屈ではない。勉学でもない。母親を知らずに育った彼は、マリア様を母と慕い、どんな時にも海の聖母像を見上げ、祈る。その素朴な心、見えない光に輝く心に触れたとき、ふと『魂の歌』のベールが一枚はがれた気がした。「たとえ暗闇でも私にはわかる」と繰り返す、その詩が、ほんの少し感じられる気がした。この時期にこの本にめぐり会えたことが不思議にもありがたかった。

ア・カペラとピアノ・ソロという緊張感に満ちた構成、そして詩の奥に秘められた真意。『魂の歌』は難曲だ。アルナウに習い、素直な心で、生涯追い求めていく作品なのかもしれない。

by Megumi_Tani | 2010-10-12 09:11 | リサイタル | Comments(0)

「鳥の歌」聴き比べ   

リサイタルの感想が寄せられている。当日会場でお配りしたアンケートにも大勢の方が答えてくださった。お客様のナマの声は何よりの励み!ありがとうございます。

プログラムで3種類、加えてアンコールで2種類。ひとつのコンサートの中で、“鳥の歌”を五つの異なったアレンジでお聴きいただいた。各々の世界のイメージは…
♪荘厳な鳥の歌
♪星降る夜の鳥の歌
♪悲しみの鳥の歌
♪心やさしい鳥の歌


そしてコンサートの最後に歌ったア・カペラ&ハミングの“鳥の歌”に、ファンの方が命名してくれた。
♪天上からの鳥の歌

「私は“星降る夜の鳥の歌”が好きでした」「私が好きなのは“心やさしい鳥の歌”です」
皆さん、こちらがお尋ねする前に、ご感想を仰る。
「“鳥の歌”が創りだすいくつもの世界を聴き比べていただきたい」…プログラムに込めた私の願いを受け止めていただけたようで、嬉しい。

by Megumi_Tani | 2010-10-06 10:50 | リサイタル | Comments(3)

魂の鳥   

リサイタル本番三日前。慌しい。しかし、意外に静かな時間が流れているものだ。

第一ステージで、F.モンポウの作品『魂の歌』を歌う。演奏者泣かせの難曲だが、16世紀スペインのキリスト教神秘家サン・フアン・デ・ラ・クルスによる詞は、この世には見えない神を讃え、気高く美しい。

同じサン・フアン・デ・ラ・クルスに、こんな作品がある。

『孤独な鳥の条件』
孤独な鳥の条件は五つ:
第一、孤独な鳥はもっとも高いところへ飛ぶ
第二、孤独な鳥は仲間にわずらわされない
        同類にさえわずらわされない
第三、孤独な鳥はくちばしを天空へ向ける
第四、孤独な鳥はきまった色をもたない
第五、孤独な鳥はやさしく歌う

「閃きました」とデザイナー氏が送ってきた今回のチラシのデザインを見た瞬間、ドキッとした。くちばしを天に向け、飛び立とうとする鳥。特定の色も形ももたず、より高く、より高く昇りゆこうとする鳥。チラシの鳥は、サン・フアン・デ・ラ・クルスの詩に詠われている孤独な鳥そのものの姿ではないか。『鳥の歌』を歌う心と『魂の歌』を歌う心はどこかで結ばれていたのか。いや、結ばれていたのではない。その源が同じなのだ…。
選曲のときには思いつきもしないことだった。デザイナー氏の閃きが不思議な気がした。

今回は、これまでにも増して、スペインの歌が私に色々なことを教え、気づかせてくれた。酷暑の夏をバテずに走り回らせてもくれた。「なんと世話が焼ける歌い手さんよ」と、歌たちの方がタメ息をついているかもしれない。

「第五、孤独な鳥はやさしく歌う」とある。いくつもの『鳥の歌』を散りばめたコンサート、やさしい鳥がいっぱいに舞ってくれることを願って!
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by Megumi_Tani | 2010-09-29 10:02 | リサイタル | Comments(0)

もう一度、完売御礼です   

10月2日チケット『キャンセル待ち終了』しました。お申込みいただいた方々、ありがとうございました。「ムム!当日券で行こうと思っていたのに」という方、ゴメンなさいもうチケットがありません。次回ぜひ!お待ちしています。

by Megumi_Tani | 2010-09-23 08:09 | リサイタル | Comments(2)

完売御礼   

朝晩ようやく涼しくなった。暑さに張りつめていた体が緩み、調子を崩していらっしゃる方も多い。何度も何度も書いたように、私は暑いのが苦手だ。それでいて、夏が過ぎ、秋の風がサーッと吹き抜けると、何ともいえず寂しい気持ちになる。「jaleo(大騒ぎ)は終わった」と心が呟く。町の秋祭りの笛や太鼓の音もどこかもの哀しい。が、今年は様子が違った。お神輿を担ぐ人も見る人も皆汗だく、夏の余韻ではなく、正真正銘の?焼けるような夏がまだ続いていた。

リサイタルまで二週間。嬉しいことに、チケット完売!である。
ありがとうございますm(__)m

「10月2日は、お客様、まだ半袖でお出かけかもしれないわね」と、半ば冗談、半ば本気で言っていたが、今日の予報では、その週から一気に「寒く」なる、とのこと。半袖どころか、厚手のジャケットが要るかもしれない。皆様、お風邪など召されず、お元気でお出かけいただきたい。白寿ホールは明るく美しい空間だ。ほんの束の間、日常を離れ、スペインの歌いっぱいの時間をご一緒に!

え~ッ!もうチケットがない!?!と驚愕されていらっしゃる方、ごめんなさい。
それでも、それでも、それでも…の方は、万が一のキャンセル待ちにご登録ください。
お問い合わせ/カノン工房 office@atelier-canon.jp  Tel:03-5917-4355(平日11時-17時)

by Megumi_Tani | 2010-09-19 07:17 | リサイタル | Comments(0)

スペインの華   

一時期、リサイタルのタイトルを「イベリアの風・スペインの華」としていた。イベリアの風が吹きぬけるようなコンサート、そこに香しいスペインの歌の華が咲き乱れる…なかなか美しい。気に入っていた。ところがあるとき、一人の女性が私の耳元で意地悪くささやいた。「自分で自分のことを『華』と言うなんて、あなたも大した心臓ね」驚いた。自分では美しい花園をイメージして歌っていたのに、実は、ただのうぬぼれ女と思われていたのか…。ゲンナリして、以来、このタイトルを使うのを止めた。げに恐ろしきは人の心よ。

10月2日の本番に向けて、ピアノ&ギターとの合わせが佳境に入った。編曲によってまったく異なる表情を見せる「鳥の歌」、敬虔な祈りの歌、透明で美しいカタルーニャの名曲、ほの暗い魂が揺れるガルシア・ロルカ採譜の古謡、これぞスペイン!の民謡…。まさに、スペインの歌の華だ。大輪のバラもあれば、小ぶりの野バラもある。端正なカラー、薄紫のトルコ桔梗、真白いユリの花。そういえば、カタルーニャの郊外には黄色いエニシダの花がよく咲いていた。

私は、花屋のおかみさん、といったところだ。こんなに綺麗な花たちを、いかに生かし、いかに咲かせるか!思案のしどころ、腕の見せどころ。おかみの私が言うのもなんだが、こんなに見事な華・花・華にはめったにお目にかかれない。見逃す、いや、聴きのがすのはもったいない機会だ。コンサートは一期一会。ひとりでも多くの方にスペインの華を堪能していただきたい。ぜひ!お出かけを。

by Megumi_Tani | 2010-09-07 07:37 | リサイタル | Comments(0)

母さんが夜なべをして…   

リサイタル当日プログラム用の原稿をやっと書き終えた。お客様の大半はスペイン語をご存じないから、私が口を必死にパクパクさせて何を歌っているのかが分からない。そこで「歌詞を日本語に訳したもの」が必要になる。しかし、うす暗いホールの客席、舞台の上では歌い手の私がキャーキャー熱演中…そんな中でじっくり文字など読めるはずがない。そこで歌詞訳は「大意」にとどめ、ちょっぴりのトークでそれを補充する。回数を重ねる中で、このスタイルが定着した。

「日本語で表現すればこんな感じです」と、歌い手本人がご紹介するのが筋だと思うので、最初のリサイタルから歌詞大意を自分で訳してきた。「言葉」というものが好きなので、訳す作業は苦にはならない。しかしこれも凝りだすと、次々と分からない点、疑問な部分がでて来る。辞書を引いたり、本やネットでを調べたり…。どうしてもダメな時には、先生に質問する。Ayúdeme!いざという時に質問できる先生がいるのは本当にありがたい。

今年はまいった。とにかく暑い!!北海道生まれの私には夏用のDNAが不足している。クーラーは苦手かつ喉の大敵なので、できるだけ避けたい。となると、昼間は暑さで脳みそがグチャグチャになり、まともにものを考えられない。夜も更けた丑三つ時、ほんの少し夜風が涼しくなった頃にやっと作業が始まるのだ。ずっと、ずっと、夜なべ仕事が続いた。フゥ~。

そういえば、「母さんが夜なべをして…」で始まる歌があった。その先は…キャア!「手袋編んでくれた」だ。しみじみと心にしみる名歌には申し訳ないが、酷暑の今、毛糸の手袋を想像しただけで汗が噴き出す。しかし、そうか。夜なべ仕事というのは元来冬にするものなのだ。

真夏の夜なべの産物⇒当日配布のプログラム。ポイと捨てずに、じっくり眺めていただきたい。

by megumi_tani | 2010-08-30 21:41 | リサイタル | Comments(2)

美味しいスペイン   

恒例のお店での恒例のワインパーティー。選りすぐりのスペインワインと、極上のお料理、そして何より、オーナー・シェフのお人柄に惹かれてお客様が集まる。お名前は存じ上げないが、毎回ご挨拶するワイン友達?も増えてきた。このパーティーで偶然再会したバルセロナ時代の知人もいる。当然のことながら、キーワードは“スペイン”、そして、やっぱり“バルセロナ”。

オーナー氏とは東京で知り合った。が、話してみれば、ちょうど同じ頃、バルセロナに住んでいた。しかも、似たエリアを歩き回っていたらしい。もしかするとカテドラルの裏あたりで、お互い知らん顔をして、すれちがっていたかもしれない。

一見してアーチスト風のお客様がいた。初めてお目にかかる方、バイラオール(フラメンコの踊り手)とのこと。なるほど、立ち姿、身のこなしがお洒落である。10月のリサイタルをご紹介すると、「スペインには、“歌曲”と“民謡”の中間に、素敵な歌が沢山ありますね」と仰る。上手い!この表現は言い得て妙だ。「スペインの歌って、クラシックですか?民謡ですか?」私の歌を聴いたことのない方、ほぼ100%から発せられる質問への適確な答えになっているかもしれない。「小粒な曲が多いけど、キラリと光っているんですよね」と、再び、バイラオール氏。これもまた上手い!そうなのだ。もちろんスペインの歌のジャンルには、オペラ「ゴィエスカス」「はかなき人生」のアリアのような大曲もある。しかしその大半は、あふれる情熱をギュッと凝縮し、その光と影を、粋に、凛々しく、そしてどこか儚く、語り、歌う作品である。歌に秘められた心は、不器用なほど真っ直ぐで、愛おしい。時折、グランドオペラ風に仰々しく演奏されるスペイン歌曲に遭遇することがある。正直、唖然としてしまう。

夜も更け、濃い目のエスプレッソで宴は終了。友人達と店を出た。オーナー氏と奥様が手を振って見送ってくれる。少しだけ風が涼しい。炎暑と戦いながら、リサイタルに向けて、ひたすら練習の日々。束の間の“スペイン”が、心と体を充電してくれた。

by Megumi_Tani | 2010-08-12 10:09 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

やっぱり体育会系   

今日は立秋…。しかし、暑い。とにかく暑い。「暑い」というより「熱い」と書きたいくらいだ。猛暑、酷暑、炎暑…今年は「激暑」なる言葉も登場したそうな。北海道でも37℃が出た。日本列島が燃えている。

そんな中、昨日もギターと伴奏合わせ。ああだこうだと言いながら、譜面を読み込み、音を出し、ひとつひとつの曲を作り上げていく。二時間や三時間はアッという間に過ぎる。ギターに高温多湿は禁物、しかしクーラーは喉の大敵、室温は高めの設定。練習が終わる頃には二人とも汗だくだ。繊細な曲作りも、最後は体力勝負。そういえば、去年の夏も似たようなことを書いた。http://megumitani.exblog.jp/10890913/ やはり、音楽家は体育会系である。

合わせも終盤、暑さと長時間の集中で、やや意識朦朧。そこに現われた破壊的な和音に辟易していると、ふと声が聞こえた気がした。「その音です。しっかり演奏しなさい」壁の写真のイエペスがこちらを見て笑っている…。まさか…。

by Megumi_Tani | 2010-08-07 07:47 | リサイタル | Comments(0)