タグ:鳥の歌 ( 19 ) タグの人気記事   

二つの「鳥の歌」~CD『スペイン浪漫』   

CD『スペイン浪漫』には、二つのバージョンの「鳥の歌」が収録されている。

カタルーニャ民謡「鳥の歌」は、国連でのカザルスの演奏をきっかけに、単にクリスマスの歌としてだけではなく、平和への祈りの象徴の曲として、世界中に知られるようになった。渾身の声を振り絞って「ピース!ピース!」と訴えるカザルス。2018年の今、この演説が行われた1971年当時より何かが危い気がするのは、私だけだろうか。。。


小さな歌い手の私にとっても、「鳥の歌」はずっと掛け替えのない存在だった。
バルセロナで初めてレッスンを受けた際、ついカザルスのイメージで朗々と?歌おうとすると、「メグミはソプラノ。カザルスのチェロの真似をしても何の意味もないい。メグミはメグミの「鳥の歌」を歌いなさい」と師に諭された。なるほど。歌うとはそういうことか…。大歌手のレコードを聴き、耳で覚えて必死に真似?をする…。日本でそんな勉強の仕方しか知らなかった私には、まさに目からうろこ、初めて「歌う」ことの本質を教えられた瞬間だった。

帰国以来、これまで26回のリサイタルすべての最後を「鳥の歌」で締めさせていただいた。えもいわれぬ憂いを秘めたメロディーは、舞台と客席の境を越え、歌い手である私とお客様の心をひとつにしてくれる。2010年には「鳥の歌づくし」のリサイタルを開催。ご好評をいただいた。「第20回リサイタル《鳥の歌》」「魂の鳥

今は無きカザルスホールでの客席で、背中を押してくれたのも「鳥の歌」だった。
忘れられないリサイタル

書き出せばキリがない。それほどに大切な「鳥の歌」だから、今回のCDでは、ぜひ私が歌っている二つのバージョン両方を収録したいと思った。1枚のディスクに二つのバージョンの同じ歌、というのは、なかなか珍しい。しかも「ライブCDリサイタル」らしく、カタルーニャの名曲が終わったところでひとつ、全プログラムの最後にひとつ、と並べてみた。ぜひ聴き較べをお楽しみいただきたい。
        
       『スペイン浪漫~谷めぐみスペイン歌曲ライブCDリサイタル
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ふと思い立ってこのブログを書き、ふと調べてみると、8年前の今日、2010年10月6日に、こんな投稿をしていた。人間の「ふと」の力は折々不思議だ。「鳥の歌 聴き較べ
このブログの中にあるハミング「鳥の歌」は、HPでお聴きになれます。
谷めぐみの部屋

CD収録のひとつめ、マヌエル・ガルシア・モランテ編「鳥の歌」
80年代のテレビ?でしょうか。音も映像もイマイチですが、歌はビクトリア・デ・ロス・アンへレス、ピアノは編曲者であるマヌエル・ガルシア・モランテ本人です。



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お申込み受付中!
10月30日(火)午後6時30分
どなたでも参加できます。入場無料・要事前お申込み
お申し込みはこちら ⇒ 2018年10月30日のイベント




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by Megumi_Tani | 2018-10-06 17:40 | CD | Comments(0)

Villancico あれこれ   

どういうものか、今年はいつもよりVillancicoが気になります。クラスで「El tamborilero」や「Noche de Paz」をお稽古したから、でしょうか?Villancico~ビリャンシーコとは、クリスマスの歌のこと。元々は、villano=村人の歌を意味していたけれど、いつの頃からか、クリスマスの歌の呼び名になりました。スペインで最も知られたビリャンシーコは、何といってもこれ!「Campanas de Belen」

ほかにも、あの歌、この歌、と、探していたら、大メドレーを発見!ビリャンシーコに加えて、世界中のヒット・ナンバー・スペイン語版が次々と登場します。大掃除がはかどりそう?070.gif


ダンスにくたびれたら、こんな可愛らしい癒し系003.gif


合唱版「聖母の御子」


「鳥の歌」モンセラート修道院聖歌隊


美しい!16世紀「ウプサラの歌曲集」より


あれこれ探索するうちに、やはり最後は、ビクトリア・デ・ロス・アンへレスにたどり着きました。「歌い手」を越え、「人間」ビクトリアが歌う歌。永遠の憧れです。

「ヨセフとマリア」@カタルーニャ音楽堂

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by Megumi_Tani | 2016-12-25 14:02 | スペイン音楽 | Comments(0)

¡Feliz Navidad!2015   

第7回 教養講座 「RTVEで追うスペインの民主化 」@日西翻訳通訳研究塾、年内最後の講義が終了した。

今回の講座は、スペインで実際に制作されたドキュメンタリー映像を見ながら塾頭先生が解説、講義してくださる。このドキュメンタリーが興味深い。当時のお宝的あるいは衝撃的ニュース映像、政界の大物たちへのインタビュー、時代を映したテレビ番組、コマーシャル、流行していた歌、街の人々の声etc。極めて貴重な、しかし、ある意味種々雑多な内容が、あまり整理整頓されることなくギュッと詰め込まれている。この混沌さ加減が親近感を誘う。そもそもこんな番組を作ってしまうところがスペインだなぁ、と、感心する。

新しい時代のシンボルといわれた歌手Cecilia。人気絶頂だった1976年、交通事故で急死した。シンプルな歌詞が、実はなかなか意味深い。


さて数日前、駅前で偶然、知人を見かけた。「Hさん!」と呼びかけようとして思わず声を飲み込んだ。彼女が思いつめた様子で一点を見つめていたからだ。視線の先にあるのは、年末ジャンボ宝くじ売り場。買おうか買うまいか、あるいは、買うなら何枚にしようか、きっと考えているのだ。これまで見たことのない彼女の真剣なまなざし。とても声などかけられない。そっとその場を離れた。私自身は、そういうくじ運はゼロなので、買おうと考えたこともない。でもどうなのだろう?買わなければ当たる確率も発生しないわけだから、買おう!と考える方がより積極的生き方なのかしら???

2015クリスマスくじ物語~Jusutinoは、マネキン工場で働いています。


そんなこんなで、今年も暮れていきます。残すところあと1週間。どうぞ皆様、穏やかな年の瀬をお過ごしください。
¡Feliz Navidad!


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by Megumi_Tani | 2015-12-24 00:42 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

献歌   

とある方とのお別れに寄せて




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by Megumi_Tani | 2015-09-20 00:39 | 思い&想い | Comments(0)

Programa ご案内「カタルーニャの歌」   

「スペインは民謡の宝庫である」とは、よく言われるところだが、スペインの民謡は、私たち日本人が漠然と考える以上の意味をもつ。スペインという国が大いなる自治州の集まりであること、さらに言えば、この自治州各々が各々ひとつの国だった、という歴史にその理由がある。各々の地方とは各々の国であり、各々の民謡とは各々の言語で歌われる各々の国の歌である。だからスペインの人達は、己の国の歌~民謡を大切にする。

歌曲の分野でもその精神が生きている。もちろん個人による差はあるが、多くの作曲家が「スペイン語」以外に、自らが生まれた土地の言語の詩による歌曲を残している。

ひと言で「スペイン」と言っても、自分に縁があった場所がどこであるかによって、そのスペイン像は大きく違ってくるだろう。

というわけで、私は、スペイン語の歌曲に加えて、ご縁をいただいたバルセロナ、つまりカタルーニャの民謡やカタルーニャ語の歌詞による歌曲を歌うようになった。いわゆる「スペインの熱さ」を秘めつつも、柔らかな抒情に満ち、豊かな色彩を放つ歌の数々は、地中海への郷愁を駆り立てる。そして「鳥の歌」を歌う時、あぁこの歌に出会えて幸せだった、と、思う。

今回のプログラムでお聴きいただくカタルーニャの歌は三曲。カタルーニャ音楽界の重鎮だったE.トルドラの「さだかならぬ歌」は、そのタイトル通り、パステル画を思わせるピアノ・パートを縫うように、ゆらゆらと歌の旋律が流れていく。「恋人が言いました」は、師マヌエル・ガルシア・モランテの作品。独自のどこか不条理に満ちた愛が囁かれる。「予言の鳥」は、永遠のロマンティスト・E.グラナドスの面影を髣髴とさせる作品。翳りのある美しいピアノが彼のショパンへの憧れを想起させる。


              谷めぐみ30周年記念リサイタル
           《スペイン わが心の歌

          2015年10月17日(土)午後2時開演@Hakuju Hall
           プログラム詳細、チケットご購入はこちら ↓↓ 
          
 《谷めぐみの部屋~Sala de Megumi Tani》

               ご来聴をお待ちしています

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母なるマリアに」 「心よ、ともに悲しもう

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by Megumi_Tani | 2015-08-21 19:58 | リサイタル | Comments(0)

『鳥の歌』@チャリティーコンサート   

とある教会で開かれたチャリティーコンサートに出かけた。
ご聖堂に、バッハの「Bist du bei mir」「無伴奏チェロ組曲」、ヴィタリ「シャコンヌ」、アルビノーニ「アダージョ」、サン・サーンス「アベ・マリア」etc。名曲が響き渡る。
演奏者の方々(メゾソプラノ、ヴァイオリン、チェロ、オルガン)が素晴らしい。第一級の演奏を、静かに、熱く、真摯に、聴かせてくれた。音楽はパシオン(受難:すべてを受け入れる)の光。あらためて実感する。

プログラム後半、チェロとオルガンで「鳥の歌」が奏された。前奏のトレモロが鳴り、朗々とチェロのメロディーが歌う。カザルスの吐息が聴こえる気がした。

それにしても、と、いつも思う。バルセロナへ渡らなければカタルーニャ語で「鳥の歌」を歌うことはなかっただろう。思うところあって暫く休んでいたリサイタルの再開を決心させてくれたのも「鳥の歌」だった。2010年には「鳥の歌づくし」のリサイタルを開いた。よくもまぁこんなプログラムを、と、歌う私も呆れるほどだったが、「鳥の歌」の深い宇宙をお客様と一緒に旅したような、かけがえのない時間になった。

不思議な曲だ。人生の折々にふっと現れ、遠い彼方を真っ直ぐに見つめさせてくれる。


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by Megumi_Tani | 2015-05-31 21:44 | スペイン歌曲 | Comments(0)

カタルーニャ愛 en Japó   

日本カタルーニャ友好親善協会のテルトゥーリアにお邪魔した。いつもお知らせをいただいても、なかなか時間の都合がつかない。今回は開演ギリギリにかろうじて会場にたどり着くことが出来た。空席にすべりこむと、斜め前の席には、先日のカサマイヤでの「カタルーニャの食と音楽を味わう会」でお目にかかったKさんの姿が。サロンはほぼ満員の盛況だ。

田澤耕先生の講演のあとは、CAVAとタパスで、にぎやかにお喋り。それにしても、皆さんのカタルーニャ愛は熱い。カタルーニャ語のクラスに通い、カタルーニャ文学を読み、カルソッターダ(長ネギを丸ごと焼いて独特のソースで食べる、カタルーニャの風物行事)を体感するためにカタルーニャまで出かけてしまう。Kさんは、カサマイヤでの私の留学時代の話に「ライエターナ!」と絶妙のタイミングで合いの手を入れ、その後に歌ったカタルーニャ民謡『聖母の御子』の歌詞に出て来る「mel i mató (蜂蜜とカッテージチーズ)」に「メリマト、大好きです」と、顔をほころばせた。カタルーニャ好きの方にカタルーニャの歌を聴いていただけるのは幸いなことだ。今年のリサイタルでも、ぜひお楽しみいただきたい。

私はたまたまご縁があってバルセロナに渡り、バルセロナが大好きになった。これが別の街だった場合、どうだったのだろう?と、ふと思うことがある。マドリードだったら?グラナダだったら?サンティアゴ・デ・コンポステーラだったら?あるいはバスクだったら?…。住めば都で、そのどこかの街をやはり好きになっていたのかもしれない。しかし、行った先がカタルーニャでなければ、スペイン歌曲のほかに、カタルーニャの歌、というレパートリーを得ることはなかっただろう。「鳥の歌」をカタルーニャ語で歌う、という天恵に浴することもなかった。

たまたまご縁があって、の、この「たまたま」が、なかなか意味深いものであることを、折々実感する。

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by Megumi_Tani | 2015-03-28 20:46 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

鳥の歌@カサマイヤ   

3月1日夜、『カタルーニャの食と音楽を楽しむ会』が開かれました。「目から耳から舌から、五感でカタルーニャを感じていただきたい」と、Tomokoシェフが企画した今回の会。氷雨降りしきるあいにくのお天気にもかかわらず、ご予約のお客様全員が駆けつけ、カサマイヤは熱気に包まれました。
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シェフのインタビューにお応えして、スペイン歌曲との出会い、バルセロナでの生活等々をお話した後、バルセロナ市庁舎にある由緒ある百人会議の間で開かれた『日本民謡集出版記念演奏会』での「さくら」の演奏録音をお聴きいただきました。三十年前!の歌声、留学時代のかけがえのない思い出です。
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ちなみに、世にも稀なる?私の留学生活にご興味がおありの方は、こちらをどうぞ。
『歌修業日記¡Hola!バルセロナ』

つづいて、「鳥の歌」をア・カペラで。シンプル・イズ・ベスト、と言いますが、「シンプルこそ最も深い」ことを、この歌は教えてくれます。カタルーニャ愛あふれる場で歌う「鳥の歌」は、また格別。この歌にめぐり会えた喜び、バルセロナとご縁があった喜びを、あらためて、しみじみと実感しました。

音楽コーナーの後は、お客様とご一緒して、カタルーニャのワインとシェフが腕をふるったカタルーニャ料理の数々を堪能しました。幸せ!

たった二曲のカタルーニャ民謡、それも伴奏無しでの演奏でしたが、皆様、カタルーニャの歌の世界に驚き、大いなる興味を示してくださったのは嬉しいことでした。これを機に、カタルーニャ音楽独自の魅力にどんどん触れていただければ、、、と思います。

宴の後、帰り道は雨も上がり、心地よい夜がいっぱいに広がっていました。

とあるファンの方が、ずい分遠方から、お友達と一緒に来てくださいました。帰り際にそっと渡されたメッセージを見ると、、、。
こちらこそ、ありがとうございます。いい歌を歌いたいと、心から願う一瞬です。
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by Megumi_Tani | 2015-03-03 00:50 | 講座/セミナー | Comments(0)

カタルーニャ民謡『鳥の歌』   

El cant dels ocells~鳥の歌。1971年、国連に招かれたパウ・カザルスが平和への深い祈りをこめてこの曲を奏でた。94歳のカザルスが渾身の力で発した「ピース、ピース」のメッセージを映像でご覧になった方も多いと思う。

これまでに、どれだけ歌ってきただろう?歌っても、歌っても、歌うたびに心がふるえる歌。哀しみ、喜び、願い、祈り、そんな何もかもを大きく包み込む歌、蒼穹のかなたに魂が飛び立つ歌。シンプル極まりない旋律の一体どこに、この大いなる力が秘められているのだろう…。

ピアノとの共演、ギターとの共演、ア・カペラ…。様々なアレンジで歌ってきたが、今回のリサイタルでは、初の合唱との共演が実現する。しかも、編曲はパウ・カザルス、その人だ。
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合唱に駆けつけてくれるのは、コール・シャンティーの皆さん。指揮の野本明裕先生の下、合唱を愛するメンバーが集まり、熱心に活動している。高校時代の合唱が歌人生の始まりの私にとっては、どこか心懐かしい存在。年に一度の定期演奏会が今年で46回目!1994年第27回定演に「スペイン歌曲」のステージを設け、私をソリストに呼んでくれた。以来、長いお付き合いが続いている。日本の合唱曲はもちろん、ゴスペル、ジャズ、昨年はチャイコフスキー(しかも原語!)と色々なジャンルに挑戦しているが、特筆すべきは、黄金世紀スペインの偉大な宗教音楽作曲家トマス・ルイス・デ・ヴィクトリアのミサ曲を、団のライフワークとしてずっと演奏し続けていること。宗教曲に生涯を捧げたヴィクトリアの作品は決して易しくはないし、派手でもない。その労多くして手ごわい作品を、こつこつと練習し、毎回定演で聴かせてくれる。パウ・カザルス編曲ソプラノと合唱のための「鳥の歌」は、無駄な音をそぎ落とし、深く重なる声の響きに祈りをこめた作品だ。ヴィクトリアの心を知るコール・シャンティーにぴったり!共演が楽しみだ。

プログラム前半は、カタルーニャの曲がずらりと並んだ。どういうものか、「祈り」の曲が多い。Hakujuホール聖堂化計画?やはり私は、歌うmonja(尼僧)か??
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by Megumi_Tani | 2013-03-24 22:00 | リサイタル | Comments(0)

忘れられないリサイタル   

先にお知らせした通り、1月31日NHK文化センター八王子教室で『紀宮殿下に捧げる曲』を歌う。久しぶりに楽譜を取り出してみて、えもいわれぬ感慨が湧いた。

ある日突然お話をいただき、この曲を歌わせていただいたのが2005年。端正なメロディー、アカデミックな編曲、そしてスペイン語の美しさ…。気品あふれる佳曲だった。

その後、2007年のリサイタルで、サプライズの特別演奏をさせていただいた。
実はこのリサイタルは私にとって特別なものだった。2007年は年明けから大きな出来事が続いていた。やっと訪れた春3月31日、知人の演奏会を聴きにカザルスホールへ出かけたものの、精根尽きはてていた私は、音楽に集中する力などない。ただぼんやりと席に座り込んでいた。そこへ、開演のチャイムが聞こえてきた。あ、これは…。『鳥の歌』だった。あまりにも自然に、あまりにも懐かしく、あまりにも深くしみじみと魂に響き入るメロディー…。こうしてはいられない。突然、そう思った。雷に打たれたような、という表現があるが、まさにそんな感じだった。歌おう、歌わなければ。そうだ、この『鳥の歌』を歌わなければ。Si Dios quiere~御心に叶っていれば、必ず歌わせていただけるはず。一瞬にして心が決まった。疲れ果てた体と心に生気が蘇ったことを覚えている。

わずか半年の準備期間。通常ではありえないことだが、沢山の方々のお力添えを得て10月10日、カザルスホールでのリサイタルが実現した。雨女の私のはずが、この日は晴天。美しい秋の夜空がくっきりと広がった。「開場を待つ人の列が表通りまでずっと伸びていますよ」と、スタッフに伝えられた時の嬉しかったこと。舞台のそでで半年前と同じ開演のチャイム~鳥の歌のメロディーを聞いたとき、あぁこの歌が私を呼び戻してくれた、スペインの歌が私を生き返らせてくれた、そんな思いが全身を貫いた。

この特別なリサイタルで、お許しをいただき、『紀宮殿下に捧げる曲』を演奏させていただいた。バルセロナの友人が贈ってくれた『千の風になって~soy miles de vientos』も歌った。思えば、これも不思議な巡り合わせだった。そして最後に歌った『鳥の歌』。この時に、この歌は、正真正銘、私の生涯の歌になったような気がする。

カザルスホールも今はない。『紀宮殿下に捧げる曲』の編曲を担当された心優しいK先生も天国へ旅立たれた。音楽はいつも一期一会。でも、音楽はいつも時空を超える。想い合う心をきっとつないでくれる。
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by Megumi_Tani | 2013-01-14 01:14 | リサイタル | Comments(0)